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ニコン、ツァイス、スワロフスキー…最新の双眼鏡が展示された「ジャパンバードフェスティバル2017」
国内最大級の野鳥関連イベント ソニーRX10 IVの貸し出しサービスも
2017年11月8日 07:00
鳥をテーマにした国内最大級のイベント「ジャパンバードフェスティバル2017」が、11月4日・11月5日の2日間にわたり千葉県我孫子市にある手賀沼周辺の関連施設にて開催された。
ジャパンバードフェスティバル(Japan Bird Festival/略称:JBF)は、2001年より年1回のペースで開催されている鳥関連のイベント。行政・NPO・学生・市民団体などによる鳥・自然環境に関する研究・活動の発表のほか、鳥の彫刻・絵画や子供工作教室、船上バードウォッチング、スタンプラリーなど老若男女が楽しめるイベントとなっている。
また、野鳥写真の公募展「全日本鳥フォトコンテスト」(BIRD-1グランプリ)の作品展示、カメラメーカーや観察用品メーカーなどによる出展が行われた。今年で17回目の開催となる。
昨年は手賀沼親水公園の改修工事による影響で会場の一部が閉鎖されていたが、今年は改修工事も終わっており、全体的にやや広くなった。ただし、カメラメーカーや観察用品メーカーのブース自体は昨年とほぼ同規模であり、その他の関連ブースが増えていたようだ。来場者としては、小さな子どもを連れた家族や年配夫婦を多く見かけた。
カメラ関連のメーカーの参加はやや少なくなった印象。昨年、一昨年と新たに参加するメーカーもあっただけに、今回の不参加・新規参加がなかったことは残念。来年に期待したいところだ。
毎年の恒例ともいえるブース前に並んだフィールドスコープ&望遠レンズの列は圧巻の一言。フィールドスコープ&望遠レンズは手賀沼を向いて設置されており、来場者は実践的な環境で機材のチェックができるというわけだ。量販店の店内と異なり、より利用シーンに沿った環境でチェックできる。
複数の会場が広範囲に所在するが、メインとなる会場に行くには、最寄り駅の我孫子駅からJBF巡回バスに乗るか、歩くことももできる(約10〜30分)。あるいは、レンタルサイクルを利用してもいいだろう。変わったところでは、「JBF水上シャトルバス」が運行しており、水上移動もできる。屋外が基本となるイベントなので天候に大きく左右されるものの、思い思いのスタイルで機材を持込み、会場を行き来しながら手賀沼に飛来する野鳥を観察・撮影するというのも面白い。
また、ブースによってはアウトレット販売なども行われている。こちらは量販店の価格よりも抑えられているため、そういった掘り出し物を見て回るというのも楽しい。
キヤノンマーケティングジャパン株式会社
昨年同様に、新製品となるデジタル一眼レフカメラやミラーレスカメラ、交換レンズを展示していたほか、撮影体験会、機材レンタル(EOS 5D Mark IV&EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM)などが行われていた。
また、2017年11月9日発売予定の最新双眼鏡として、「10×32 IS」「12×32 IS」「14×32 IS」の3機種を展示。低周波数の揺れに対応する「パワードIS」に対応し、汎用IS(光学式手ブレ補正機構)との切り換えによって幅広いシーンで利用できるのが特徴。
ちなみに、ここでいう汎用ISには「バリアングルプリズム(VAP)」「シフト方式」「ティルト方式」の3つの方式があり、新モデル3機種ではシフト方式とパワードISの両方に対応している。
シフト方式は、EOSシステムのEFレンズで培ったシフト方式の手ブレ補正を双眼鏡に最適化したもので、像の安定性を飛躍的に高められるという。
一方のパワードISは、ゆったりとした体の動き(呼吸など)にも対応できるISモード。一点を集中して観察し続けたい場合に利用する。汎用ISでは、双眼鏡の揺れ周期が長くなるほど補正効果が小さくなるという特性があり、使い分けることで環境に合わせられるというわけだ。切り替えは本体に搭載されたボタンを押して行う。
株式会社ニコンイメージングジャパン
双眼鏡シリーズ「MONARCH」を中心にブース展開をしていたニコン。中でも目立っていたのは、超広視界双眼鏡「WX」シリーズだ。
WXシリーズは、天体望遠鏡アイピース「NAV-HW」シリーズの性能を継承し、超広視界が体験できる接眼レンズを搭載しているのが特徴。元々海外向けに企画していたというが、日本においても販売することになり、好評を得ているという。見掛視界が66.6度の「WX 7x50 IF」と76.4度の「WX 10x50 IF」の2モデルをラインナップしている。
また、MONARCHの最上位モデルとして展開している「MONARCH HG 8x42」と「MONARCH HG 10x42」なども展示されていた。こちらのモデルは、他のMONARCH製品とは異なり、製造拠点を海外から国内に移しているという。
来場者の目もWXシリーズに向いているようで、説明員と話し込んでいる姿をよく見かけたのが印象深い。
ソニーマーケティング株式会社
25倍(24-600mm相当)の高倍率ズーム機「RX10 IV」(DSC-RX10M4)をメインにブースを展開。製品のタッチ&トライのほか、レンタルサービスも行われており、男女比およそ3:1の割合で利用されていたそうだ。レンタル機は開始からすぐになくなったそうで、そういった意味でも注目の高さがうかがえる。
