デジカメアイテム丼

27型4Kという絶妙スペックのフォトグラファー向けディスプレイ「BenQ SW271」

Adobe RGBカバー率99% ハードウェアキャリブレーションにも対応

BenQ SW271。発売は12月21日。価格はオープン。実勢価格は税別18万円前後。

BenQから4K対応27型カラーマネジメントディスプレイ、「SW271」が登場する。トレンドスペックと先進性を備えつつ、BenQらしくコストパフォーマンスの良い価格帯を実現したディスプレイだ。

しかも、フォトグラファーにとって実においしい仕様になっている。SW271がいかにフォトグラファー向けの液晶ディスプレイか、その魅力を掘り下げていこう。

SW271は4K UHDに対応した27型ディスプレイだ。4Kはいかにも動画向けという印象が強いが、フォトグラファーにとっても恩恵は計り知れない。

昨今、ディスプレイの解像度は大きければ大きいほど快適だ。4K UHDは3,840×2,160ドットに相当し、これだけの高解像度ディスプレイなら、ピクセル等倍時に極端なクローズアップにならない。しかも27型と大きなサイズなので、ディテールまでしっかりと確認できる。

狭額縁のデザインを採用しているため、27型でありながらスリムな印象を受ける。
スタンドは高さ調整に加え、スイベルとチルトが可能。使いやすい位置に調整できる。

カラーマネジメントも万全

画質面を見ていこう。SW271は10bitパネルを採用し、すぐれた階調性を備えている。Adobe RGBカバー率99%、sRGBカバー率100%を実現し、ハードウェアキャリブレーションにも対応する。

キャリブレーションソフトは「Palette Mastar Element」が付属し、キャリブレーションセンサーはX-Riteのi1 Display Pro、i1 Pro、i1 Pro 2、DatacolorのSpyder 4が使用可能だ。カラーマネジメント環境の構築に申し分ない仕様である。

便利な「モノクロモード」

フォトグラファー向けの機能として注目したいのは、モノクロモードだ。これはカラーモードの一種で、ディスプレイ側で表示をモノクロ化する。調子の異なる3つのモノクロモードが用意され、画像編集をせずにモノクロ状態での見え具合をチェックできるわけだ。

モノクロモードは、レベル1/2/3がある。
モノクロ:レベル1
モノクロ:レベル2
モノクロ:レベル3
(参考)カラー表示

OSD(オンスクリーンディスプレイ)から同機能を呼び出すのがちょっと手間だが、そこは付属のホットキーパッド(OSDコントローラー)が役に立つ。ここにモノクロモードを割り当てておけば、ワンタッチで同機能の呼び出しが可能だ。Adobe RGBとsRGBの切り替えを、このホットキーパッドで行うといった使いこなしも実用的である。

ホットキーパッドは1~3のボタンに任意の機能をアサインできる。使用頻度の高いカラーモードを割り当てておくと便利だ。
OSDでホットキーパッドの機能割り当てを設定する。

USB Type-C入力も可能

先進機能については、HDR対応とUSB Type-C搭載を挙げておこう。本製品はHDR10に対応しており、広いダイナミックレンジでの表示が可能だ。HDR10はUltra HD Blu-rayやゲームなどで採用されている。

HDMIケーブルで外部機器を接続し、本製品のカラーモードで「HDR」を選択。こうすることで、HDRコンテンツをしかるべきコンディションで表示できる。

USB Type-CはPCや周辺デバイスの接続で大きな恩恵がある。本規格は1本のケーブルで映像信号とデータ信号の送信が可能だ。スマートフォンで積極的に採用され、同端子を搭載するPCも増えている。PCとディスプレイの接続をシンプルにするきっかけになるだろう。

背面下部にUSB Type-C端子を1基搭載。HDMI端子は2基搭載する。
背面にはSDカードスロットとUSBハブのポートを備える。

異なる色空間の画像を比較できる機能

めずらしい機能としては「ガンマデュオ」が興味深い。これはPBP(ピクチャーバイピクチャー)モードのひとつで、左右の画面を異なる色空間で表示するというものだ。

2台のPCをSW271に接続し、PBPによってそれぞれの画面を左右に並べて表示。その上で、左右の色空間を別々のものに設定する。

たとえば、同じ画像をAdobe RGBとsRGBで表示し、両者のちがいを確認するといった使い方が考えられるだろう。PCが2台必要になるものの、カラーマネジメントの一助となりそうだ。

遮光フード付属が嬉しい

SW271には樹脂製の組み立て式遮光フードが付属する。大型ディスプレイの遮光フードは、オプションで1~2万円することが少なくない。本製品は作りのしっかりしたものが付属し、コストパフォーマンスに大きく貢献している。この遮光フードは横位置だけでなく、縦位置にした際にも対応できる仕組みとなっている。

天板にはキャリブレーションセンサーのコードを通す穴が設けてあり、実用面もよく考え抜かれている。

まとめ

BenQは普及価格帯ディスプレイを得意とするメーカーとしてスタートしたが、年々実力を付け、いまやディスプレイ選びの選択肢に欠かせないメーカーに成長した。

もちろんパネルの品質もハイグレードで、気持ちよく画像編集に集中できる。なんと言っても、27型で4K対応という余裕ある画面環境が快適だ。小さいディスプレイだとピクセル等倍への切り替えがつい億劫になってしまうが、SW271なら積極的に切り替えていける。フォトグラファー向けのディスプレイとして、長期に渡って使い込める仕様といえるだろう。

27型という実面積の大きさ、そして3,840×2,160ドットという高解像度、この組み合わせは実に強力である。フォトグラファーが作品制作に集中できる環境を、このディスプレイは与えてくれるはずだ。

制作協力:ベンキュージャパン株式会社

澤村徹

(さわむらてつ)1968年生まれ。法政大学経済学部卒業。ライター、写真家。デジカメドレスアップ、オールドレンズ撮影など、こだわり派向けのカメラホビーを提唱する。2008年より写真家活動を開始し、デジタル赤外線撮影による作品を発表。玄光社「オールドレンズ・ライフ」シリーズをはじめ、オールドレンズ関連書籍を多数執筆。http://metalmickey.jp