イベントレポート

鶴巻育子さんに学ぶ「はじめてプリントを楽しむワークショップ with Canon PIXUS XK80 セミナー・体験会」

講師の鶴巻育子さん

10月13日(土)、本格的にプリントを経験したことがない方を対象とした、女性限定のワークショップ「はじめてプリントを楽しむワークショップ with Canon PIXUS XK80 セミナー・体験会」が長崎県長崎市で開催されました。

講師はプロ写真家の鶴巻育子さん。会場にはプリントやカメラをもっと知りたいという女性が集まり、情緒あふれる長崎を舞台にスナップ撮影とプリントを楽しみました。

会場はグラバー園にほど近い活水女子大学 ラッセル館。

参加者には1台ずつカメラとプリンターが貸し出されました。

使用したカメラは、現在ヒット中のミラーレスカメラ、キヤノンEOS Kiss M。一緒に使用するレンズは、約8.3倍の高倍率ズームを誇りながら、最短撮影距離0.25mと接写にも強いEF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STMです。

プリンターは、キヤノンのA4インクジェットプリンターの最新モデル「PIXUS XK80」(以下、XK80)を使います。

9月6日に発売されたばかりのインクジェットプリンターで、6色のインクを搭載しています。シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックといった定番の4色に加え、新たにフォトブルーインクを搭載したことで、写真の繊細な描写と鮮やかなプリントを実現しています。もちろん、文字印刷も得意。顔料のブラックインクも搭載しているので、写真以外の文書印刷でも強さを発揮します。

スマートフォンとの連携が強化されていて、アプリ「LINE」を利用したプリントにも対応。低ランニングコストやLサイズ1枚が14秒でプリントできる高速性能もポイントです。今回のセミナーで実施したように、インスタグラムのようなスクエアサイズの写真プリントも楽しめます。

スマートフォンからのプリントに挑戦!

セミナーは午前と午後の2部制で、それぞれ30分程度の座学のあと約1時間ほど会場周辺でスナップ撮影の講習が入り、会場に戻ってプリントと講評会に進む流れです。

実はこのXK80、スマートフォンからの直接プリントにも対応しているんです。また、EOS Kiss MもスマートフォンとのWi-Fi接続に対応しているため、撮影からプリントまでをワイヤレスで進められます。

そこで今回は撮影した写真をスマートフォンに転送し、スマートフォンから127×127mmのキヤノン純正スクエア用紙にプリントすることになりました。

今回の参加者には、事前にカメラとスマートフォンを連携させるためのアプリ「Canon Camera Connect」と、スマートフォンからプリントするためのアプリ「Easy-PhotoPrint Editor」をインストールしておいてもらうように案内されていました。

アプリのメニュー画面
Canon Camera Connect
Easy-PhotoPrint Editor

会場では到着した方から順に設定の確認がスタート。アプリはiPhoneとAndroid双方に対応しています。ほとんどの方は無事に設定が完了したようでした。

本能と感情にまかせてシャッターを切って!

座学では、鶴巻さんがスクリーンにカメラのディスプレイを投影しながら、扱い方やおすすめの設定、スナップ撮影のコツを解説しました。

「おすすめはプログラムか絞り優先モード。ホワイトバランスは被写体を見つけたとき、そのまま撮るのもいいし、自分で色味を変えてもいいですね。今日はF値を変えてみる、明るさを変えてみる、ホワイトバランスで色の調整をしてみるなど、いろいろ試してみましょう!」(鶴巻さん)

スナップ撮影に向けて、鶴巻さんご自身がロケハンで撮ってみたという写真が解説されました。鶴巻さんによれば、気になったらとにかくシャッターを切るといいそうです。

「写真は自分が何を見つけるか、自分が表現したい(こと・もの)は何か、であって、答えは自分の中にしかない」(鶴巻さん)

迷ってるくらいなら自分の本能を信じて、とにかくシャッターを押してほしい、と鶴巻さん。感情のままに撮ってみると面白い写真が撮れるのだそうです。「どこをどう撮ったらいいんだろうって考え出すと、写真は下手になります!」という言葉に、毎回考えては迷う筆者はドキリとしました。

長崎の路地裏を撮影してみよう

座学のあとは、みんなで路地を散策。迷子がでないよう鶴巻さんやスタッフが誘導しての撮影となりました。

好天の中、長崎市内ならではの階段を移動。撮影に熱中し過ぎて「ペースを上げてください(笑)」と促される場面も。途中、長崎の街と海を見渡せる公園があり、長崎がほぼ初めてに等しい筆者は、ちょっとした観光気分も味わえました。

