交換レンズレビュー
Sigma 100-400mm F5-6.3 DG DN OS|Contemporary
短期集中連載:100-400mm級フルサイズ望遠ズームレンズ(3)
2026年5月2日 09:00
本レンズが発売されたのは2020年7月。シグマの35mmフルサイズミラーレス専用設計ラインである「DG DN」シリーズに属するContemporaryラインの1本として登場した。
Contemporaryラインとは光学性能と携行性のバランスを重視したラインで、本レンズもそのコンセプトに沿った設計となっている。
外観・仕様
最大径×長さは約φ86.0mm×197.2mm、質量は約1,135gとなっている。開放F値を考えれば妥当なサイズと重さで、十分に手持ち撮影も可能な小型・軽量モデルと言えるだろう。
鏡筒を最長の400mmまで伸ばすとこのような状態となる。相応に伸縮するのは当然であるが、400mmという焦点距離を考えればそれも納得できる。
スイッチ類は鏡筒側面に、上から順にフォーカスモードスイッチ、撮影距離範囲切り換えスイッチ、オートフォーカスロックボタン(AFLボタン)、OSモード切り換えスイッチ(OSスイッチ)の4つが配置されている。高性能ラインのレンズとして、必要な機能が過不足なく、使いやすく装備されているという印象だ。
鏡筒上部、スイッチ類の近くにはズームロックスイッチが装備されている。収納状態でズーム位置を固定できるため、携行時に不用意に鏡筒が伸びるのを防ぐことができる。
同梱されているレンズフードは「LH770-05」。樹脂製でロックボタンなどは装備されていないものの、着脱のしやすさは上々で、凝った形状の優れたレンズフードである。
本レンズは「TELE CONVERTER TC-1411」および「TELE CONVERTER TC-2011」に対応しており、焦点距離を1.4倍(560mm)あるいは2.0倍(800mm)に延長することが可能だ。なお、装着時の開放F値は1段または2段暗くなるため、その点は留意しておく必要がある。
作例
AF駆動系にはステッピングモーターが採用されているとのことだが、AFスピードが遅いと感じるようなことは特になかった。少なくとも、なかなかピントが合わずにイライラするような心配は必要ないだろう。一方で、精度に関してはステッピングモーターの長所が良く活かされていて、正確にピントを合わせ続けてくれた。
描写性能は大変良好で、ハイコントラストでシャープな、パキッとしたシグマらしい描写を得ることができる。それほど明るいレンズではないものの、開放絞り値から解像感は非常に高く、中央だけでなく画面周辺まで同じように高画質であるところは特筆すべきことだろう。
ワイド端100mm時の最短撮影距離は1.12mとなっており、この焦点距離での近接撮影性能はお世辞にも高いとは言えない。ただし、撮影距離に無理をしていない分、近接撮影時の描写性能は変わらず良好に維持されており、ピント面での高い解像感はもちろんのこと、なかなかに柔らかく綺麗なボケ味も見せてくれる。
一方で、テレ端400mmの最短撮影距離は1.6mであり、この時の撮影倍率は最大の0.41倍になる。ハーフマクロに迫るほどの優れた接写性能を備えており、小さな被写体を画面いっぱいに写し、背景を大きくボカしたい場合にはテレ端が絶対的に有利だ。さらに、ワーキングディスタンスを長めに確保できる点も、ネイチャー撮影などでは扱いやすさにつながるだろう。
「TELE CONVERTER TC-2011」を装着することで、焦点距離は800mmへと拡大する。テレコンバーターを装着してもなおコンパクトさが失われることはなく、手持ち撮影でも超々望遠撮影が可能になるのは魅力だ。開放F値がF13と暗くなる点はあるものの、野鳥撮影などでも活躍が期待できる。
まとめ
本レンズの長所は何かと問われれば、やはりシグマらしい画質の良さにあるだろう。近年のシグマレンズは総じて性能の向上が著しいが、その流れは本レンズのような小型・軽量を志向した超望遠ズームレンズにもきちんと反映されており、サイズからは想像しにくいほど高い描写性能をしっかりと実現している点は大いに評価できる。
価格も比較的手の届きやすい水準に収まっており、写りの良い超望遠ズームレンズを気軽に使ってみたいという入門用途には適した1本と言える。
三脚座は同梱されていないものの別売りで用意されており、用途に応じてシステムを拡張していける点も魅力で、本格的な使用も視野に入れたうえで、長く付き合っていけるレンズになるだろう。
撮影協力:多摩動物公園














