岡嶋和幸の「あとで買う」

444点目:新しい写真雑誌の第2号はボリュームアップ

ふげん社『写真』第2号

ネットショップのカートの中にある「あとで買う」には、様子見をしているなど気になるアイテムが沢山あります。この連載では、撮影や写真関連のアイテムを中心にその中身をお届けします。購入前の製品については使った感想や評価はありませんが、どのような物に興味を持ち、どのような視点で選んでいるのかなど、日々の物欲をお楽しみください。

ふげん社『写真』第2号

269点目で雑誌『写真』の創刊号を紹介しましたが、今回は待望の第2号です。第1号は発売日から遅れての入手となったので、今回は早めに予約を入れました。ところが同誌の制作スタッフで、『日本カメラ』の編集長だった佐々木さんにある集まりでお目にかかり、発売前に中身を見せていただきました。判型はA5判変型と同じなのですが少し厚みが増した印象です。この手に取りやすい大きさが好きです。第1号は272ページでしたが、第2号は312ページになっています。写真表現についてさまざまな角度からの情報がたくさん詰まっていて、さらにボリュームアップです。販売価格は2,970円です。

今回は「モザイク」をテーマに、さまざまな問題意識を持ちながら目の前の現実と向き合っている写真家たちに着目。その眼差しを通して、モザイク画のように現代社会を描く、という試みがなされています。写真家や写真評論家などによる、刺激になり勉強にもなるエッセイもたくさん掲載されているので発売後にじっくり読みたいと思います。古屋誠一さんと小林紀晴さんの往復書簡も気になります。

メインの口絵として掲載されている片山真理さんの写真展「possession」が7月20日(水)から開催され、8月7日(日)には石内都さんをゲストに迎えてのトークイベントもあります。また、7月31日(水)には小林紀晴さんと飯沢耕太郎さんのクロストークも開催されるなど、第2号刊行記念イベントも楽しみです。

1967年、福岡県生まれ。東京写真専門学校卒業。スタジオアシスタント、写真家助手を経てフリーランスとなる。作品発表のほか、セミナー講師やフォトコンテスト審査員など活動の範囲は多岐にわたる。写真集「風と土」(インプレス)など、著書多数。主な写真展に「ディングルの光と風」(富士フイルムフォトサロン)、「潮彩」(ペンタックスフォーラム)、「学校へ行こう! ミャンマー・インレー湖の子どもたち」(キヤノンギャラリー)、「九十九里」(エプソンイメージングギャラリー エプサイト)、「風と土」(ソニーイメージングギャラリー)、「海のほとり」(エプサイトギャラリー)などがある。