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アップル、ポートレートのボケ具合を調節できる「iPhone XS」「iPhone XS Max」「iPhone XR」

F値スライダーを搭載 「iOS 12」はカメラ起動が高速化

iPhone XS Max、iPhone XS

アップルは9月13日(日本時間)、スマートフォン新モデル「iPhone XS」「iPhone XS Max」「iPhone XR」の3モデルを発表した。本稿ではカメラ関係の仕様を中心にお伝えする。

今回の新モデルはいずれも新チップ「A12 Bionic」の採用により、標準搭載のカメラアプリで、ポートレートモードにおける被写界深度の調整や「スマートHDR」といった、より複雑な処理を可能にした。

発表会では、ポートレートモードで撮影した写真の被写界深度を調節するデモが行われた。撮影後の画面にF値のスライダーが表示され、F1.4〜16の操作に連動して被写体の前後に与えられるボケが調節できる。

F値のスライダーが追加される。

アップルがこうして「レンズの絞り値」のような専門的パラメーターをユーザーに操作させるのは珍しく、同じくカメラ機能をウリにした他社スマートフォンからの影響のようにも感じられる。

iPhoneの販売ラインナップは、今回の新モデルに加えてiPhone 7/Plus、iPhone 8/Plusが併売される。

また、日本時間9月18日にリリースされる最新ソフトウェア「iOS 12」は、iPhone 5sまでの旧モデルをサポートし、全ての機種でパフォーマンスが向上する点をアピール。また、カメラの起動が最大70%速くなるとしている。

iPhone XS、iPhone XS Max

有機ELパネルの「Super Retinaディスプレイ」を搭載するハイエンドモデル。5.8型、6.5型の2モデル展開になり、それぞれ「アイフォーン・テン・エス」、「アイフォーン・テン・エス・マックス」と読む。

従来モデルの「iPhone X」は5.8型のみで、6.5型のiPhone XS MaxはiPhone史上最大のディスプレイとしている。画面周囲のステンレス外装を継承した。

iPhone XSのカラーバリエーション。ゴールドが追加された。

サイズ違いの2モデルを展開するのはiPhone 6/iPhone 6 Plus以来の恒例だが、iPhone Xではベゼルの細さを強調した「オールスクリーンデザイン」のため、Plus以上の大きさを表現するために「Max」と名付けたという(発表会のライブ配信動画より)。

メインカメラは1,200万画素×2。新規のイメージセンサーを採用しているという。デュアルカメラのどちらにも光学式手ブレ補正を搭載。セルフィー向けのインカメラは700万画素。iPhone Xに引き続き、3D顔認証「Face ID」に対応する。インカメラでも背景にボケを与えたセルフィー撮影が可能。

ストレージ容量は64GB、256GB、512GBを用意し、税別価格はiPhone XSが11万2,800円から、iPhone XS Maxが12万4,800円から。9月14日に予約受付を開始し、9月21日に発売される。

iPhone XR

iPhone XR(ブルー)

「アイフォーン・テン・アール」と読む。ホームボタンがない操作性や「Face ID」によるロック解除といったiPhone Xのスタイルを継承。6.1型の液晶パネルを使った「Liquid Retinaディスプレイ」やシングルカメラを搭載するなど、買いやすい位置づけのモデルとした。

こちらも新プロセッサーの「A12 Bionic」を搭載しつつ、バッテリーでの駆動時間はiPhone 8 Plusより1時間半長くなったという。画面周囲の外装にはアルミを採用。Qiのワイヤレス充電にも対応する。

iPhone XS/Maxに遅れて10月19日に予約開始、10月26日に発売。ストレージ容量は64GB/128GB/256GBを用意し、価格は税別8万4,800円から。ホワイト、ブラック、ブルー、イエロー、コーラル、(PRODUCT)REDを用意する。

本誌:鈴木誠