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「iPhone 8/8 Plus」「iPhone X」のカメラ進化まとめ

ポートレート照明エフェクトや、スローシンクロ対応など

iPhone X

アップルは、新型スマートフォン「iPhone 8」「iPhone 8 Plus」を9月22日に、「iPhone X」を11月3日に発売する。予約受付の開始はそれぞれ発売の7日前。

共通仕様として、本体が耐水・防塵設計となっている。Qi充電器によるワイヤレス充電に新対応。バッテリー駆動時間はiPhone 7およびiPhone 7 Plusと「ほぼ同じ」としている。Apple PayやiPhoneに入れたSuicaもiPhone 7と同様に使える。

Qi充電のイメージ。Apple WatchとAirPodsケースも対応モデルが新発売される

iPad Proで先行搭載されていた「True Toneテクノロジー」をiPhoneにも搭載。環境光に合わせてディスプレイ表示のホワイトバランスを自動調整する。

カメラのイメージセンサーについては、「より大きく、より速くなった」と説明。1,200万画素で光学式手ブレ補正を搭載するのは従来通りだが、新センサーになり暗所でのAF速度が向上しているという。後述のスローシンクロ撮影にも対応。

iPhone 8 / iPhone 8 Plus

iPhone 8 Plus(左)、iPhone 8(右)

iPhone 6やiPhone 7世代と同様、4.7型の「iPhone 8」(税別7万8,800円〜)と5.5型の「iPhone 8 Plus」(税別8万9,800円〜)の2モデルで構成される。ボディサイズや重量にiPhone 7世代から大きな変化はない。

ボディ構成はアルミフレームとガラス。基本的な外観イメージは従来通りながら、背面にもガラスを用いた点が異なる。カラーバリエーションはスペースグレイ、シルバー、ゴールド。

2モデルの違いはディスプレイサイズのほか、カメラ周りではiPhone 8 Plusのみ広角カメラ/望遠カメラのデュアルカメラ構成になり、被写界深度エフェクトを活用した「ポートレートモード」を利用可能。

iPhone 8 Plusのカメラ部

また、iPhone 8 Plusのポートレートモードには、「ポートレートライティング」が新搭載(現時点ではベータ版)。デュアルカメラ撮影による距離情報を利用した深度マップと顔検出を組み合わせて照明エフェクトを行う機能で、基本となる「自然光」に対して顔が全体的に明るくなる「スタジオ照明」、影のコントラストがつく「輪郭強調」、背景が黒くなりスポットライト効果を与える「ステージ照明」などが用意されている。効果はリアルタイムに見られる。

自然光
スタジオ照明
輪郭強調照明
ステージ照明
ステージ照明(モノ)

カメラのレンズ横に並ぶLEDフラッシュは、ホットスポットを減らして均一性を高めた「クアッドLED True Toneフラッシュ」に進化。手前の被写体をフラッシュで照らしながら背景を低速シャッターで適正露出とするスローシンクロに対応している。

記録フォーマットはJPEGのほかに、従来と同じ画質ながらファイルサイズが半分という「HEIF」圧縮にも対応。9月20日の公開が決まった新OS「iOS 11」の仕様に準じている。

4K動画撮影は新たに60p記録にも対応。スローモーションビデオは120fpsまたは240fpsを選べる。

外形寸法と重量は、iPhone 8が138.4×67.3×7.3mm・148g、iPhone 8 Plusは158.4×78.1×7.5mm・202g。

参考までにiPhone 7世代は、iPhone 7が138.3×67.1×7.1mm・138g、iPhone 7 Plusが158.2×77.9×7.3mm・188gだった。

iPhone X

iPhone X

新規のモデルで、"アイフォーン テン"と読む。価格は税別11万2,800円から。シルバーとスペースグレイの2色を用意する。

ステンレススチール製のフレームにガラスを組み合わせた本体構成。物理ボタンを表面からなくし、本体前面の全体におよぶ5.8型のSuper Retinaディスプレイを搭載しているのが特徴。液晶に比べて色再現や明るさの面でも満足できるようになったことから、iPhoneで初めて有機ELが採用された。

カメラは広角カメラ/望遠カメラともに1,200万画素で、両方に光学式の手ブレ補正機構を搭載した。iPhone 7 Plusでは広角カメラのみ光学式の手ブレ補正が入っていた。

iPhone Xのカメラ部

インカメラは「TrueDepthカメラ」と呼ばれ、前述のポートレートモードやポートレートライティングを利用可能。顔の動きを絵文字に反映する「アニ文字」に対応する。また、従来の指紋センサーの代わりに端末のロック解除にも使われる。ホームボタンに代わるジェスチャーは、画面を下から上にスワイプする動作。

端末のロック解除は「Face ID」による顔認識となった。3万の赤外線ドットを顔に照射してカメラで読み取ることで、これまでのTouch IDにおける指紋認証の代わりとする。iPhone Xを注視した時にだけロックを解除するようにチューニングされており、写真やハリウッド映画で使われるような顔面マスクでも騙せない精度を持っているという。

外形寸法と重量は143.6×70.9×7.7mm・174g。数値で比べると、本体サイズは4.7型ディスプレイのiPhone 8より一回り大きい程度。

本誌:鈴木誠