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シグマ、Sportsライン初のミラーレス専用超望遠「SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS」を8月27日に19.8万円で発売

SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS|Sports(写真はEマウント用)

株式会社シグマはEおよびLマウント用の超望遠ズームレンズ「SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS|Sports」を8月27日に発売する。希望小売価格は19万8,000円(税込)。

Sportsライン初のミラーレス専用設計

35mm判フルサイズミラーレスカメラ向けに専用設計された超望遠ズームレンズ。Lマウント用は1.4倍および2倍のテレコンバーター(TC-1411 / TC-2011)にも対応しており、最大で1,200mm相当の画角を得ることができる。最短撮影距離は広角端で58cm、望遠端で280cm、最大撮影倍率は180mm時で約0.35倍となっている(一眼レフ機用は260cm、最大撮影倍率は0.2倍だった)。

同社は一眼レフカメラ向けとして同じスペックの超望遠ズームレンズを2014年に発売。光学系と鏡筒のつくりわけで堅牢性や信頼性を重視したSportsラインと、携帯性などを重視したContemporaryの2ラインで展開しているが、このほどこのSportsラインにミラーレス機専用設計モデルが加わった。同社のミラーレス専用設計レンズは、これまでArtラインとContemporaryラインで単焦点およびズームレンズがラインアップに加えられていたが、Sportsラインのミラーレス機用は本レンズが第1弾となる。

SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM|Contemporary(左)とSIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM|Sports(右)。(「新製品プレゼンテーション 8月4日」YouTubeより。他同)

8月4日にYouTubeを通じてライブ配信された製品発表の場で、同社代表取締役社長の山木和人氏は、フルサイズミラーレス専用として開発するにあたって3つの目標を掲げたと説明した。

山木和人氏(株式会社シグマ代表取締役社長)

その目標とは1点目が光学性能の向上、2点目は防塵防滴構造など、厳しい環境下での使用にも応えるSportsラインとしての信頼性、そして3点目として一眼レフ機向けの既存Sportラインモデルからの大幅な小型・軽量化にあったのだという。

3つの目標

レンズ構成

本レンズでは焦点距離およびF値は一眼レフ機用のスペックを踏襲しているが、近年同社が推し進めているビルドクオリティの追求に加え、光学系も最新技術をベースにミラーレスカメラ向けに最適化しているという。

レンズ構成は15群25枚を採用(FLD4枚、SLD2枚を含む)。特殊硝材による諸収差(コマ収差、非点収差、倍率色収差)の抑制に加えて600mm側の画質性能も追求したとして、ズーム域全体で解像感やクリアな描写を実現しているという。このほか、フレアやゴースト耐性についても光学・機構設計面の工夫により、強い光線状態下でもクリアな描写が得られるという。また絞り羽根は9枚の円形絞りを採用(最小絞りはF22〜F29)。アウトフォーカス部のボケ描写にも配慮した設計だとして、超望遠レンズならではの画づくりも楽しめると説明している。ちなみに一眼レフ機用の同Sportsラインは16群24枚の構成となっている。

MTF図の比較

AF・スイッチまわり

機構面ではAFアクチュエータにステッピングモーターを採用。また、超望遠レンズにおいて移動量が大きくなりがちなフォーカスレンズの制御に高い精度の磁気センサーを用いることで正確なAF制御を実現しているという。

また、レンズ内手ブレ補正機構(OS)も搭載。600mmでシャッタースピード4段分に相当するブレ補正効果が得られるという。このほか、撮影内容にあわせた動作設定を選べるカスタムモードスイッチも搭載している。

このほかスイッチ類はフォーカスリミッターのほか、任意の機能を割り当てることができるAFLボタンを鏡筒脇3カ所に配置。また、Lマウント用では別途USB DOCKを用いることで、カスタムモードスイッチに任意のフォーカスリミッター範囲を設定することも可能となっているという。

鏡筒

レンズ鏡筒素材にはポリカーボネートTSC(Thermally Stable Composite)を適所に採用。アルミニウムに近い熱収縮率を有する素材だとして、同社が定めるSportsラインとしての基準をクリアしながらも軽量化と堅牢性の維持を実現したとしている。質量は同ライン一眼レフ用モデルから約700gの軽量化が図られているほか(2,860g→2,100g。新レンズの数値はLマウント用のもの)、全長も約26.6mm短くなっている(290.2mm→263.6mm)。最大径は109.4mmで、これも一眼レフ用から11.6mmスリム化(一眼レフ用は121mm)され、フィルターサイズも95mmに小径化されている(一眼レフ用は105mm)。

既存製品とのサイズ比較

鏡筒はズーム操作に応じて全長が変わるタイプ。またズーム操作は直進ズームにも対応しているとして、ズームリング操作と直感的な操作の双方で運用できる仕組みを採用している(同社ではデュアルアクションズームと呼称している)。また鏡筒脇にズームロックスイッチも搭載。同スイッチ部にはズーム操作時の「重さ」を2段階(T:タイトおよびS:スムーズ)に切り替えることができる「ズームトルクスイッチ」機構も新たに追加されている。

T位置の使用例。自重落下がないという

このほか鏡筒は防塵防滴構造を採用。最前面のレンズには撥水防汚コートを採用。製品には着脱対応の三脚座「TS-121」(アルカスイス互換形状を採用。リング部の取り外しは不可。マグネシウム合金製)を備えているほか、別途交換用の三脚座「TS-81」の装着にも対応している。

フードはかぶせ式の「LH1034-01」を採用している。製品にはフードのほか、フロントキャップ「LCF-95III」、かぶせ式キャップ「LC-747E」、三脚座「TS-121」、リアキャップ「LCR II」が付属する。

LH1034-01
LC-747E

本誌:宮澤孝周