岡嶋和幸の「あとで買う」

連載「あとで買う」の筆者が “実際に買ったもの” 2023年BEST3

連載1,000点目が到着目前

ネットショップのショッピングカートにある「あとで買う」の中身をお届けしている本連載ですが、現在900点を超えていて、年明け早々いよいよ1,000点目に到達します。欲しいものが次々に登場するので「あとで買う」の中身は増える一方ですが、2023年の締めくくりとして、今年購入した製品の中から良かったものを3つ紹介します。

35点目:JBL「104-BT-Y3」

JBL「104-BT-Y3」

本連載がスタートしてすぐのころに紹介した製品です。Amazonの「あとで買う」にずーっと入れっぱなしになっていたのですが、今年になってようやく購入しました。ブラックとホワイトのどちらにするかすごく悩んだのですが、私の仕事場のパソコン周りには黒いものが多いのでブラックにしました。

スピーカー内蔵のiMacをMac miniに変えた直後はヘッドホンで音声を聞いていたのですが、来客でインターホンが鳴ったときに気づかないことがたびたびあったため購入することにしました。最初はBluetoothで接続していたのですが、映像との音のズレが気になります。そこでヘッドホンジャックとケーブル接続したところ、今度は音がなんだか弱々しく感じられます。でもAmazonで見つけたUSB-A変換の2RCAオーディオケーブルを購入し、無事に問題解決です。左右2つのスピーカーをつなぐケーブルをHIBINO製のものに変えると性能を最大限に引き出せるようですが、現状でも満足しているので「あとで買う」に入れっぱなしになっています。

音楽鑑賞はもちろん、映画やドラマ、スポーツ観戦のときの臨場感のあるサウンドはとても気に入っています。音量をかなり下げていても満足度は高いです。プロゴルフトーナメントのライブ配信をよくパソコンで見ているのですが、鳥の鳴き声が聞こえてきて、家の外かなと思ったらスピーカーからでした。ゴルフコースの鳥のさえずりがリアルに感じられるほどの臨場感が味わえるのです。ドラマの中の小さな生活音もしっかり聞き取ることができます。

残念なのはスピーカーの電源を入れたときの起動音。ボリュームがゼロでも大きな音がします。鳴るのが分かっていてもびっくりするほどなので、電源はずっと入れっぱなしです。音が出ていないときは自動でスリープ状態になります。ところがパソコンの電源を落とすとスリープから復帰し、変なノイズ音が鳴り続けます。だからといってスピーカーの電源を切ると、次に入れるときに起動音が鳴ってしまうので、ボリュームをゼロにしてノイズ音が出ないようにしています。このような工夫が必要ですが、上手に付き合えばとても良い製品ですよ。

660点目:Square「Square リーダー」

Square「Square リーダー」

今年は3月に銀座、12月に目黒のギャラリーで写真展『房総ランド』を開催しました。どちらも物販でのお金の管理は自分で行わなくてはならず、キャッシュレス決済を希望される方も多いためこの製品が大活躍でした。Squareとの契約やクレジットカード会社などの審査が必要となりますが、けっこう早くスムーズにクリアできました。時間がかかったのはPayPayくらいです。

スマートフォンにインストールしたSquare POSレジアプリで操作します。クレジットカードや電子マネーでの決済がスピーディーにできるほか、現金でのやり取りにも対応しているのでとても便利です。現金の場合は手数料はかからず、でも取引履歴が残るのでお金や在庫の管理ですごく助かります。これまでは「正」の字をメモしたり、全て1人で対応していたため混雑時はお金のやり取りが大変だったのですが、この製品を使うようになってから楽になりました。

在庫がなくなって手に入れられないと困るので、3月の写真展に合わせて2月に購入しました。ところがその直後に半額近くまで値下がりし、写真展の直前に購入すれば良かったと後悔。さらにしばらくしてUSB-C対応の新製品が登場するなどいろいろタイミングが良くなかったようですが、来年以降も年1回は写真展を開きたいと考えているので、今後もまだまだ出番がありそうです。

持ち運ぶためのケースもAmazonで見つけて購入しました。最近ではもっと手ごろな製品もあり、例えば「RLSOCO」というブランドのケースは1,700円前後です。こちらはプログレードデジタルのダブルスロットカードリーダーも収納できる大きさなので、物販と撮影の両方で活用できそうです。

Square リーダーとWGear「クレジットカードリーダーケース」

930点目:JJC「モバイルフィルムデジタイズアダプターセット」

JJC「モバイルフィルムデジタイズアダプターセット」

本連載の1年目の「Neewer」に代わり、近年よく取り上げているのが「JJC」ブランドの製品です。ユニークかつ実用的なアイテムを次々にリリースし、いずれもお手ごろ価格。デザインなど好みが分かれるものもありますが、私のAmazonの「あとで買う」にはまだまだたくさん製品が入っているので、来年もコンスタントに紹介していきたいと思います。

そのラインアップで、今年使った中で一番良かったのがこの製品です。写真展『房総ランド 江戸川篇』の制作期間中だったこともあり、896点目の「スライドフィルムカッター SFC-1」と一緒に入手しました。今月発売の『デジタルカメラマガジン』最新号のプリント連載でカラーネガフィルムのデジタイズを取り上げているのですが、EOS R6 Mark IIでの撮影でこの製品を使用しています。スマートフォンで手軽にデジタイズしてSNSで公開するときにもちろん便利ですが、プリント用にデジタルカメラでしっかり撮影したいときにも活用できます。LEDライトのCRIレベルはRa97と高演色です。

LEDライトの裏面には三脚穴が備わっており、単体で取り付けてデジタイズしやすくすることもできます

ネガポジ反転はスマートフォンでは「NEGAVIEW PRO」というアプリを使っていますが、デジタルカメラのRAW現像ではSILKYPIXの「ネガフィルム反転ツール」という機能が便利です。868点目で紹介した「120フィルムスキャンホルダー」もこの製品のセット内容に含まれているので、35mm判とブローニー判のどちらもフィルムにも対応できます。マグネット式で開閉しやすくフィルムの装填も楽です。ただし、平滑性を高めモアレを軽減するクリアPCシートは傷つきやすいので取り扱いに要注意です。

フィルムの位置調整はスムーズかつ正確に行いやすく、たくさんのコマをデジタイズするときに便利です。以前はフィルムスキャナーや透過原稿ユニットが付いたフラットベッドスキャナーでフィルムを取り込んでいました。マクロレンズが必要になりますが、今後はデジタルカメラでのデジタイズの主流になるでしょう。そのためのアイテムが各社からいろいろ発売されていますが、まずはこの製品から始めてみてはいかがでしょう。

1967年、福岡県生まれ。東京写真専門学校卒業。スタジオアシスタント、写真家助手を経てフリーランスとなる。作品発表のほか、セミナー講師やフォトコンテスト審査員など活動の範囲は多岐にわたる。写真集「風と土」(インプレス)など、著書多数。主な写真展に「ディングルの光と風」(富士フイルムフォトサロン)、「潮彩」(ペンタックスフォーラム)、「学校へ行こう! ミャンマー・インレー湖の子どもたち」(キヤノンギャラリー)、「九十九里」(エプソンイメージングギャラリー エプサイト)、「風と土」(ソニーイメージングギャラリー)、「海のほとり」(エプサイトギャラリー)などがある。