岡嶋和幸の「あとで買う」

連載「あとで買う」1,000回記念:著者の岡嶋和幸さんってどんな人? モノ選びの基準とは?

岡嶋和幸氏

当サイトのデイリー連載“岡嶋和幸の「あとで買う」”が1月25日(木)に第1,000回を迎えた。2021年5月1日に連載をスタートして以来、1日も休むことなく記事を公開している。このページでは1,000回記念として著者・岡嶋和幸氏にインタビューを実施。同氏の思う「モノ選びの楽しさ」に迫った。

岡嶋氏は中学生時代にカメラの面白さに目覚め、写真を始める。初めて手にしたカメラは「RICOH XR500」。新聞配達のアルバイトで貯めたお金で、「モーリスのフォークギター」も手に入れたいため、3万9,800円で購入できる同カメラを選択したという。

高校卒業後は東京写真専門学校(現・東京ビジュアルアーツ)に進学。卒業後は商業カメラマンとなり、撮影スタジオや商業カメラマンのアシスタントを経て独立。現在に至る。

そんな岡嶋氏に聞いた連載への取り組みについて、ここからはインタビュー形式でお届けする。

1,000回突破記念──今までと、これから

──ずばり今回1,000回を迎えることになりましたが、正直どのようなお気持ちですか?

企画を始めた当初は半年ほどという話でしたが、ネタは尽きないので、日々淡々とやっていたら“1,000点目”に到達したというのが素直な気持ちです。

なぜ「あとで買う」?

──「あとで買う」を使い始めたきっかけはなんですか?

元からメモ代わりに欲しいものや気になる商品をカートに入れていたんですが、やはりモノも増えていくとカートの合計金額が100万円とかになってしまいます。さすがに把握しきれなくなるので、一旦「あとで買う」に入れ始めたのがきっかけです。お買い物リストと違って、購入の際に「買いませんか?」といったポップアップや、価格変動したときに通知がでるのでとても便利です。

──ネタが尽きることがないということですが、普段からどのくらいのアイテムが「あとで買う」に入っているのでしょうか?

100件以上は入っています。本企画用に加えて、日用品や知人に紹介したいモノなど入れていると必然と多くなっていきます。

移動中や原稿に行き詰まったときに、買い物サイトを見るという

モノを選ぶ楽しさとは

──岡嶋さんが思う「モノ選びの楽しさ」とはどういったところでしょうか

昔から様々な商品のカタログを集めて、組み合わせなどを想像するのが好きでした。カメラやレンズも同じで、高いものはカタログを眺めているだけ楽しい。もちろん買うのも楽しいけど、買うまでの組み合わせやモノを調べるプロセスが楽しいんです。そう感じる人は多いと思います。

どの分野にもある“知る人ぞ知る”ブランドみたいなものもあるわけで、そういうものもコーナー内で網羅しようと思っていたりもします。

──普段はどのような基準でアイテムを選んでいますか?

デジカメ Watchがニュースやレビューで取り上げないようなものを積極的にピックアップするようにしています。あとSNSとかで見つけた面白そうなもの。他社の雑誌もそうですが、最近ではウインターシューズやウェアなども多いです。季節に応じて提案することで、より撮影が快適になるといったことが共有できればと。

──編集部としても撮影情報を取り上げるようになり、多くの反響をいただいています。本連載でも、アウトドア用品を取り上げた回の注目度が高まっている印象です。

ウェアやシューズ系は撮影を快適にするツールとしてとても大切だと思っています。結果的にアクセスが多いという意味でも、どれを買えばわからないみたいな人も多数いると思うので、ぜひ参考にしてもらえればと思って選定しています。

1,000回の中で最もアクセスが多かったのは?

──1,000点の中で一番アクセスが多かったモノですが、447点目のたばねバンドがもっともアクセスされています。そして962点目のTHE NORTH FACE「ヌプシ ブーティ ウォータープルーフ VII アークティックグリップ」とカメラ用品以外が続いています。この状況をどう感じられていますか?

デジカメ Watchの読者さんはカメラ用品に対して専門分野だと思うので、そこまで大きく重要視をしていなかったです。逆に掘り下げて、知っている人が少ないであろうというジャンルを取り上げてきたので、必然な結果かなという気持ちです。

「レジに進んだもの」で日常使っているモノを紹介

──1,000点もの商品を紹介していただいて、中にはご自身で購入されたものも多々あると思いますが、今回は日常的に持ち歩いているものをお持ちいただきました。

いつも持ち歩いているのはこのあたりですね。過去に年末企画の「これ買いました」で紹介したものがほとんどです。撮影機材はもちろん身の回りのものを充実させることで撮影も捗りますよね。

179点目で紹介したハクバのトートバッグは気に入って使っています。金具をほぼ使っていないので、カメラと接触しても安心。生地も柔らかいので、擦れて衣服の生地を傷める心配もないのがお気に入りのポイントです。

あとは144点目で紹介したRICOH GR IIIx用のHaogeのサムレスト。持ち歩く機会が多いカメラなゆえ、構えたときに親指が落ち着かないので装着しています。

レジに進んだモノは年末企画で取り上げているもの以外にも数多くあります。衣服なども結構の数がレジに進んでますね。

今後はどういう方向に?

──今後はどのようなものをピックアップしていきたいですか?

もう少し様々なものをレビューして、使っていき知見を増やしていきたいです。最近では、房総ランドの作品を撮り始めてから移動手段として自転車に興味が出てきました。昨今ではヘルメットが義務化されたり、様々な進化があると思うので、そのあたりも強化していきたいですね。

たとえば靴を沢山紹介してきましたが、靴を履くには靴下が必要。ですが、靴下だって5本指が個々になっているやつなど様々あります。掘り下げていくことでもっと色々なモノを紹介していけると考えています。

撮影が楽になる点はもちろん、様々なジャンルを扱い、幅広い読者層にお届けしていければなと思っております。

本誌:佐藤拓