SIGMA 35mm F1.4 DG HSM
EOS 5D Mark III / 35mm F1.4 DG HSM / 約5.1MB / 5,760×3,840 / 1/160秒 / F2 / +0.7EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:太陽光 / 35mm |
シグマはフォトキナ2012において、現在展開している交換レンズ群を今後は「Contemporary」、「Art」、「Sports」の3ラインに集約すると発表した。そのなかでもArtラインは「あらゆる設計要素を最高の光学性能と豊かな表現力に集中して開発、高水準の芸術的表現を叶える」という開発コンセプトのもとで製品展開を行なうという。そのArtライン最初の製品が「35mm F1.4 DG HSM」だ。
EOS 5D Mark IIIに装着。発売はシグマ用が11月23日、キヤノン用が11月30日。ソニー用、ニコン用、ペンタックス用の発売日は未定。価格は12万3,900円 |
35mm F1.4 DG HSMは、開放絞り値がF1.4となる大口径単焦点レンズである。最大径×全長は77×94mmとなり重量は665g(いずれも数値はシグマ用)と単焦点レンズとしては大きく、手にするとずしりとした重量感がある。レンズ鏡筒のデザインは、これまでのシグマレンズとは一線を画したものとなっており、しっとりとした触感のつや消しブラックの塗装と、手を添える箇所に刻まれたローレットパターンがアクセントとなり手にもよく馴染む。
11群13枚のレンズ構成には、蛍石と同等の性質を持つというFLDガラスおよびSLDガラス製レンズが含まれる。これにより倍率色収差と軸上色収差が良好に補正されている。これらの収差は大口径レンズの開放絞り値での撮影時に多くみられるが、このレンズで撮影した画像には収差はほとんど見られない。また画面周辺でも光源のにじみが少ないのも特徴だ。
撮影した画像を仔細に確認するとその解像力の高さに驚く。木々の枝や葉の一枚までもくっきりと分離して描写しており、木肌などの質感も非常にリアルだ。今回使用したのはキヤノン「EOS 5D Mark III」だが、純正レンズを含め、正直ここまで高い解像感を得るのは難しいのではないかと感じさせるほどの仕上がりだ。
人物ポートレートの撮影においても、ピントの合っている箇所の髪の毛やまつげの描写のキレが非常に良い。一方、F1.4という明るい開放絞り値から得られる浅い被写界深度により、35mmという広角レンズであってもとても柔らかなぼけを得ることができる。目元にきっちりとピントを合わせておけば、前後へと広がる印象的なぼけを活かしたシーンを捉えることができるレンズとなる。使い方により、とても個性的な作品を生み出すことができる1本だといえるだろう。
- 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
- 縦位置で撮影した写真のみ、無劣化での回転処理を施しています。
EOS 5D Mark III / 35mm F1.4 DG HSM / 約4.8MB / 5,760×3,840 / 1/640秒 / F1.4 / +0.7EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:太陽光 / 35mm |
EOS 5D Mark III / 35mm F1.4 DG HSM / 約4.2MB / 5,760×3,840 / 1/1000秒 / F4.5 / 0EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:オート / 35mm |
2012/11/27 00:00