交換レンズレビュー
パナソニック LUMIX S 100-500mm F5-7.1 O.I.S.
短期集中連載:100-400mm級フルサイズ望遠ズームレンズ(7)
2026年5月6日 09:00
外観・仕様
最大径×長さはφ92.0×162.1mm、質量は約1,285g(三脚座含まず)。テレ側が500mmまでに達する超望遠ズームレンズとしては驚くほど小型・軽量であり、待ち望んだユーザーの期待に応えるものだ。
鏡筒をテレ端まで伸長するとこのような姿となる。収納時の全長が短いからといって、伸長時に極端に長くなることはない点は好印象だ。
リング類はレンズ先端からフォーカスリング、ズームリングの順に配置されている。フォーカスリングはコントロールリングとして使うこともできる。またフォーカスリングの手前、鏡筒右側にはファンクションボタンが1つあり、それぞれ好みの機能を割り当てて使うことが可能だ。
スイッチ類は鏡筒側面に配置されており、上から順に撮影距離範囲切り換えスイッチ、フォーカスモードスイッチ、手ブレ補正スイッチの3つが並ぶ。手ブレ補正スイッチはモード選択も兼ねており、高性能レンズとして必要十分な装備が整っている。
フォーカスリングとズームリングの間には、ズームリングの回転抵抗を調整できるリングが設けられている。「SMOOTH」側に回せばズーミングは軽く、「TIGHT」側に回せば重く設定できる。撮影スタイルや状況に応じて、最適な操作感を求めるのもよいだろう。
やや独特な機構として、鏡筒右側基部にズームリミットスイッチが設けられており、これをオンにすることでズームの範囲を焦点距離150-500mmに制限できる。
丸型のレンズフードが付属している。ロック機構が備えられたしっかりとした作りで、着脱もしやすい。
本レンズはテレコンバーターの「DMW-STC14」および「DMW-STC20」に対応しており、焦点距離を1.4倍(700mm)あるいは2.0倍(1,000mm)に延長できる。一般的なテレコンバーターと同じく、装着時の開放F値はそれぞれ約1段、約2段分暗くなる点に留意しておきたい。
作例
採用されている最新型のデュアルフェイズリニアモータは、従来のリニアモータに対して約3倍の推進力を実現しており、高速・高精度なAF性能を達成している。ボディ側が被写体を検出さえすれば、その結果に素早く正確に応答し続けてくれるため、ストレスなく撮影できた。
混雑する動物園でも適度に距離を取りつつ、被写体を意図した構図に収められるのは、500mmまで伸びる本レンズの長所と言えるだろう。超望遠域でも「あと一歩」を実現してくれる頼もしさを感じた。
最短撮影距離を見てみると、ワイド端は0.8mとかなり短め。とはいえ焦点距離は100mmなので、最大撮影倍率は0.16倍にとどまる。そのため一般的な超望遠ズームレンズと同じく、小さな被写体を画面いっぱいに写すような撮り方は期待できそうにない。とはいえ、必要以上にワーキングディスタンスをとらなくてもよいため、取り回しの面でメリットになるだろう。
テレ端での最短撮影距離は1.5m。最大撮影倍率は0.36倍となる。トップクラスとまではいえないものの、現代的な超望遠ズームレンズとしては実用的な近接撮影が可能で、ちょっとした望遠マクロ的な撮影も楽しめる。長いワーキングディスタンスを活かしながら、近づくのが難しい被写体を大きく写すのに向いていると言えるだろう。
「DMW-STC20」を装着することで、焦点距離は1,000mmへと拡大する。テレコンバーターを使用しても画質の劣化は最小限に抑えられており、撮影結果は十分なクオリティだ。作例の絞り値はF14だが、それでも正確にピントを合わせてくれるのはミラーレスシステムの強みであり、一眼レフシステムではほぼ不可能な領域になる。
まとめ
35mmフルサイズミラーレス用の超望遠ズームレンズとしては後発となったが、それだけに現代の要求が的確に反映されている。各種ボタンやスイッチ類も充実しており、今どき求められる装備はひととおり揃っており、実際に使用してみても、同クラスのレンズとして操作性や取り回しに不満を覚える場面はほとんどなかった。
描写性能も最新設計らしく秀逸で、ピント面はシャープかつハイコントラストに描き出しながら、前後のボケは自然で扱いやすい。三脚使用はもちろん、手持ち撮影でも無理なく運用できるバランスの良さも光るポイントだ。Lマウント対応レンズにおける有用な超望遠ズームレンズの選択肢であることは、間違いないだろう。
撮影協力:多摩動物公園



















