トピック
カジュアルで多機能、それでいて入手しやすいカメラバッグ「GW-STANDARD リッジ」をレビュー
伝統的なスタイリングのショルダーに、バックパックやレンズバッグが仲間入り
- 提供:
- ハクバ写真産業株式会社
2024年12月27日 07:00
ハクバのカメラバック「GW」に今年、新シリーズが発売された。前回の記事では「GW-ADVANCE タンク」シリーズを紹介したが、今回は同じく新シリーズの1つ「GW-STANDARD リッジ」シリーズを紹介する。
「リッジ」シリーズとは
リッジ(RIDGE)は1994年から続くハクバのロングセラーシリーズ。ピクスギア、ルフトデザイン、プラスシェルなどのサブブランドに含まれる形でオーソドックスなカメラバッグとして世代を重ねてきた。
今回からリッジシリーズがカメラ専用バッグブランドのGWシリーズに統合され、新たなクラス「GW-STANDARD リッジ」シリーズに生まれ変わった。これによりGWシリーズは、ハイエンドの「GW-PRO」、セカンドラインの「GW-ADVANCE」、そして今回紹介する高性能かつ低価格を実現した「GW-STANDARD」の3クラスでの展開となる。
そういう経緯もあってかリッジシリーズは、今回のタイミングで大幅にラインアップを拡充している。具体的には大型ショルダーバッグ、バックパック、レンズバックパックの3モデルを一気に追加投入している。
また、以前のリッジシリーズは全面ポリエステル生地だったが、GW-STANDARD リッジは全モデルの底面部を水や汚れに強いターポリン素材へ変更している。この点は上位モデルと同等の仕様で、よりフィールドに強い実戦的なバッグになったともいえる。
GW-STANDARD リッジ ショルダーバッグ 10/15/24
ではリッジシリーズのうち、点数の多いショルダーバッグから見ていこう。
この「いかにもカメラバッグ」といった懐かしいスタイルに、好感を覚える読者も多いのではないだろうか。
「GW-STANDARD リッジ ショルダーバッグ」は、「プラスシェル リッジ03ショルダーバッグ」のリニューアルモデルだ。これまで「M」「L」で表記していたサイズを、わかりやすくリットルで表記。以前の「M」が10リットル、「L」が15リットルモデルと同等であり、これらに加えて大容量の24リットルモデルが追加となっている。
これまでもリッジショルダーバッグは、望遠レンズを取り付けたままのカメラを横方向ですっぽりと収納できるのが特徴だった。新しい24リットルモデルでは、300mm F2.8クラスの大口径単焦点レンズをボディに取り付けたまま収納可能。また間仕切りのレイアウトを変更することで、フードを付けたままの300mm F2.8、フードを逆付けした400mm F2.8にも対応する。
15リットルモデルは70-200mm F2.8クラス、10リットルモデルは標準から中望遠レンズのそれぞれ横向き収納に対応する。
24リットルモデルにフードを逆付けしたFE 300mm F2.8 GM OSSを収納してみると、横幅にはまだ余裕がある。その余ったスペースに標準ズームレンズなどを追加で収納できた。なお、横向き収納した300mm F2.8の下にもスペースはあるが、レンズが入るほどのスペースはなさそう。ブロアーやクロスなどのアクセサリーを入れるのが良いだろう。
カメラ収納部の間仕切りは、カメラを横向きで入れられるようにU字にくり抜かれている。以前のモデルでは横向き収納を前提としていたため、縦に機材を入れた際、くり抜かれた部分から機材同士がぶつかってしまう恐れがあった。今回のモデルではくり抜かれた部分に追加できる間仕切りも同梱されているため、さまざまな機材の収納レイアウトが組めるようになっている。
前面のポケットは大きくて中に仕切りもあるので、メモリーカードケースなどのアクセサリー類を整理しやすい。
上面パネルにはバックル式のベルトがあり、三脚などを固定できる。
24リットルモデルのバッグ両側面にはバッグを肩にかけたときにホールドしやすい持ち手も付いている。電車の網棚に載せたときにも引っ張りやすそうだ。
