イベントレポート

鈴木知子さんに教えてもらう撮影とプリントの魅力…「はじめてプリントを楽しむワークショップ with Canon PIXUS XK80 セミナー・体験会」

講師の鈴木知子さん

9月29日、横浜の波止場会館にて、スナップフォトグラファーの鈴木知子さんを講師に迎え、女性限定のワークショップ「はじめてプリントを楽しむワークショップ with Canon PIXUS XK80 セミナー・体験会」が開催されました。

この日はあいにくの雨模様でしたが、午前・午後の部でそれぞれ10名の女性が参加し、横浜港大さん橋国際客船ターミナル周辺を舞台に、スナップ撮影とスクエアサイズのプリントを楽しみました。

今回は筆者も生徒として参加、スキルアップを目指して撮影とプリントに励みました。

最新のカメラとプリンタをひとり1台貸し出し

今回教えていただいた鈴木知子さんは、横浜をベースに活動するフリーランスのスナップフォトグラファー。1日1枚、365日写真を撮り続けることをモットーにしており、雨の日のスナップも得意としています。

ワークショップは、まず座学から始まりました。横浜で撮れる写真の魅力が紹介され、そうした写真を撮るための基本的なカメラの使い方が説明、レクチャーされました。

今回使用できた機材は下記の通り。カメラ、レンズ、プリンターはひとり1台ずつ貸し出されました。

「EOS Kiss M」は2018年3月23日に発売されたカメラで、Kissブランド銘を製品名に冠したミラーレスカメラとしては初号機に位置づけられます。コンパクトで携帯性に優れるうえ操作性もよく、さらに「新・映像エンジンDIGIC 8」により色鮮やかな写真が撮れるとあって、ビギナーから上級者まで幅広く楽しめるカメラです。

相棒として用意されたレンズは、約8.3倍のズーム比を誇る「EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM」です。広角から望遠までカバーできるだけでなく、最短撮影距離0.25mと、被写体にぐっと近づいて撮影することもできるので、1本で様々なシーンの撮影が楽しめる優れものです。

メタリックなボディがとてもスタイリッシュなプリンター「PIXUS XK80」は、プレミアム6色ハイブリッドインクにより描写力がパワーアップし、ランニングコストも抑えられたプレミアムモデルです。フロント側に設けられた4.3型のタッチパネルは反応もよく、軽快にプリント操作ができます。また同社のアプリ「Easy-PhotoPrint Editor」を使えば、Wi-Fi接続でスマートフォンからInstagramにアップした写真のプリントもできます。

もちろん、今回の講座で使うスクエアサイズのプリントにも対応しています。使用したのは「キヤノン写真用紙・光沢 ゴールド スクエア127mmサイズ」。

Instagramが流行の昨今ですが、スクエアの写真用紙はまだ珍しいのではないでしょうか。この用紙を使えば、上下や左右を切り取ることなく、正方形のプリントが完成します。

雨の日だから撮れる写真とは?

座学の後はいざ撮影。と、その前にカメラのセッティングをします。どこにどの機能があるのかなど、細かく指導が行われていました。

あいにくの悪天候でしたが、鈴木さんは雨の日だからこそ撮れるスナップ写真の魅力や撮影時のコツを解説してくれました。

「意外とみんな撮らないのですが、むしろ雨だから撮れるステキなスナップもあるんです。リフレクション撮影といって、水たまりや雨上がりの写り込みも絵になります。透明の傘があると便利。雨粒をフィルター代わりにすると面白い写真が撮れることもあります。雨の日は青空が望めない分、モノクロで楽しんでもいいと思いますよ」(鈴木さん)

さらにホワイトバランス補正で印象を変えられること、曇りの日に空を入れると殺風景になりやすいこと、今回プリントするスクエア用紙にあわせ、撮影時からあらかじめアスペクト比を1:1にしておくと、フレーミングがやりやすくなるなど、たくさんのアドバイスがありました。

