クルマとカメラ、車中泊

もしも熊に遭遇したら…? いまからできる対策法

今回の1枚
ちょっと面白いシミュラクラ現象を発見!逆三角形に並ぶ3点を見つけちゃうと人の顔に見えちゃうアレです。ちょっと拡大してみてね。この写真で使ったレンズはLAOWA Argus 35mm F0.95。絞りは開放。広角でボケを活かせるのでとても好きなレンズ。全体の状況を取り込みながら、主題以外を省略できるから面白いんだよね

熊被害のニュースが随分と身近になってきた今日この頃、僕も安穏とはしていられなくなってきた。日常を過ごす、九十九里には熊はいないとされている。だがもう1つの活動拠点の山梨では僕自身、熊を見かけたことがあるのです。星景写真を撮りに夜の山に入ってゆくので、喫緊の課題と考えざるを得なくなってきました。

そこでこの本を読んでみました。『熊が人を襲うとき』となかなか衝撃的なタイトルです。これまでも、山に入るときはそれなりに対策をしていたつもりですが、この本を読んでみると単に運が良かっただけかと思い直しました。

さて、本書の良さはこれまでの遭遇事例を丹念に集めて状況や当事者の対処をまとめている点です。内容について、誤解を生んではいけないので僕からお話しすることは差し控えておきます。こちらに米田氏の著書からの引用がありますので、読んでみてください。

さて『熊が人を襲うとき』を読んで、僕が印象に残ったことは「1:死んだふりは有効である」「2:熊スプレーは有効である」「3:熊は執拗に人の頭部を狙う」の2点です。あくまで僕の感想なので、ぜひ本書を読んでご自身で判断していただきたいのですが、色々思い悩み購入したのが熊撃退スプレー、熊よけ鈴、電子ホイッスルの3点であります。

左から熊よけ鈴、熊撃退スプレー、電子ホイッスル

まず熊鈴は山登りの定番だよね。赤くて目立つのでこれにしました。カメラ機材周りは黒いのが多いからね、赤にしとけば無くさないかと。

さて写真でわかるかな、リング状の磁石が紐でついていて、ベルの錘を固定できるようになってます。熊鈴はつけてるといつも鳴りっぱなしでそれが嫌だったんだけど、これなら必要な時以外に鈴が鳴らないようにできる。

そう思ってる人は多いようで、Amazonではほぼ同じような鈴の出品がたくさんありました。

音は、山でよく聞くカランカランて言うあの音。最近のものはみんな鳴り止めがついているみたい

もう1つは電子ホイッスル。こちらも熊よけに効果ありと知人から聞いたので。ホイッスルなら必要な時だけ鳴らせば良いので、静かに過ごせて良いかもしれない。

視界の効かない悪い場所に差し掛かった時や、視界の良い場所でも一定時間ごとに鳴らすのが良いと思う。結構な音量なので、遠くまで聞こえるんじゃないかな。

LEDもついてて懐中電灯としても使えます。ちょっと失敗だったのは、使用電池がボタン電池(LR44)だったこと。特に入手しずらい電池ではないけど、常に使うものの電池は単3もしくは単4に統一しておきたいのです。買い忘れて必要な時に使えないってなるからね。

あ、しかしこれは製品の欠点ではありません。僕がよく説明を読まずにポチってしまったからです。

黒い側がブザー、反対には白色LED。といってもちょっと手元を垂らすだけの明るさね。ブザーは結構大きな音。近くだと耳が痛いです。120dBとのこと

そして最後は、POLICE MAGNUM 熊撃退スプレー。日本護身用品協会認定品、地方自治体採用品と言うのが決め手かな。ホルスター付きを買いましたけど、ホルスターなしでも購入できます。ホルスターは布ケースってことだけど、ちょっとお高いかも。

本体4オンス入り。連続で2秒程度の噴射時間。すごく短い気がするけど、それで十分らしい。予備含めて2本持ちが良いとのこと

ともあれ、箱を開けると製品の他にB4折りたたみですが、しっかりとした説明書が入っています。最近では、こうした説明書が紙でついてくるのは珍しいですよね。さらに二次元バーコードで輸入代理点のティエムエムトレーディングのホームページに飛べるようになっています。

そしてこのホームページを見てみると、非常に真摯な態度でこの商品を扱っていることがわかります。以下リンクを掲示しますので少しでも興味があったら読んでみてください。

こちらもセンシティブな内容でもあるので、僕からお話しすることを差し控えますが、これらの中で知っておかなければならないことが2点ありましたので、そこだけお話しします。

まず1つ、熊よけスプレーの種類について。日本には本州にツキノワグマ、北海道にエゾヒグマが生息しており、エゾヒグマはツキノワグマよりも大型で獰猛であるとされています。よってヒグマにはより強力な熊よけスプレーが必要とされるのですが、これをヒグマ以外の動物(ツキノワグマも含めて)に使用してはならないと明記されています。

もちろん僕が購入したものはツキノワグマに対応したもの。ヒグマ用のスプレーをツキノワグマに使ってしまうと、人間にも危険であるばかりか、ツキノワグマに過剰な苦痛を与えてしまい、人間に対して過剰な反応を示す恐れがあるそうです。

そしてもう1つは、熊よけスプレーを含む護身グッズとされるものは、所有すること自体を規制する法律はないのですが、持ち歩くと軽犯罪法で処罰される場合があります。これらの点は、熊よけスプレーを購入する上でぜひ知っておかなければいけないことだと思います。

僕のページは車中泊をテーマにしていますが、車中泊をするような場所でも、昨今は熊の出現を警戒するべきだと思えるようになってきていますよね。車の近くで過ごしているなら、車に逃げ込めばそれで十分かも知れません。しかし、車中泊本来の目的は旅の手段ですから、車を停めてそこからアウトドアに入ってゆくことも多いでしょう。ぜひ1度、米田氏の本「熊が人を襲うとき」を手に取ってみてください。

米田氏の本に頭部を守れとあるんですが、それでとっても悩んでおります。記述を見るにベストはバイク用のフルフェイスヘルメットのような気がするんですが、フルフェイスヘルメットは蒸れるし、外の音は聞こえにくいし、どうなのかなぁと。何より1人フルフェイスヘルメットで山中佇むおっさんは秒で通報されそうです! で、今のところ候補はサバゲー用のタクティカルヘルメットをあげてみてるんですが、これもちょっと大袈裟かな、と躊躇してます。誰かいいアイディアがあったら、教えてくださ〜い。

1962年東京生まれ。日本大学芸術学部卒業後、出版社マガジンハウス入社。社員カメラマンを経て2010年にフリーランスとなる。主に風景・星景を撮影し、星空の撮影は中学校で天文部に入部した頃からのライフワーク。またドローンでの撮影や、国家資格の審査員も行なっている。コロナ禍の影響で拠点を九十九里に移してから、ネット通販、特にAmazonの利用機会が増加。ちょっとくらい評価が悪くても買ってしまう“密林の探索者”を自認している。