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ソニー、位相差AFに対応した25倍ズーム機「RX10 IV」

積層1型CMOS+24-600mm相当レンズ α9譲りのAF機能

ソニーは、レンズ一体型デジタルカメラ「RX10 IV」(DSC-RX10M4)を10月6日に発売する。店頭予想価格は19万円前後。

1型センサーと高倍率ズームレンズを組み合わせたRX10シリーズの最新モデル。海外で先行発表されていた。発売済みの「RX10 III」と比べた機能アップのポイントとして、コントラストAFに像面位相差AFを組み合わせた「ファストハイブリッドAF」に新対応し、AF性能を向上。望遠域での動体撮影性能を高め、スポーツや野生動物といった被写体にも対応できるようになったという。

また、ローリングシャッター歪みを抑えた電子シャッター機能「アンチディストーションシャッター」によるサイレント撮影、表示タイムラグやブラックアウトの頻度を低減したファインダーも特徴としている。

像面位相差AFによる高速AF、α9譲りのAFアルゴリズムを搭載

撮像素子は、有効約2,010万画素のメモリー一体1型積層型CMOSセンサー「Exmor RS」。感度はISO100〜12800。レンズは35mm判換算24-600mm相当F2.4-4で、既存のRX10 IIIと同様。最短撮影距離はレンズ前約3cm(広角端)、約72cm(望遠端)、約140cm(250mm相当)。

広角端
望遠端

手ブレ補正機構の効果はシャッタースピード4.5段分。従来モデルと補正段数は同じだが、使い勝手を向上。一例として、これまで600mm相当の望遠域では手ブレとフレーミングの動作を区別できず、フレーミングしようとしても手ブレと判断されて思い通りに動かせないことがあったそうだが、RX10 IVではアルゴリズムの改善によってそれを解消したという。

これまでRX10シリーズは、初代およびII型が35mm判換算24-200mm相当F2.8のレンズを搭載。III型で24-600mm相当F2.4-4レンズになり、同時に積層型のCMOSセンサーを採用。今回のIV型では位相差検出方式AFセンサーを搭載した。315点の像面位相差AFセンサーで画面内の65%をカバーするという。なお、ポケットカメラのRX100シリーズは発売済みの「RX100 V」でファストハイブリッドAFに対応している。

画像処理エンジンのBIONZ Xは、ミラーレスカメラの「α9」に向けて新開発されたものを搭載。BIONZ Xを高速フロントエンドLSIがサポートすることでイメージセンサーからの高速読み出しを実現し、従来のRX10 IIIに比べると約1.8倍速くなっているという。AF性能の進化には、レンズ駆動制御の最適化や、α9のAFアルゴリズムを取り入れたのがポイントだとしている。

AF/AE連動での最高連写速度は約24コマ/秒。JPEGは249枚、RAWは106枚まで連続撮影できる。使い勝手を考慮し、再生時には連写画像のグルーピング表示が可能になった。

動画記録は画素加算のない(1.7倍オーバーサンプリング)4K記録も可能。スーパースローモーションは画質優先で最長4秒、撮影時間優先で最長7秒を記録できる。

タッチパネルでの測距点選択、瞳AFなど進化

レンズ交換式のα6500やα9にも備わる「タッチパッド機能」では、ファインダーを覗きながら背面モニターのタッチ操作でフォーカス位置を選べる。RX10 IVは絶対位置指定も可能になったほか、動作エリアもα6500の3つから9つに増えたため、右目・左目のどちらで覗いていても使いやすくなったという。

背面モニターでの撮影時は、静止画・動画ともにタッチフォーカスを利用可能。

瞳AFも検出精度、速度、追従性能を向上。ポートレート撮影などでもAF-Cで安定して撮影可能だという。

そのほか、フォーカスレンジリミッター(3m〜∞)、AF-Aモード、フォーカスエリア登録、縦横フォーカスエリア切換の搭載、親指AFの実現(AELボタンにAF-ONを割り当て)などがある。メニュー画面には、最新のαにも追加された「マイメニュー登録機能」が備わった。

液晶モニターはタッチパネル式・チルト対応の3型144万ドット。α9と同じものだという。EVFは235万ドットの有機EL。

記録メディアはSDXC/SDHC/SDカード、メモリースティックPROデュオなどに対応。

バッテリーはNP-FW50。撮影可能枚数は約400枚。USB充電に対応する。

外形寸法は約132.5×94×145mm。重量は約1,095g(バッテリー、SDXCカード込み)、約1,050g(本体のみ)。

本誌:鈴木誠