GW-STANDARD リッジ バックパック 27
「GW-STANDARD リッジ バックパック 27」は、上面からフロントパネルが全開するフロントアクセスタイプの1気室大容量バックパックだ。ハクバにはこれまで1気室のカメラ用バックパックが現行モデルではGW-PROしかなかったため、低価格モデルでの大容量1気室モデルの登場が望まれていたとのこと。なお、リッジバックパックは27リットルモデルのみの展開となっている。
特徴は、低価格モデルながら上位モデルと同様の「4方向マルチアクセス」仕様となっていることだろう。これにはどんなクラスでも手を抜かないぞ、というハクバの心意気を感じた。
フロントパネルを上部だけ開ければトップアクセスとなる。間仕切りのレイアウトを変更すれば、超望遠ズームレンズを付けたままのカメラを収納することも可能だ。また、ファスナーストッパーも装備しているので不意にフロントパネルが開きすぎるようなこともない。
さら両側面には、バッグを降ろさずカメラの出し入れを可能とするサイドアクセス機構も備える。こちらには70-200mm F2.8などの望遠ズームレンズを付けたままのカメラを収納できる。
フロントパネルを全面開放すると、容量27リットルモデルらしくカメラ収納部はとても大きい。35mmフルサイズのボディと大口径ズームレンズのセットに加えて、予備カメラボディやストロボなどのアクセサリーも収納できる。ただし、GW-PROやGW-ADVANCEと違い、補強用のフレームは内蔵されていないので、ややバッグがよれる感触を覚えるかもしれない。
バッグ両側面上部には、アクセサリーを収納できるポケットがある。カメラのサイドアクセスと同様に、バッグを降ろさずにアクセスできるので使いやすい。
三脚は左サイドのドリンクホルダー、フロントの2方向に装着できる。
GW-STANDARD リッジ レンズバックパック 19
300mm F2.8クラスの大口径単焦点望遠レンズや、180-600mmクラスの超望遠ズームレンズを付けた状態のカメラをそのまま収納して背負えるバッグだ。この手の製品は600mm F4クラスの収納を想定したものが多いが、それよりは手頃なレンズをターゲットにしている点が新しい。
バッグの容量は19リットル。一般的なカメラバッグとほとんど同じサイズ感と見た目なので、街中でも馴染めそうなデザインが良い。
カメラ収納部は前面がフルオープンになるフロントアクセスタイプ。収納部にはレンズを固定できるベルトも内蔵されている。
前回紹介した「GW-ADVANCE レンズバッグ」と同じく、超望遠レンズ収納時のデットスペースを有効活用するため、バッグ両側面には大容量のポケットを装備する。野鳥撮影などでは待ちの時間も多く、だんだん冷えてくることもあるので、予備の防寒着などを入れられるスペースがあるのはうれしい仕様だ。70-200mm F2.8クラスの予備レンズも収納できる。
なお、最近のハクバのバックパックは別売りの「GW-PRO ウエストベルト」を使うものがほとんどだったが、本製品については内蔵式のウエストベルトとなっている。
まとめ
GW-STANDARD リッジシリーズは、GW-ADVANCE タンクシリーズと比べても1万円ほど安価。それでいて機能面では上位モデルと同等を目指した意欲的な製品群だ。もちろん上位モデルと比べると価格を抑えた部分も見えてくるが、それでも多機能で満足のいく製品に仕上がっている。
カメラバッグの高価格化が著しい昨今において、GW-STANDARD リッジの高いコストパフォーマンスには目を見張るものがある。エントリーユーザーはもちろん、コストパフォーマンスを重視する中級クラスのユーザーにもおすすめしたい。
また、大容量モデルが登場したことで、いつもは少ない機材で撮影しているけど、たまに多くの機材が必要になるといったユーザーのサブバッグとしても重宝しそうだ。
ハクバはGWシリーズをPRO、ADVANCE、STANDARDと3クラスに拡充し、これまで以上に幅広いニーズに応えられるラインアップを完成させた。ぜひ自身にあったカメラバッグを見つけていただき、より快適な撮影を楽しんでほしい。