携帯すると便利な雨の日グッズなども紹介され、晴天では得られない、ちょっとお得な内容になったかもしれません。

雨の横浜で撮影を楽しむ

天候は途中から本格的な雨模様に。傘をさしながらの撮影となりましたが、参加者はみんな非常にアクティブ。あちこち動き回り、しばし置き去りにされた鈴木さんがさみしがるほどでした。

大さん橋ターミナルには、まるでマンションのような高さの巨大客船セレブリティ・ミレニアムが停泊していたこともあり、この周辺で撮影が繰り広げられました。

ターミナル内は雨がよけられて快適。この日は外国人旅行客の姿も多く、手軽に異国情緒あふれる写真が撮れると鈴木さん。筆者にとっても面白い経験でした。

そんな筆者ですが、今回も何を撮ればいいのか、出だしで大いに悩みました。

雨の日に撮影に出たことがなかったので、鈴木さんのアドバイス通り、素直に水たまりへの写り込みを観察したり、水滴を通して見る景色を写し込もうとあれこれ試した結果、普段撮らないモノクロで統一してみることにしました。

まずはピクチャースタイルをモノクロに変えてみたのですが、さらに理想的な黒を出すため、ピクチャースタイルのカスタマイズに挑戦。加えて露出補正もマイナスにするなど、撮影時にも自分の欲しい絵になるよう気を配りました。結果的には満足のいくモノクロ写真が撮れたような気がします。

筆者がイベント当日に講師に提出した作品。

モノクロでもPIXUS XK80の画質は上々。ピクチャースタイルをカスタマイズして目指した黒がうまく再現され、シルエット表現が強調できました。反射や水滴などハイライト側も、すっきりしつつもトーンが残っており、筆者がのぞんだ階調になったと感じます。

SDカードを挿すだけで、さくさくプリント!

PIXUS XK80にはSDカードスロットが搭載されており、PCを使わずプリンターだけでダイレクトにプリントできます。初期設定で用紙サイズや画質、補正の有無などを設定したら、あとはタッチパネルで写真を選んでプリントボタンを押すだけ。

タッチパネルには複数のサムネイルを表示できますし、フリックで簡単に画面の切り替えができるので、選択とプリントに集中できます。画面も4.3型と大きく見やすかったです。

夢中になりやすいので、筆者もつい用紙が足りなくなり、何度も追加オーダー。見渡すと、スクエアのプリントがプリンタの周辺にあふれかえっていました。

参加者もみな撮り方に個性が現れていて、ひとりとして似通った作風の方はいませんでした。まさに十人十色とはこのことです。

プリント体験のあとには講評会が待っていました。

講評会はひとり2作品をもちよっての合評スタイル。鈴木さんがひとりひとり丁寧に、作品のどこがいいかを説明してくれました。もう少しこうしたらよかった、というポイントが見つかった時は、視覚的にもわかりやすく説明してくださるため、とても好評でした。他の人の作品を解説つきで見る機会はなかなかないためか、参加者全員が真剣に講評に耳を傾けていました。

あいにくの雨模様でしたが、撮影やプリントを通じて、参加者同士でも距離を縮めたようで、全体的にわきあいあいとした様子が印象に残るワークショップでした。

参加者の声

森本千春さん

横浜は晴れた日のほうが映える風景が多いと思っていたんですが、雨の日の楽しみ方を教えていただいて、とても面白かったです。これからまたどこかに撮りに行きたいと思いました。

EOS Kiss Mを使ったのは初めてだったんですが、操作しやすくて驚きました。プリントはほんとうに楽しくて、ずっとプリントしていたいと思ったほどです(笑) SDカードをカードスロットに入れるだけでプリントできるのはすごくいいなと思いました。撮ったものを並べて気づいたのですが、画面で見るのとプリントしたものを見るのは全然違うんですね。

写真をみなさんに見せて評価をいただくという機会が初めてだったので、こういう見せ方があると知れたのがよかったです。みなさん同じ場所で撮ってるのに、構図もバラバラだし、カメラも同じなのに。不思議でした!

