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パナソニック、高感度モデル「LUMIX GH5S」を国内発表

シネマカメラ由来の「デュアルネイティブISO」採用

パナソニックは、ミラーレスカメラ「LUMIX GH5S」(DC-GH5S)を1月25日に発売する。価格はオープン。店頭予想価格は税別30万円前後。

新開発の有効1,028万画素(総画素数1,193万)高感度MOSセンサーを搭載する、マイクロフォーサーズ規格のレンズ交換式デジタルカメラ。シネマ4K(4,096×2,160)/60p記録に対応したほか、HLGによる4K HDR動画や、フルHD/240fpsのVFR動画の記録も可能。1月9日に海外発表していた製品の国内発売がアナウンスされた。

GH5SはGH5をベースとしたバリエーションモデルで、同社ではGH5Sを「GH5プロフェッショナル動画エディション」と位置づけている。ラインナップでは「静止画モデル」と「ハイブリッドモデル(静止画と動画=GHシリーズ)」をそれぞれハイエンドラインとして展開し、本機も静止画ハイエンドの「LUMIX G9 PRO」と同様に、フラッグシップの誇りとして本体上面のダイヤル部に赤いラインが入っている。

新センサーと「デュアルネイティブISOテクノロジー」の採用

感度はISO160〜51200(拡張でISO80〜204800)。設定感度域がISO200〜25600(拡張ISO100)のGH5(有効2,033万画素)に対し、LUMIX初採用となる「デュアルネイティブISOテクノロジー」で感度を約2.4倍に向上。25%のノイズ現象、1.5段分のS/N比向上と合わせて高感度画質を高めた。

デュアルネイティブISOテクノロジーは、各画素のゲインアンプ前段に「低ISO回路」と「低ノイズ回路」の2系統を備えることで、撮影画像の高感度ノイズを低減する仕組み。同社のプロ用ビデオカメラから転用した。

また、GH5Sではセンサーシフト式のボディ内手ブレ補正機構を廃してイメージセンサーを固定したことで、自動車走行時のGや音楽ライブの重低音などにより映像が揺れてしまうケースに配慮した(電子式手ブレ補正とレンズ側の手ブレ補正は利用可能)。発売済みのGH5はセンサーシフト式の手ブレ補正機構を備えており、得意とする撮影シーンの違いで棲み分ける。

引き続き、独自の放熱設計により動画の連続撮影時間が無制限である点をアピール。GH5比で約1.3倍というセンサーの高速読み出しにより、ローリング歪みにも強くなっているという。

空間認識AFと14bit連写。ディープラーニング技術を取り入れた「人体認識」も

AF機能は、引き続きコントラスト検出式による空間認識(DFD)AFを採用。G9 PROから搭載されている「人体認識」も加わり、被写体の人物が後ろや横を向いていてもピントを合わせるという。

連写は、フル画素の14bit RAWで最高約10コマ/秒(AFS/MF)、約7コマ/秒(AFC/AFF)。12bit RAWで最高約12コマ/秒(AFS/MF)、約8コマ/秒(AFC/AFF)。いずれの場合も60コマまで連続撮影できる。

また、4K PHOTO機能は60コマ/秒、30コマ/秒のどちらも連続撮影可能枚数は無制限。

その他の各種仕様

記録メディアスロットはSDのデュアル。両スロットともUHS-II対応で、リレー記録、同時記録、振り分け記録が可能。

同梱の専用ケーブルでタイムコード同期ができるIN/OUT端子を装備。マイク端子をライン入力としても使えるようにもなった。

EVFは約368万ドットの有機EL。ファインダー倍率は0.76倍。液晶モニター使用時の撮影可能枚数は440枚。

背面モニターは3.2型約162万ドット(RGBW液晶)のフリーアングル式。タッチ操作に対応する。最高輝度が従来比200%以上としている。

ボディはマグネシウム合金外装。防塵防滴、-10度の耐低温仕様とした。シャッター耐久は20万回。

5GHz Wi-FiとBluetooth v4.2に対応。リモート撮影などのほかに、Wi-Fi経由でカメラ設定を複数台にコピー可能とした。また、USB経由でのテザー撮影にも対応する。

別売アクセサリーのバッテリーグリップ「DMW-BGGH5」、XLRマイクロホンアダプター「DMW-XLR1」に対応。

外形寸法は約138.5×98.1×87.4mm(GH5と同寸)。重量はGH5より65g軽い約660g(バッテリー、SD含む)。

本誌:鈴木誠