岡嶋和幸の「あとで買う」

1,571点目:額装にまつわる物語が綴られた連作短編集

柊サナカ『喫茶ガクブチ 思い出買い取ります』

ネットショップのカートの中にある「あとで買う」には、様子見をしているなど気になるアイテムがたくさん入っています。この連載では、フォトライフに関連する製品を中心にその中身をお届けします。どのような物に興味を持ち、どのような視点で選んでいるのかなど、日々の物欲をお楽しみください。

柊サナカ『喫茶ガクブチ 思い出買い取ります』

写真やカメラに関する最新情報から、写真文化の楽しさとその魅力などを発信するウェブサイト「Photo and Culture, Tokyo」は、休刊した月刊誌『日本カメラ』の元メンバーらで設立した合同会社PCT(ピクト)が運営しています。

269点目、444点目、630点目、815点目、1,193点目、1,473点目で紹介した雑誌『写真』の制作などにも携わっていて、写真集を出版するなど紙媒体での活動も継続的に行っています。

ウェブサイトでは写真家の赤城耕一さんのコラム「カメラ悪酔強酒」も連載されていて更新を楽しみにしているのですが、本日の文庫本は作家の柊サナカさんのコラム「柊サナカのカメラ沼」で知りました。

カメラ好きの読者には推理小説『谷中レトロカメラ店の謎日和』シリーズでお馴染みだと思いますが、カメラやレンズよりプリント、展示が好きな私はこちらの新作も気になります。

カフェを併設した額縁店が舞台で、「カメラが趣味だった夫の遺言で、個展を開こうとしている郁恵」などさまざまなエピソードが綴られています。販売価格は803円で、Kindle版もあります。

1967年、福岡県生まれ。東京写真専門学校卒業。スタジオアシスタント、写真家助手を経てフリーランスとなる。作品発表のほか、セミナー講師やフォトコンテスト審査員など活動の範囲は多岐にわたる。写真集「風と土」(インプレス)など、著書多数。主な写真展に「ディングルの光と風」(富士フイルムフォトサロン)、「潮彩」(ペンタックスフォーラム)、「学校へ行こう! ミャンマー・インレー湖の子どもたち」(キヤノンギャラリー)、「九十九里」(エプソンイメージングギャラリー エプサイト)、「風と土」(ソニーイメージングギャラリー)、「海のほとり」(エプサイトギャラリー)などがある。