佐々木綾子さん

朝来るとき、雨だからいやだなと思っていたんですけど(笑)、雨の日に撮る写真のポイントが聞けて新鮮でした。地面とか水滴とか、雨だから撮れるものがあるってことに気づけました。

プリントは昔カメラ教室に通ったときに少ししたことがある程度。普段はしません。小さなサムネイルで見ると「まあまあ写ってる」と思えても、大きくプリントすると何が言いたいのかよくわからない写真もありましたね。プリントして自分の写真を並べると、感覚的に善し悪しが選別できるなと思いました。

講評では褒めてもらえてテンションがあがりました!

矢島美奈子さん

応募したきっかけはプリンターへの興味と、自分の写真をプロの方に見ていただきたかったからです。自分で撮ってみているだけでは、その写真が良いのか悪いのか分からないので、Instagramは一時期やってたんですけど、インスタ映えしそうな写真ばっかり意識しちゃうので、いまは少し距離を置いています。他の人がどんな風に撮ってるのかなとか、どんな風に言ってもらえるのかな、っていうのが一番の楽しみで来ました。

スクエアの用紙は初めてで新鮮でした。撮っている時から1:1なところも。こういう撮り方もあるのか、と新しい刺激になりました。講評もすごくわかりやすかったです。先生が不要な部分を紙で隠すと「あー! 確かにそう!」と理解できました。

加藤由里子さん

DPEショップにプリントを出すと勝手に色を補正されて違う色になってしまったことがありました。今回のイベントでは自分が思った色でプリントしたいと思って申し込みました。実際に思った通りの色で綺麗に出てくれたので嬉しかったです。

普段は3:2で撮影しているので1:1の構図はどうすればいいのかで悩みました。わからないまま終わってしまいましたが、他の参加者の作品を見て、「なるほどそういう撮り方あるんだ、おしゃれ!」と刺激になりました。もう一度トライしたいと思います。

坂田留美子さん

写真歴は5年くらいなんですけど、初めてカメラをもったときのような感覚で、ワクワクしながら新鮮な気持ちで撮れました! Instagramをやっているので、スクエアの世界は見慣れてはいるんですけれども、プリントして見るというのは初めてだったので、一体どんな絵が撮れるんだろうって。すごく楽しかったです。

プリント速度は速かったですね。しかもここまで綺麗にプリントされるとは思ってなかったのでびっくりです。家でこれくらいの画質でできるなら、お店に出さなくてもいいかなって(笑) 自分好みの写真にできていいかもしれません。

カメラはエントリーモデルだと思って最初はちょっと侮ってました。でも撮ってみたらすごく綺麗で、あれ?って(笑)。しかも広角から望遠まで1本で撮れるじゃないですか。あの軽さなら1日持っていても疲れなくていいですよね。

こういった講座を受講した経験は何度かありますが、スクエアで撮ったりプリントしたのは初めてです。みんなこんな風に撮るんだって勉強になりました。また新たな世界に1歩足を踏み入れた感じです。

北村きょう子さん

ちょうどカメラの買い換えを考えていたので申し込みました。撮影も楽しかったです。先生の撮影が早くてびっくりしたんですよ。うかがったら「私これでも遅いほうなんですよ」っておっしゃって。でもパッと撮ってサッと行っちゃう(笑)。

プリントは自分では滅多にしません。もちろん、スクエアでのプリントも初めてで新鮮でした。プリントして見せ合うという経験自体はあったのですが、その日会ったばかりの人達で、同じ場所、同じ時間に撮ったのを見せ合う経験はありませんでした。講評も同じです。どうやって撮ったらいいのかも質問できたし、すごく楽しかったです。他の方が撮った場所にも行けてないので、個人的にまたリベンジしたいと思います!

制作協力:キヤノン

すずまり