イベントレポート

X-Pro3が披露された「FUJIFEST GLOCAL 2019, 東京」

会場は普段入れない歴史的建造物 チタンの感触を確かめる来場者が集う

会場となった表慶館

10月26日、富士フイルム主催のファンミーティング「FUJIFEST GLOCAL 2019, 東京」が行われた。

東京・上野の東京国立博物館敷地内にある表慶館が会場となった本イベント。10時に開門予定の黒門(旧因州池田屋敷表門)には、開門30分前からすでに参加者が列を作っていた。

今回の目玉は、10月23日に発表されたばかりのX-Pro3だ。前作のX-Pro2の発売から3年が経ち、バージョンアップされたフラッグシップ機を待ち望んだファンが多く訪れた。

スタッフから入場証代わりのリストバンドを受け取り、編集部も列に並ぶ。

表慶館は明治42年(1909)に皇太子のご成婚を祝って開館した、日本ではじめての本格的な美術館だ。特別な展示等がない限り一般に開放していない建物で、そこで本イベントを開催するあたりに、富士フイルムの意気込みが感じ取られた。

中に入り、早速X-Pro3のタッチ&トライへ。X-Pro3には表面仕上げが異なるブラック、DRブラック、DRシルバーの3種類が用意されるているが、タッチ&トライの場では希望する仕上げのボディを触ることができた。DRブラックとDRシルバーは高級感あふれるチタン製ボディで、多くのファンはこの2つを目的に詰めかけているようだ。

実際に触れてみると、思った以上に「Hidden LCD」が強く印象に残る。X-Pro3では撮影時に背面モニターを出さないことで、撮影への集中を促している。撮影画像を確認するために思わず背面を見てしまうものの、そこにモニターがない感覚は、デジタルから写真に入った筆者がフィルムカメラを使用した時に味わったそれだった。

またこのブースには、マウントアダプターを介してコシナのフォクトレンダーレンズ各種を装着した実機も用意されていた。コシナレンズにおけるFUJIFILM Xユーザーの所有率は高いそうで、X-Pro3との組み合わせは会場でも存在感を放っていた。

会場内には他にもさまざまなブースが展開されていた。富士フイルムのイベントでは恒例のクイックメンテナンスサービスももちろん実施。予約分以外に、当日受付も行っていた。

持参したカメラのシャッター回数を測定するというユニークなブースも。前作の「X-Pro2」を使って9万回以上撮影している猛者もいた。ちなみに筆者が6月に買ったばかりの「X-T30」は約1,600回だった。まだまだである。測定すると認定書をもらえた。

2階にはさまざまな写真家がX-Pro3で撮影した写真が展示されていた。同じカメラを使いつつも、それぞれの作風はまったく異なる。撮影者独自の世界観を表現するのにぴったりなカメラということだろう。その描写の幅の広さに驚かされた。

4人の講師を招いてのフォトウォークも実施。荘厳な佇まいの表慶館の外観をX-Pro3で撮影して回る体験も得られた。写真の講師(中央)は三井公一さん。

発表時点で物議を醸したX-Pro3のインターフェースに、参加者たちは多少戸惑いながらも楽しんでいるように見えた。

今後、大阪・名古屋・札幌・福岡では「Xキャラバン」が開催される予定だ。東京と同じく、X-Pro3のタッチ&トライなどが予定されている。ぜひ近くの会場に足を運んでもらいたい。

中村僚

編集者・ライター。編集プロダクション勤務後、2017年に独立。在職時代にはじめてカメラ書籍を担当し、以来写真にのめり込む。『フォトコンライフ』元編集長、東京カメラ部写真集『人生を変えた1枚。人生を変える1枚。』などを担当。