私はこれを買いました!

試せば試すほど好奇心が刺激されるミラーレスカメラ

富士フイルム X-H2S(曽根原昇)

年末恒例のお買い物企画として、写真家・ライターの皆さんに、2023年に購入したアイテムをひとつだけ紹介していただきました。(編集部)

高画質機を手放してもほしくなる連写性能とAF性能の高さ

恒例! 今年の「私はこれを買いました!」は、曽根原の場合、富士フイルムの「X-H2S」になります。ちなみに昨年は同じく富士フイルムの「X-H2」でした。両機は撮像センサー以外のほとんどを同じくする兄弟機ですが、「X-H2S」は積層型センサーを搭載した約40コマ/秒の高速連写モデル、「X-H2」はAPS-Cとしては驚異的な4,000万画素オーバーの高解像モデルです。

まるで、「X-H2」に「X-H2S」を買い増したかのような豪勢な話に聞こえるかもしれませんが、もちろんそんなことはありません。「X-H2」を下取りに出したうえで、やっとの思いで「X-H2S」に買い換えたというのが実際のところです。

なぜ「X-H2S」に買い換えた? 「X-H2S」のあの素晴らしい高画質をどうして手放した? ということになりますよね。これは、ここ数年で登場したさまざまな積層型センサー搭載機を試用しているうちに、ジワジワと、でも着実にその連写性能とAF性能の高さに魅せられてしまったことによります。言わば好奇心を激しく刺激されたというわけです。積層型センサー搭載のフルサイズ機なら、かなり手痛い出費になるところ、APS-Cだけにある程度は経済的衝撃が緩和されるところもポイントでした。

もちろん、「X-H2」の並外れた解像性能を手放したことを、悔やまないと言えばウソになります。でも、通常の撮影範囲内であれば、趣味の撮影でも、仕事の撮影でも、約2,600万画素の十分な解像感で、ある意味、自分にとって本当にマルチに対応してくれるのですから、個人的には大変満足しています。それで、動態撮影ならやっぱり今どきの超望遠レンズが欲しいよねと「XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR」の購入を、これまた悩みながらも前向きに検討していたところ、11月に発表された例の突然の値上げです。これにはさすがに「うっ!」となりました。

積層型センサーを搭載したX-H2Sの優れた連写性能やAF性能は、これまでジャンル違いと諦めていた写真への挑戦心を掻き立ててくれました。買い換えに一片の悔いなし!(本当は少しあり)
富士フイルムX-H2S/XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR(XF1.4X TC WR使用)/420mm(630mm相当)/シャッター速度優先AE(1/500秒・F8.0・-0.3EV)/ISO 400

近況報告

純正の超望遠ズーム「XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR」が欲しい、と思い悩む日々を過ごしています。あとコロナ禍以降行けなくなっていた海外撮影旅行も復活したい。

曽根原昇

(そねはら のぼる)信州大学大学院修了後に映像制作会社を経てフォトグラファーとして独立。2010年に関東に活動の場を移し雑誌・情報誌などの撮影を中心にカメラ誌等で執筆もしている。写真展に「イスタンブルの壁のなか」(オリンパスギャラリー)など。