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4,730万画素フルサイズCMOSと28mmレンズ搭載の「ライカQ2」

防塵防滴やBluetooth常時接続を新装備 実機写真あり

ライカQ2

ライカカメラ社は、35mmフルサイズセンサー搭載のレンズ一体型デジタルカメラ「ライカQ2」を3月に発売する。希望小売価格は税別65万円。

2015年6月に発売した「ライカQ」の後継機。外観のイメージや28mm F1.7の単焦点レンズを継承しつつ、35mmフルサイズの撮像素子を有効4,730万画素の新開発品に変更した(ライカQは2,400万画素)。新たに防塵防滴の保護シーリングも施し、天候を気にせず撮影できるとしている。

設定可能な感度はISO 50-50000。ダイナミックレンジはライカQと同じ13段としている。動画記録は新たに4K/シネマ4K解像度に対応。ステレオマイクとモノラルスピーカーを内蔵している。

クロップにより望遠効果を得る機能では、従来の35mmと50mm相当に加えて75mmの画角も選べるようになった。クロップ時のJPEG記録サイズは、35mmで3,000万画素、50mmで1,470万画素、75mmで660万画素。クロップ撮影時には、M型ライカのブライトフレームのようにクロップ枠が表示される。

EVFは新開発の368万ドット有機EL。液晶方式だった従来モデルより高コントラストで深みのある色を実現し、電力消費も抑えたという。また、アイセンサーによる背面モニターとの表示切り換えスピードは、認識できないレベルにまで速くなったとしている。アイピース光学系の一新により、倍率は0.7倍から0.76倍に向上した。

最短撮影距離は通常時30cm、マクロモード時17cm。マクロモードへの切り換えは鏡筒部ダイヤルを操作する。フィルター径はE49。

シャッター速度はメカニカルで最高1/2,000秒、電子シャッターで最高1/40,000秒。最高連写速度はメカシャッターで10コマ/秒、電子シャッターで20コマ/秒。シンクロ速度は最高1/500秒(メカシャッター時)。

従来モデルに引き続き、光学式手ブレ補正機構を内蔵。新たに手ブレ補正のオン/オフに「オート」が加わり、オート選択時はシャッター速度が1/60秒より遅い場合のみ手ブレ補正がオンになる。従来のライカQでは、手ブレ補正機構の動作による画質低下を鑑みてデフォルト設定を「オフ」にしていた。

外装はトップカバー/背面カバーともにマグネシウム製。ライカQはトップカバーがアルミ削り出しで、背面部分がマグネシウム製だった。より剛性感があり軽量な素材だという。

電源レバーはON/OFFの2段階に変更し、連写モードはメニュー内に移設した。背面は左手側のボタンを従来の5つから3つに減らし、それぞれのサイズを大きくしている。

左:ライカQ2、右:ライカQ

背面右手側の十字キー、サムホイール、サムボタンの配置は従来同様。サムホイールはライカCLのようなボタン一体型となり、長押しで割り当て機能を変更可能になった。

上面右手側シャッターボタンわきの録画ボタンは省略され、静止画モード/動画モードの切り換えは、撮影画面で十字キー中央のボタンを押すトグル操作になった。動画モード時はマイクレベルなどが画面に表示され、シャッターボタンを押すと動画記録を開始する。

底面のスロット形状も、使用バッテリーの変更に伴って違いが見られる。側面にあったmicroUSBおよびHDMI端子は省略された。

背面モニターは3型約104万ドットのタッチパネル式。再生画面でのタッチ/スワイプ操作のほか、撮影時のタッチフォーカス/タッチシャッターにも対応する。

無線通信はWi-FiおよびBluetooth LE。Bluetoothは常時接続に対応しており、スマートフォンからカメラの電源をオンにしたり、必要に応じてWi-Fi通信を起動することができる。専用アプリ「Leica FOTOS」(4月3日から対応予定)と連携して、画像転送や共有、リモート撮影などが可能。

記録メディアはSDXC/SDHC/SDカード(UHS-II推奨)。

バッテリーはBP-SCL4(ライカSLと同じ)に変更。撮影可能枚数は約350枚。

外形寸法は130×80×91.9mm。重量はバッテリー込みで718g、本体のみで637g。

ライカQ2(左)とライカQ(右)。防塵防滴シーリングのために、レンズ部だけがわずかに長く太くなっている。カメラ本体部分の縦横サイズは同じ。
視度調整ダイヤルは、不用意に触ってしまわない構造に変更。ダイヤルそのものがプッシュ/プッシュ式で本体内に引っ込むようになった。
視度調整ダイヤルをポップアップしたところ。

本誌:鈴木誠