イベントレポート

プロ向けイベント「Photo EDGE Tokyo 2018」撮影機材編

フルサイズミラーレスなど最新製品が並ぶ

プロのフォト・ビデオグラファーを対象とした展示・セミナーイベント「Photo EDGE Tokyo 2018」が10月24日、都内で開催された。

2016年より開催されているイベントで、今回が3回目の開催となる。フォトキナ2018で展示・紹介された機材や、発売間近の機材をいちはやく試用できるということもあり、大勢の来場者で賑わった。

本ページではPC編に続き、カメラメーカーとアクセサリーメーカーの展示内容から主なものを紹介していきたい。

ニコン、キヤノン、ソニー

フルサイズミラーレス市場に参入したニコンとキヤノンは、それぞれ新製品のミラーレスカメラおよび対応レンズを展示していた。

ニコンは、9月28日に発売となった「Z 7」と11月下旬発売の「Z 6」を展示。Zマウントレンズの「NIKKOR Z 24-70mm f/4 S」、「NIKKOR Z 35mm f/1.8 S」、「NIKKOR Z 50mm f/1.8 S」と一眼レフカメラシステムが並ぶ。マウントアダプターも併置されており、来場者はZマウントシステムの使用感を確認していた。

キヤノンは「EOS R」とRFマウントレンズの「RF28-70mm F2 L USM」、「RF24-105mm F4 L IS USM」、「RF50mm F1.2 L USM」、「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」を展示。ボディの発売を翌10月25日に控えたタイミングということもあり、ハンズオンの波は絶えることがなかった。

同社によれば、RF28-70mm F2 L USMがプロの注目を集めているとのことで、来場者はミラーレス機ならではの大口径ズームレンズの感触を確かめていた。

また、EOS Rで撮影された作品も大きく展示されており、画質が確認できるようになっていた。

ソニーは、「α9」「α7 III」「α7R III」などのミラーレスカメラを展示。発売されたばかりのG MASTERレンズ「FE 24mm F1.4 GM」の試用ができるようになっていた。

α7 IIIに装着したFE 24mm F1.4 GM

1インチセンサー採用のコンパクトデジタルカメラ「RX0」の複数機運用のデモも。

他にも、フォトキナ2018でも展示のあったTOUGHシリーズのメモリーカードが展示。防水性能の高さをアピールしていた。

別次元の解像で訴求する中判カメラ

ハッセルブラッドはフォトキナ2018で発表したXシステム用の交換レンズXCDシリーズの「XCD 1,9/80」「XCD 2,8/65」「XCD 2,8/135」およびテレコンバーター「Xコンバーター1,7」を展示。実際に同社中判ミラーレスカメラX1D-50cで試用することができた。

X1D-50cにXコンバーター1,7をつけたXCD 2,8/135を装着したところ

写真は、左からXCD 2,8/135、XCD 2,8/65、XCD 1,9/80。いずれもX1D-50cに装着した状態で試用できた。

他に、X1D-50cシステムにProfoto A1を組み合わせた最速1/2,000秒のハイスピードシンクロ撮影の紹介も。

また、23日付で発表されたばかりのハッセルブラッド認定再生品についても案内をしていた。機種は限定的ながら、同社リペア部門の点検と修理を経ているため、安心して使用できるとのこと。製品は同社Webサイト上で案内されている。実際に見せてもらったところ、シャッター回数なども細かく明示されており、細かなところまでコンディションチェックができるようになっていた。

実際にリペアを施した製品も展示されていた。中にはH4Dのステンレス外装モデルもあった。生産数は世界100台の希少なモデルとのことで、こうしたレアなモデルも今後取り扱われるようだ。

左がステンレス外装モデル

テザー撮影のデモも。

ここでは同社「H6D-100c」のバックにALPAのPLマウントとライカのレンズ「Thalia 30mm」を組み合わせて撮影した4K動画がメインで紹介されていた。

ライカカメラ社からもフォトキナ2018で発表された「ライカ S3」が早々に登場。画素数とSシステムレンズとのバランスの良さをアピール。大サイズのパネルに画像の一部を拡大した展示をするなど、中判デジタルならではの画質の優位性を確認できる展示となっていた。

