HUAWEI P30 Proのライカ・クアッドレンズ。 ファーウェイは、Androidスマートフォンの新機種「HUAWEI P30 Pro」および「HUAWEI P30」をフランス・パリで3月26日(現地時間)に発表した。どちらも日本での発売に関する情報はまだないが、従来機種のP20 ProやP20は日本でも販売されている。
いずれもOSにAndroid 9を採用するスマートフォン。最高ISO 409600まで設定可能な高感度撮影能力と、焦点距離が異なる3つのカメラユニットとデジタル処理により"月も撮れる"というほどの望遠撮影性能を謳う。
新端末を披露する、ファーウェイCEOのリチャード・ユー氏。 クアッドカメラの上位モデル「P30 Pro」
6.47型(2,340×1,080ピクセル)のDCI-P3 HDR対応OLEDディスプレイを搭載。アスペクト比は19.5:9。ヨーロッパでは3月26日に発売され、価格は999ユーロ/1,099ユーロ/1,249ユーロ(ストレージ容量による。それぞれ128GB/256GB/512GB)。
「SuperSensing 40MP Leica Quad Camera」を搭載。2,000万画素の16mm相当カメラ、4,000万画素の27mm相当カメラ、800万画素の135mm相当カメラという焦点距離が異なる3つのレンズ(カメラユニット)と、メインカメラの横に並ぶ距離情報取得用のToFカメラ(ToF=Time of Flight)を加えた4カメラ構成となっている。加えて、3,200万画素のインカメラも備える。
そのうちメインとなるカメラユニット(35mm判換算27mm相当)には、1/1.7型4,000万画素のセンサーを採用。世界初というRYYB配列のカラーフィルターを用いた「HUAWEI SuperSpectrum sensor」を特徴としている。自社開発アルゴリズムとの組み合わせで、一般的なセンサー(RGGBのベイヤー配列)に比べて40%の感度向上を実現したという。
左が一般的なRGGBの配列。右が新しいRYYBの配列。GをYに置き換えている。 黄色のY画素から、G画素の輝度情報を得る。タッチ&トライコーナーの説明員いわく、黄色の光のほうがイメージセンサーとして感度を得やすいためだという。 iPhone Xs MaxとGalaxy S10+の最高感度ISO 6400、従来機種P20 ProとキヤノンEOS 5D Mark IVの最高感度ISO 102400というのを基準として、P30が1段アップのISO 204800、P30 Proが2段アップのISO 409600に対応するというプレゼン。 ライバルのiPhone Xs MaxやGalaxy S10+より大きなイメージセンサーだとアピール。 P30 Proのメインカメラ(27mm相当)と、"ペリスコープ構造"と呼ぶ屈曲光学系の望遠カメラ(135mm相当)にはそれぞれ手ブレ補正機構が備わる。その上の広角カメラは35mm判換算16mm相当。 高感度と並び、望遠撮影の可能性を高めた点もP30シリーズの特徴。クアッドレンズのP30 Proでは、デジタルズームを組み合わせた35mm判換算16-1,343mm相当の撮影が可能としている。
P30 Proにおける50倍ズーム撮影の例。左が27mm相当、右が1,343mm相当。ズーム倍率の基準はメインレンズの27mm相当で、16mm相当の広角レンズは0.6倍のワイドモードという扱い。 望遠カメラとデジタルズーム技術の組み合わせにより「月も鮮明に撮れる」というデモ。中央がP30 Pro。 P30 Proの撮影画面。35mm判換算27mm相当の1倍 ライバルのスマートフォンでは写らないような暗いシーンでも、手持ち夜景モードで明るく写るという説明。左がiPhone Xs MaxとGalaxy S10+。右がP30 Pro。 デジタル処理でボケ描写を与えるワイドアパチャーモードを継承。撮影後のフォーカス位置移動とボケ具合の調整が可能。 トリプルカメラの「P30」
6.1型(2,340×1,080ピクセル)DCI-P3 HDR対応のOLEDディスプレイを搭載。アスペクト比は19.5:9。価格は799ユーロ(ストレージ128GB)。ヨーロッパでは3月26日に発売。
こちらは「SuperSensing 40MP Leica Triple Camera」を搭載。搭載カメラユニットの構成は17mm相当1,600万画素/27mm相当4,000万画素/80mm相当800万画素の3つ。距離情報を取得するための4つめのカメラを持たない。
ファーウェイPシリーズは写真に特化したモデルと強調。アンリ・カルティエ・ブレッソンの肖像がスライドに使われていた(一番左)。発表会の開催地であるフランスと、カメラ機能を共同開発しているライカへの敬意だろうか。