肝心のスナップは、やはり悩みまくる展開となりましたが、なんとなくシャッターを切っているうちに、いくつかシリーズ化できそうな感じがしたので、ぼんやりとした複数のテーマを同時進行で撮ってみました。自分の好みに固執すると同じような写真になってしまうので、もっと好奇心のアンテナを立てていかないといけないと反省した次第です。

筆者が講評に提出した写真(午前の部)
筆者が講評に提出した写真(午後の部)

スマホアプリでプリント

今回はスマホアプリ「Easy-PhotoPrint Editor」を利用してプリントするということで、座学の際にはアプリに備わっているフィルターについても紹介がありました。

そのままプリントしてもいいけれど、あえてアプリのエフェクトを使って遊んで、その違いも楽しんで欲しい、と鶴巻さん。

撮影から帰ってきたらさっそくプリントの体験です。

今回のプリントはスマホ経由だったわけですが、カメラの画像はもちろん、自分のスマホの中の写真も本格的なプリンターでプリントできるとあって、熱心に操作方法を学んでいました。難しいと思われたWi-Fi接続も、手順が一度理解できれば問題なし。どんどん繋いでプリントしている様子でした。

私自身にとても貴重な経験になりました。Wi-Fi連携での写真転送の便利さは知っていたのですが、まとまった量の写真をアプリからプリントしたのは初めてでした。

アプリ「Easy-PhotoPrint Editor」を使うと、スマートフォンの中に保存してある写真すべてがプリント対象になります。しかもオリジナルの写真は残したまま、プリントするためだけにアプリにプリセットされたフィルターを適用できるので、いろいろ遊べるところも魅力だと思いました。

鶴巻語録が飛び出す講評タイム

「プリントした写真は全部並べてください!」

鶴巻式の講評では、プリントした写真を"全部"ならべて見せ合います。一見はずかしい方法に思えますが、自分では気づかない撮影の傾向や、評価が得られるというメリットがありました。

「並べ方にも個性が出て面白いですよね(笑)。写真同士をくっつける、あけるといったことだけでも印象って変わるんですよ」(鶴巻さん)

並べた写真に自分なりの解説を加えたあとは、鶴巻さんが参加者の写真をどんどんグループ化していきます。

「あって当たり前のものを、あえて撮る!」「写真は気持ちが出ちゃう!」「あーこれ、キョロキョロしているのがわかる」「迷ってるのと、反応しているのが出るね」「地元の人と県外の人で違いがでますよね」「こうしてみると、どれだけ違うように見えても、並べて見ると1人の人が撮ったのが分かるから面白いね」

など、コメントしながらシャッフルしていくと、バラバラに見えていた写真や、ただ撮っただけに見えていた写真にストーリーやリズム感が生まれ、参加者は感嘆の声を上げました。

目の前で実際にプリントを並べ替えることができるから、まったく違う見せ方があることを知る。まさにプリントの醍醐味だったといっていいでしょう。

参加者のコメント

座間寛子さん

街歩き自体は好きなのですが、ふだん使っているカメラがとても重いので、ミラーレスカメラはどうかと思っていたところ、このイベントを見つけたので申し込んでみました。カメラは操作しやすいし、シャッターも速いし、何より軽いということで、体験できてよかったです。

プリントは年に2回くらい、プレゼントするときや写真展に応募するときに写真屋さんかプリント屋さんに頼んでいます。今日はスマートフォンからプリントしたんですが、サクサクできるし、発色は綺麗だし、プリントの出力も早くて、自分でプリントして自室にバーッと並べたいと思いました。コンパクトなので欲しいです。本当に欲しいです。

ふだん3:2や5:4で撮ってるので、最初スクエアでは端が切れたらどうしようって心配しながらだったんですが、慣れたら思うようなイメージで撮れたのでよかったです。可愛い写真とか、インスタ映えするような写真は1:1がいいかなと思いました。

プリントを並べて選ぶという経験は、先生からはすべて見抜かれている感じがしました(笑)。そんなつもりはなかったのに、ほとんどズームで撮ってた、と先生に指摘されて気づきました。ふだんの撮り方が出ちゃうんですね(笑)。これからはもうちょっと広角でも撮れるようにしてみたいです。

菊田紘子さん

普段はスマートフォンのカメラやコンパクトカメラくらいしか使わなくて、レンズ交換式のカメラは今日が初めてだったんです。だから持ち方からわからずでしたが、思っていたよりも軽いし、負担にならないし、見た目も可愛らしいので、違和感なく使えました。

