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パナソニック「LUMIX GH5」の新製品発表会が開催

実機写真を掲載 60倍ズーム機のFZ85も

パナソニック株式会社は1月25日、東京都内で「LUMIX新製品発表会」を実施した。フラッグシップ機「LUMIX GH5」は2016年9月のフォトキナで開発発表された製品で、国内発売に関する詳細が決まった。

LUMIX GH5国内発表の詳細および、LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mmの正式発表交換レンズ4本のリニューアル60倍ズーム機のFZ854K動画を想定したパナソニック製UHS-II対応SDXCカードLUMIXプロフェッショナルサービスの開始については、既報記事をご覧いただきたい。

LUMIX GH5

4Kフォトの認知が広がる。2020年の東京オリンピックは8Kを目指す

発表会の最初に、イメージングネットワーク事業部の山根洋介氏がLUMIXの事業戦略を説明した。

パナソニック イメージングネットワーク事業部の山根洋介氏

LUMIXはこれまで15年間、業界のイノベーターとして手ブレ補正機構やコンパクトな高倍率ズーム機などを投入。一眼レフカメラの誕生から50年を経て、世界初のフルタイムライブビューによるミラーレスカメラ(DMC-G1)を2008年に発売した。高画質と小型軽量を両立し、誰もが使えるユーザビリティも実現したと振り返る。また、2014年登場のGH4では、4K技術により写真と動画の"ハイブリッド"の可能性を切り開いたと話す。

同社が写真画質を追求する光学技術のベースには、ライカカメラ社との15年にわたる協業があるという。2016年のフォトキナでは、パナソニックのプレス発表会にライカカメラ社主のアンドレアス・カウフマン氏が登壇し、パナソニックとライカの関係を「友達」と表現した。山根氏はこれについて「光栄なことで、ステージ上で感激した」と話す。今後もライカとのパートナーシップは、技術協業およびブランド協業の両方で継続していくという。

GH5は、フォトキナでの開発発表を経て、年始のCESなどで多くの賞を受賞。対応レンズと協調する手ブレ補正の「Dual I.S.2」や空間認識によるAF性能の向上は、プロユースに応えるレベルになってきたのではと語る。同社が推進する4K技術をベースとした「4Kフォト」は、トレンドセッター賞をもらうなど更に認知が広まってきた。

また、同社は今後も業界のイノベーターでありつづける覚悟として、京都の東寺でLUMIXの15周年を記念した写真展を開催。写真家の山田久美夫さんが1年以上かけて撮影した作品を、4K HDR対応の同社テレビ「ビエラ」で展示した。2016年11月19日から12月23日までの会期中に約4万人が来場したという。

同社は2020年の東京オリンピックに向け、更に高解像度の8Kを目指す。8Kは、4Kの4倍で3,300万画素。その一歩としてGH5では、800万画素の4Kフォトが秒30コマから秒60コマにアップし、6K解像度相当の1,800万画素となる「6Kフォト」(秒30コマ)も新搭載した。山根氏は発表会の質疑応答において、8K対応のカメラもマイクロフォーサーズ規格で頑張りたいとの意向を述べた。

ローリング耐性を向上した新センサーなど搭載

LUMIX GH5(3月23日発売)はLUMIXシリーズのハイエンドモデルで、2009年のGH1に始まり5代目。GHシリーズの「H」には、ハイエンド、ハイブリッド、ハイパフォーマンスの意味が込められている。GH5の店頭予想価格はボディ単体が税別24万円前後、標準ズームレンズ「LUMIX G VARIO 12-60mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S.」とのキットが税別27万円前後。

ローパスフィルターレス構造とした有効2,030万画素の新センサーは読み出し速度を約1.7倍に高速化し、ローリング耐性を向上している。また、要望の多かったボディ内手ブレ補正を搭載。「Dual I.S.2」では100mm〜280mmまで5軸・5段分の補正が効くという。

AFは「DFDテクノロジー」を活用。ピント位置の異なる画像から空間を認識し、物体距離を瞬時に演算するというもので、高速化、高精度化、動き耐性の向上を図った。AF追従の連写速度も、GH4の約7コマ/秒から約9コマ/秒にアップしている。

操作面では、背面右手側に新しくジョイスティックを追加。49から225に増加したAF測距点を、レリーズボタンから指を離さずに選択可能とした。AF特性をシーン別に4つのプリセットから選べる機能も搭載した。

4K動画は、ミラーレスカメラで初となる4K/60p記録に対応(レンズ交換式デジタルカメラでは、キヤノンEOS-1D X Mark IIが先に対応)。GH4では4Kの画素数部分をセンサー上から切り出していたが、GH5はセンサー全域を使って4K動画を記録するため、レンズの焦点距離を活かして撮れるという。

動画機能関連では、4月にフルHDでの4:2:2/10bit記録に対応するファームウェアを提供するという。加えて夏には、4:2:2/10bitのALL-Intraに対応予定。同社からは、これに対応する書き込み250MB/秒のUHS-II SDXCカードも同時発表されている。

有効2,030万画素の新センサーを採用
側面端子
記録メディアスロット
ワイヤレス機能も拡充

記録時間はどの撮影モードでも無制限。プロ向けAV製品を担当するメンバーと3年間をかけて、発熱を抑えるヴィーナスエンジン10を開発したという。それでも4:2:2/10bit記録ではGH4以上の発熱量になるため、表に見えない部分でも放熱に配慮したボディ構成にしたという。

GH5には別売アクセサリーとして、バッテリーグリップDMW-BGGH5(税別3万5,000円前後の見込み)、XLRマイクロホンアダプターDMW-XLR1(税別4万円前後の見込み)を用意する。今回は販売ルートを民生用のみとし、業務用品番の製品は用意されない見込み。

バッテリーグリップDMW-BGGH5使用例
XLRマイクロホンアダプターDMW-XLR1使用例

交換レンズでは、静止画/動画のハイブリッドを想定した「LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.」を2月23日に発売。防塵防滴・耐低温仕様で、絞りのマイクロステップ制御にも対応する。

LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.装着例

同様に、既存レンズのリニューアル品「LUMIX G X VARIO 12-35mm / F2.8 II ASPH. / POWER O.I.S.」、「LUMIX G X VARIO 35-100mm / F2.8 II / POWER O.I.S.」、「LUMIX G VARIO 45-200mm / F4.0-5.6 II / POWER O.I.S.」、「LUMIX G VARIO 100-300mm / F4.0-5.6 II / POWER O.I.S.」も、最新の手ブレ補正機構「Dual I.S.2」に対応するなど、動画撮影の可能性を訴求する。

また、レンズ一体型モデル「LUMIX FZ85」(3月10日発売)も同時に発表された。35mm判換算20-1,200mm相当の60倍ズームレンズを搭載する1/2.3型センサー搭載機で、店頭予想価格は税別4万7,000円前後。4K動画記録および4Kフォトのフォーカスセレクトやフォーカス合成に対応する。

LUMIX FZ85

本誌:鈴木誠