この他、α9とFE 70-200mm F2.8 GM OSS(SEL70200GM)&2倍のテレコンバーター(SEL20TC)の組み合わせなど、望遠を意識したセッティングによる展示を行っていた。
ちなみに、夫婦でブースに来るパターンでは、レンズ交換式カメラや超望遠レンズの展示は男性が、RX10 IVについては女性の方が興味をもつという。オールインワン型で扱いやすいことから、野鳥を撮影する夫に同行する際に便利であるということらしい。
カールツァイス株式会社
新製品となる「Victory Pocket」や英国のバードフェアに出品していたスポッティングスコープ「Victory Harpia」(参考出品)などを展示。
なお、Victory Pocketは「Victory Pocket 8×25」(希望小売価格税別9万円)と「Victory Pocket 10×25」(希望小売価格税別9万4,000円)の2製品をラインナップしている。
また、参考出品されていた「Victory Harpia」では、対物レンズサイズが85mmの「Victory Harpia 85」と95mmの「Victory Harpia 95」の2製品をラインナップする。ちなみに、Victory Harpia 85では22-65xのアイピース、Victory Harpia 95では23-70xのアイピースがセットされている。
スワロフスキー・オプティック(株式会社アドウエーブ)
11月20日に発売する双眼鏡CLシリーズの「CL COMPANION Bright 8x30」(希望小売価格税別16万円)と「CL COMPANION Bright 10x30」(希望小売価格税別16万5,000円)など、双眼鏡やフィールドスコープなどを展示。
新発売のCLシリーズ2モデルは、本体素材にマグネシウムを採用し、500gの軽量と頑丈さを両立。また、ピントリングとストップを最新仕様にすることで、双眼鏡の上位モデルELシリーズのような使い心地になっている。
さらに、フィールドバッグは防水性素材を使用した同モデルだけの特別仕様となっている。
同社によると、同スペック帯の他社モデルと比べても安価であることや上位モデルの様な使い勝手が特徴だという。また、付属のストラップはネックタイプではなく、ショルダータイプになっており、携行しやすいのもポイントだ。
株式会社ケンコー・トキナー
11月10日に発売する舞台・コンサート鑑賞向けのフラット双眼鏡「雅」や、同じく11月10日発売の「アバンターEDモデル」の新ラインナップ(25mm径モデル)、11月22日に発売する手ブレ補正機能つき双眼鏡「防振双眼鏡 VC Smart」などの新製品を展示。
雅は、カラーによって倍率が異なるコンパクトなフラット双眼鏡で、「雅 6×16」(希望小売価格税別2万3,000円)と「雅 8×18」(希望小売価格税別2万5,000円)の2モデルをラインナップ。
ジャパンバードフェスティバルでは、野鳥をメインとした望遠モデルだけでなく、雅のような舞台・コンサート鑑賞向けの双眼鏡なども数多く見られた。
アバンターEDモデルは、見やすさを追求したコンパクトサイズの双眼鏡。今回追加されたのは、「Avantar 8×25ED DH」(希望小売価格税別2万8,500円)と「Avantar 10×25ED DH」(希望小売価格税別3万3,000円)の2モデル。対物レンズに25mm径のEDレンズを採用しているのがポイントとなる。また、防水仕様かつ300gと軽量であるため、持ち運びしやすい。
スイッチにより手ブレ補正効果をオン/オフできる「防振双眼鏡 VC Smart 10×30」(希望小売価格税別7万円)と「防振双眼鏡 VC Smart 14×30」(希望小売価格税別7万3,000円)。女性を意識したコンパクト設計となっており、軽量化によって長時間の利用にも耐えるという。
株式会社サイトロンジャパン
SIGHTRONブランドのTR-Xシリーズの新作「TR-X 825WP」(希望小売価格税別1万500円)と「TR-X 1025WP」(希望小売価格税別1万1,000円)をはじめ、同ブランドの双眼鏡が並んだ同社ブース。
「LAOWA 7.5mm F2 MFT」をはじめ、同社が取り扱っているLAOWAブランドの交換レンズも展示していた。
ベルボン株式会社
秋発売予定の野鳥撮影用の新製品を展示しているほか、旧モデル製品のアウトレット販売を実施。
野鳥撮影用の新製品として紹介されていたのは、超望遠撮影向けの雲台「FHD-66A」(希望小売価格税別3万1,800円)。スライド式クイックシューやカウンターバランスといったビデオ向け機能を応用しているのが特徴。マイナス20度までの低温下でも快適に利用できるとしており、寒冷環境の撮影にも適しているという。
バンガード(株式会社ガードフォースジャパン)
三脚やカメラバッグ、光学機器の特別販売を行っていた同社では、カーボン三脚の「VEO 2 265CB」と「VEO 2 235CB」の購入者を対象に、カメラバッグ「VEO DISCOVER 38」をプレゼントしていた。これは、11月1日から開始している三脚 VEO 2の「購入者限定プレゼントキャンペーン」と同じ内容。キャンペーンに応募しなくても、その場でカメラバッグを受け取ることができた。