プリンターは、職場以外では接する機会がなくて、必要なときはコンビニを使っていました。自分でやるのは初めてでしたが、こんなに手軽にできるんだと驚きました。実際目で見ているものが、プリントアウトしてみるとちょっと印象が違ったりとか、そういうところが難しいけど、面白いなって思いました。

"どういうのを撮ればいいのか"とか、"どういう仕上がりになるのかな"っていうのも分からずに来たので、スクエアの写真もはじめてで。でも、わからずに撮っても可愛らしくできるっていうのが、なんだかとても嬉しかったです。

先生には見抜かれる感じがしました(笑)。最初恥ずかしいって思ったんですけど、この感覚がすごく楽しかったので、いろんなところに目を向けてまた撮りたいなと思いました。

橋口由紀奈さん

いつもはスマートフォンでしか撮らないんですけど、今日はスクエアのプリントということで、ポラロイドカメラみたいな感覚で撮ることができて楽しかったです。フチありにできたりして、可愛いなと思いました。最近はプリントアウトすることが少なかったので、手に取ってみると、より感覚的な感じで見られるのがすごくいいなと思いました。

写真も、他の人と同じルートを通っても、自分が見ているものと全然違うんだなっていうのがすごく面白かったです。自分の作品を見たら、自分の性格がよく出てるなっていうのがわかって(笑)。やっぱり強い性格してるんだなとか、やわらかくはないんだな、とか。(写真には)そういうパーソナリティがでるなって思いました。

これまで100枚撮ったとしても、お気に入りの1枚をプリントアウトしてみようとか、そういうのが"おっくう"だったんですね。でもこれだったら、家にあったら気軽にできるかもって思いました。

乙女恵さん

ミラーレスカメラは持っているんですが、買ってから全然有効活用できてなくて。街に出て写真を撮るということもなかったので、どんな作品になるかわからなかったんですが、今日は思い切って申し込んでみてよかったと思いました。

カメラは、私のよりも軽いなと思いました。1時間くらい外を歩いたんですが、持ち運びしやすいし、本当に見たままに撮れて、すごいです。

今まではお店でプリントしたことはありましたが、プリントって簡単なんだなって思いました。スマートフォンもすぐつながりましたし、アプリの編集機能もふだん使っているアプリに似ていたので、やりやすかったです。

スクエアは初めてだったんですが、ポップな感じで可愛いなっていうのと、おしゃれだなって思いました。

いつも写真は画面で見るんですけど、現像すると違うんですね。写真にもよるんですけど、迫力があったりとか、プリントしたことで写真の印象が変わりました。先生にシャッフルされて、意外なところにまとまりがあるっていわれて……。自分では全然気づかなかったです。発見になりました。

吉田祐希さん

本当に今日初めてカメラを触ったんです。機械には疎いんですが、説明が分かりやすくて、ためになりました! 途中でピントの合わせ方がわからなくなったんですが、画面をタッチしたらできるって教えていただいて。便利ですね(笑)。

(レンズ交換式の)カメラは使ってないですが、スマートフォンで撮った写真を毎月8枚、小さめのスクエアでプリントするサービスは利用しています。ポートレートや友だちとのプライベートの写真を選んでプリントしています。

でも、自分でプリントできるとすぐに見られていいですね。今日の写真は用紙も大きいので世界が違って見えました。パソコンがなくても、スマートフォンだけでできるっていうのも"良さ"だなって思いました。

並べて見せ合うと、本当に視点がそれぞれで、個性がでてました。自分とは違う視点をお持ちの方がたくさんいらっしゃったので、何気ないところでも「あ、こういう見せ方があるんだ」っていう発見がいっぱいありました。知らない方がバッと集まって、いろいろ見られるっていうのはすごく楽しいです。

カメラ自体買おうと思っているところでしたので、今日の経験を参考にします!

平川菜摘さん

今日は最初からすごく緊張していて、撮るときも緊張したまま撮っていたんですけれど、明るさの調節などを教えてもらったりしているうちに撮影が楽しくなっていきました。こんなに大勢で撮ることがなかったので、とてもいい経験になりました。

ふだんプリントは全然しなくて。過去に1度だけお店にプリントしに行ったことがあるんですけど、行って、選んでとやってるうちに熱量がなくなってしまって。でも今回自分でプリントしたら(いい意味で)自分で撮ったのと全然違う! と思って……。自分で見て自画自賛じゃないですけど、「私上手じゃない?」って思えて嬉しかったです(笑)。

スクエアの用紙も形が可愛くて、何をプリントしても可愛く見えるんじゃないかなって思いますし、初めてでしたけどとても楽しかったです。

制作協力:キヤノン

すずまり