フェーズワンの出展も確認できた。「Phase One XF IQ4」の展示はなかったが、XF IQシステムを担うSchneider Kreuznach Blue-Ringのレンズ群と約1億100万画素を誇る「IQ3 100MP」が一挙展示されていた。

Schneider Kreuznach Blue-Ringシリーズ
IQ3 100MP

ドローンへの搭載が可能なiXMカメラシステムの展示もあった。

GFXシリーズ2機目を発表した富士フイルムからは、「FUJIFILM GFX 50R」が展示されていた。こちらも発売を11月に控えているだけに、ハンズオンの波は絶えることがなく、その注目具合が確認できた。

もちろん、「X-T3」や「X-H1」の展示も。

左がX-T3、右がX-H1

動画への関心の高さがうかがえる展示

ブラックマジックデザインは、9月末に発売されたばかりの「Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K」を展示。製品に同梱される編集ソフト「DaVinci Resolve 15」のデモも行っていた。また、専用のコンソールも同時に試用できるようになっており、トータルでの操作感が確認できる見せ方となっていた。

このほかにも、キヤノンや富士フイルム、シグマが動画用のカメラシステムやレンズを展示していた。

ストロボやモノブロックなどの展示も充実

ニッシンジャパン株式会社は、グリップ型マシンガンストロボ「MG10」とコマンダー「Air10s」などを展示。

複数のAir10sが混在する環境であっても、MG10をフリーモードに設定すれば、機器をまたいで設定が引き継がれるなど、MG10の使い勝手の良さをアピールしていた。スタジオ撮りでモノブロックストロボを使用しているユーザーからも、MG10は光が安定しているとの反応があるとのことだった。

プロフォト株式会社は「Profoto B10」などを展示。予約が殺到しているというB10は発売日が11月1日に決定したとのこと。

B10は軽さや、24-70mm F2.8クラスのレンズとほぼ同サイズのコンパクトさが魅力のバッテリー式モノブロックストロボ。光量も250Wsと豊富な製品だ。

既存のProfoto製品向けライトシェーピングツール(OCF)が装着できる点や、モデリングライトをスマートフォンアプリから制御できる点などもアピールしていた。

アガイ商事株式会社は、ブロンカラーブランドを全面に展開。モノブロックストロボ「シロス」シリーズや、3Wsから3,200Wsまでの広い出力幅が特徴のハイエンドモデル「スコロ」などを展示。

シロス400S

フォトキナ2018で発表されたLEDライト「LED F160」とアーカイブなどの複写撮影や写真解析で利用できる「Scope D50」の展示はなかったが、「LED F160」はセコニックのカラーメーター「C-800」を用いた測定で高い安定性を示しているとのこと。

株式会社ケンコープロフェショナルイメージングも多数の製品を展示していたが、中でも目についたのが、GODOXのコードレスハイパワーフラッシュシステム。

GODOXの製品は写真館などでの需要が増加、認知度も高まってきたという。リモートでも使えるシステムとしての利点をアピールしていた。

HIVEブランドのLEDライト「WASP 100-C」の展示もあった。スマートフォンのリモート機能を利用して色温度のコントロールが可能。Profoto用のリフレクターやボックスとの互換性もあるとのことだ。

株式会社セコニックからもフォトキナ2018で発表されたばかりのカラーメーター「スペクトロマスター C-800」が登場。LED光下での色評価に対応するほか、映画芸術科学アカデミーが開発した演色評価指数SSIをカラーメーターとして初めて搭載したモデルだ。

レンズに特化した展示も

株式会社シグマは、スポーツラインの最新レンズ「60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM」を展示。利用シーンを聞いたところ、成田空港などの撮影スポットで60mmまで引ける利点があるとのこと。このクラスの超望遠ズームレンズは100mmからのものが多い中、近づいた旅客機を写しやすいところにポイントがあるとしていた。

左から3本目が60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM。

ソニーEマウントに対応したレンズも用意されており、MC-11経由とのAFスピードの差などが体験できる展示となっていた。ブースではソニーのフルサイズEマウントαシリーズを持ち込んだ来場者の試用する姿が絶えなかった。

ソニーEマウント対応レンズ

本誌:宮澤孝周