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ライカダブルレンズ搭載のSIMフリー機「HUAWEI P20」発表会レポート

写真家の内田ユキオさんが画質を評価

HUAWEI P20

ファーウェイ・ジャパンは、SIMフリーのスマートフォン「HUAWEI P20」を6月15日に発売する。市場想定価格は税別6万9,800円前後。

P20は、独ライカカメラ社との共同開発によるダブルレンズカメラの搭載をアピールするAndroidスマートフォン。約5.8型のディスプレイを搭載している。P20シリーズのラインナップには、ライカトリプルレンズ搭載のフラッグシップ機「HUAWEI P20 Pro」と、レンズがライカブランドではない手頃なダブルレンズモデル「HUAWEI P20 lite」もある。

アップルのiPhone Xと比べ、ディスプレイ輝度が23%明るく、ディスプレイ上部にインカメラなどが割り込む"ノッチ"が小さい点、本体がより薄いもののバッテリー容量は大きい点などをアピールしていた。

「iPhone X」や「Galaxy S9」など、ライバルとなる製品名を具体的に示して比較するプレゼンテーションは、カメラ業界ではなかなか見られない。

ライカのダブルレンズカメラを搭載。約1,200万画素のカラーセンサーと約2,000万画素のモノクロセンサーの構成。インカメラも約2,400万画素。
インカメラなどが画面内に割り込む"ノッチ"が存在するが、割り込み具合がiPhone Xよりは小さいとアピールしていた。
薄いがバッテリー容量はライバルに勝ると話していた。

カメラ機能については、「誰でも簡単にプロのような撮影ができる」という切り口で訴求。人物撮影では肌の色味を健康的に調整し、顔の特徴をより美しく演出するようなアルゴリズムが盛り込まれている。二眼式による3D情報で顔に陰影をつけるようなライティングを再現する「3Dポートレートライティング」も利用できる。

また、iPhone XやGalaxy S9+より大きなイメージセンサー(1/2.3型)およびピクセルサイズ(1.55μm)による高画質を謳う。

暗所撮影のデモ。カーテンで遮光された中に入り、ローソク程度の明かりで撮影する。
撮影結果。顔の部分に好ましい階調がある。特別なモード指定はなく、通常の写真撮影モードでシャッターを押した結果。

ファーウェイのスマートフォンでは、写真撮影に独自のAIチップセットを使った「AIアシスト」が利用できるのも特徴。プロが撮影した1億枚以上の写真を"プロカメラマンのノウハウ"として学習させてあり、滝、ビーチ、グループ写真、テキスト、夜景、花火など、撮影時に19のシーンを自動判断して、適切な撮影設定を行う。

例えば水平が大事になると判断したシーンであれば、ライブビューに自動で水準器が表示されたり、グループ撮影では好ましい画角を提案するようなフィードバックが得られる。

自動シーン選択のイメージ。

加えて、手ブレ補正にもAIを活用。シーンにより露光時間や撮影枚数を自動設定することで、手持ちでの長時間露光を実現するという。

二眼式カメラを活かした「ワイドアパーチャ」モード。被写界深度を撮影後に変更できる。値の幅はF0.95〜F16。

内田ユキオさん「スキルがある人なら作品も撮れる」

独ライカカメラ社と共同開発したカメラ機能がウリのP20。製品発表会では、ライカを知る写真家として内田ユキオさんが登壇。「写真ファンにとってライカは聖域ともいえる」「ライカほど使っていて楽しいカメラ、持っていて誇らしいカメラはほかにない」と前置き、その魅力がどのぐらい再現されているかを焦点に実写した作品を紹介した。

内田ユキオさん。

画質評価のポイントとして、「強い黒」が色彩の鮮やかさと立体感を伝え、ノイズのない「澄んだ白」の中に無限のディテールがあると説明。モノクロセンサーを使ったモノクロ写真も、軟らかな階調があり美しいと評価していた。

また、撮影画面から選べる「プロモード」では、デジタルカメラのようにホワイトバランスや感度、シャッタースピードなどをマニュアル設定できるため、「より上のスキルを持つ人は表現に使える。スキルがあればP20なら作品が撮れる」と印象を語った。

「デジタルカメラの苦手な条件がほぼ揃っている」という水族館での撮影。動きが予測しづらく、ミックス光のシーンが多く、シャッタータイムラグの短さが問われる。
それらを踏まえて撮影された作品。左が広角側、右が望遠側での撮影。
ポートレートの撮影例。「肌の色を再現するのは難しい」(内田さん)。

多くのメジャーな夜景スポットは三脚が禁じられているが、P20なら手ブレ補正を効かせながら、かつプロモードでホワイトバランスを指定しながら撮れる。いわゆる"高級コンパクトデジカメ"のような感覚で撮影できたといい、レンズ描写も「周辺まで良い」「寄っても崩れない」と好印象だった。

暗いところでも寝顔を綺麗に撮影

次は女優の西山茉希さんが登壇。家族を撮影した写真を見ながら、「屋外の緑がきれい」「浮き上がってくるような描写」「子供の肌もきれいに写る」と印象を語っていた。

女優の西山茉希さん。
色味の良さを評価していた1枚。
暗いところでも子供の寝顔をきれいに撮れたという1枚。

全国7か所に認定修理店。SIMフリーユーザーにも安心を。

ファーウェイ デバイス 日本・韓国リージョン プレジデントの呉波さん

発表会で登壇したファーウェイ デバイス 日本・韓国リージョン プレジデントの呉波さんは、2017年に投じた研究開発費は世界第6位の規模で、欧州での特許出願件数は1位だったと説明。日本において直近の1年間で最も売れたAndroid端末は「HUAWEI P10 lite」。日本のSIMフリー市場ではシェア1位に立っており、タブレットもAndroid機では日本シェア1位だった。

「ライカトリプルレンズ」搭載のフラッグシップ機「HUAWEI P20 Pro」は、NTTドコモから6月15日発売。SIMフリーでは販売されない。

また、ヨドバシカメラ マルチメディアAkibaに初となる「HUAWEI SHOP」を設置し、そこではファーウェイの全製品を用意しているという。オープンマーケット(=SIMフリー機)向けの認定修理店を全国7か所からスタートし、SIMフリーユーザーにも安心して使える環境の構築を目指すとしていた。

ヨドバシカメラ マルチメディアAkibaにオープンした、初のHUAWEI SHOP。
認定修理店を全国で展開。さらに日本全国に増やしていくという。SIMフリーユーザーが安心できるサービスを迅速に提供することを目指す。
左から、ファーウェイ デバイス 日本・韓国リージョン プレジデントの呉波さん、女優の西山茉希さん。

本誌:鈴木誠