岡嶋和幸の「あとで買う」

番外編:岡嶋さんが「レジに進んだもの」から5点を紹介(2021年末版)

写真家・岡嶋和幸さんの“日々の物欲”をお楽しみいただく「あとで買う」。第1回の5月1日より、土日祝を含め1日も休まずにお届けしてまいりました。本稿では、岡嶋さんが連載開始からこれまでに“レジに進んだもの”の中から、特に印象的だったというアイテムをご紹介します。新しいアイテムを買ったら、それに合うアイテムがまた欲しくなる。どうやら、岡嶋さんの物欲も日々更新されているようです。(編集部)

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126点目:ゼンハイザー「XS ワイヤレスデジタル」

ゼンハイザーの「XS ワイヤレスデジタル」の9つあるパッケージから選んだのは「ポータブルラベリアセット」。他社製品を含めいろいろ検討したのですが、ラベリアマイク(ピンマイク)の評判が決め手となりました。もちろんより高性能なマイクは他にもありますが、自分の用途と価格とのバランスを考えての結果です。

セットアップは簡単で、リコーイメージングの「HD PENTAX D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR」のEvidenceページで公開されているYouTube動画で早速使ってみました。こちらはPENTAX K-3 Mark IIIで撮影していて、マイクの性能以前にしゃべりの方をなんとかしろといった感じですが音質など満足しています。

受信機用のホットシューアダプターと送信機用のベルトクリップは着脱式で柔軟な使い方が選べます。別売でもいいので専用ケースがあると良かったです。ケース探しの楽しみが増えたわけですが、最適なものはまだ見つかっていません。

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144点目:Haogeのサムレスト

RICOH GR IIIで愛用しているHaogeのサムレストを、新しいGR IIIx用に追加購入しました。GR IIIxのアクセサリーシューにもぴったり収まり、行き場がなくADJと露出補正レバーの誤操作をよくやらかす親指が安定します。もちろん手の大きさ、指の長さ、カメラの持ち方など人それぞれなのでこのあたりの使用感は個人差があると思います。

GR IIIやGR IIIxに対応するサムレストは他にもあり、親指がもっとしっかり乗せられる形状のものも考えましたが、あまり出っ張るとバッグやポケットなどの出し入れで引っかかりやすくなるため、すっきりしたデザインのこの製品を選びました。ちなみにストラップは、GR IIIと同じくハンドメイドの革製品ブランド「cooca」(https://www.coocamarche.com)で、今回はカメラケースとセットで作ってもらいました。サムレストを装着した状態でも、ケースからの出し入れがスムーズに行えます。

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179点目:ハクバ「IND2 T200 トートバッグ」

普段使いのバッグがまた1つ増えました。最近はトートバッグを使うことが多く、お気に入りは銀一オリジナルのトートバッグ(シンプルな布バッグ)なのですが、ノートPCの収納スペースがあるしっかりとした作りのものが欲しくてこの製品を選びました。

TBSテレビのドラマ『最愛』で、フリーライター役の田中みな実さんがこのバッグを使っていました。民放公式テレビポータブル「TVer」の見逃し配信で一時停止し、細部を確認したので間違いありません。

カメラやレンズを持ち運ぶときは別売のインナーボックスは使わず、クッションポーチやラッピングクロスなどを利用しています。腕を通して肩提げにしたときのハンドルの長さはちょうど良い感じです。ハンドルの付け根は荷重を受け止めるバンジー構造になっていて好感触。ショルダーストラップには肩当てがないため、121点目のクッションパッドを取り付けるつもり。

バッグを下に置いているときは良いのですが、肩から提げているときは中身の出し入れがやりづらい点が少し気になりました。ポケットは内側には1つと少なめですが、外側のファスナー付きポケットは容量たっぷりで使いやすいです。

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223点目:メイホウ「バーサスSFC 704」「ナンシーケースM N-M」

ブローニーフィルム用のケースは、フィルム購入の際にもらったものを長年愛用していることは142点目でも書きましたが、そのときに取り上げた製品はまだ購入していません。無料のオマケにはなかなか勝てないのです。でもメイホウの「ナンシーケースM N-M」は200円前後、「バーサスSFC 704」は260円前後と超お手ごろ。フィルム用としてダメでも他に使い道があります。

「バーサスSFC 704」のスモークブラックは思ったほど濃くありませんでした。個人的にこのロゴマークはあまり好きではなく、フィルム交換など取り扱う際は直射日光を避ける習慣が身に付いているので「ナンシーケースM N-M」でも大丈夫でしょう。

ブローニーフィルムは5本入りを購入し、箱から出してケースに入れて持ち歩くのですが、1本ずつ袋に入っているのでケースの中で遊ぶことはありません。真ん中のスペースだけ少し狭くなっていますが問題なしです。でも撮影済みのフィルムは中で動いてカタカタと少しうるさいです。気になる人はフィルムが入っていた袋を捨てずにとっておくと良いでしょう。

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225点目:東レ「トレシー メガネくもり止め」

マスクを装着しているとメガネが曇るため、メディコムジャパンの「メガネが曇りにくいマスク」を愛用しています。呼気漏れが軽減でき十分な効果を実感しているのですが、最近は東レの「トレシー メガネくもり止め」を併用しています。

メガネの片眼だけ拭いて息を吹きかけると効果をはっきり確認できます。「メガネが曇りにくいマスク」以外のどのマスクでも曇りをしっかり解消できます。私は老眼だけなのでメガネを常時装着しているわけではなく、マスクで曇る頻度はそれほど多くありません。むしろ気になるのは撮影時のファインダーの曇りの方です。

これまでも接眼窓の油脂汚れを取り除くのにスタンダードな「トレシー」を使っていたのですが、この「トレシー メガネくもり止め」に変えてからは、マスクを装着していてもファインダーが曇らなくなりました。メガネもファインダーもただ拭くだけで曇らなくなるからとても便利です。

曇り止め性能をキープするために、付属のジッパーバッグで必ず保管しなくてはならないのですが、その出し入れが少し面倒です。もっと使いやすい代用品を探すなど、これを何とかしたいと思いました。

1967年、福岡県生まれ。東京写真専門学校卒業。スタジオアシスタント、写真家助手を経てフリーランスとなる。作品発表のほか、セミナー講師やフォトコンテスト審査員など活動の範囲は多岐にわたる。写真集「風と土」(インプレス)など、著書多数。主な写真展に「ディングルの光と風」(富士フイルムフォトサロン)、「潮彩」(ペンタックスフォーラム)、「学校へ行こう! ミャンマー・インレー湖の子どもたち」(キヤノンギャラリー)、「九十九里」(エプソンイメージングギャラリー エプサイト)、「風と土」(ソニーイメージングギャラリー)、「海のほとり」(エプサイトギャラリー)などがある。