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置きっぱなしでひたすら撮影!キヤノンの自動撮影カメラ「PowerShot PICK」を女子会で使ってみた

顔や動きを自動で認識/追尾/撮影…で、その写真の出来は?

カラーはホワイトとブラック。キヤノンオンラインショップにて4万5,980円(税込)で販売中

仕事でもプライベートでも、撮影する側のカメラマンはなかなか写真に残らない。例えば楽しい女子会や誰かの誕生日パーティーなど、ついつい撮影に集中してしまい、後々写真を振り返って見てみると自分がまったく写っていない、なんてこともしばしば……

そんな悩みを解消してくれるのがキヤノンの「PowerShot PICK」。電源を入れて置いておくだけで人物の顔を認識し、構図を調整して自動撮影してくれるカメラだ。

PowerShot PICK

その実力はいかに? ということで、PowerShot PICKを実際に使用してみた。今回3名のモデルに集まってもらい、シチュエーションを女子会に設定。可愛らしいローテーブルとソファを使用し、ケーキと紅茶を嗜みつつ、女子トークを楽しんでもらうことにした。その模様をPowerShot PICKがどう切り取るのか? 期待と不安が入り混じる中、女子会が始まった……

女子会に参加者してもらった3名さま(撮影:山本春花)
左からArlyさん、ユーモ・アスさん、MoMoさん

まずは「自動撮影」をしてみよう

まずは多くの人が関心を持っているだろう、PowerShot PICKの一番の売りである自動撮影を試してみた。カメラ自身が賢く判断して写真や動画を自動で撮影してくれる機能だ。

モデル3名にソファーに腰掛けてもらい、ローテーブルを挟んで向かいから撮影した。

※使用している三脚はPowerShot PICKのおすすめアクセサリーとしてキヤノンオンラインショップでも販売されている画像のものとは別になります。

PowerShot PICKで撮影をおこなうには、専用アプリ「Connect app for Mini PTZ Cam」が必要だ。あらかじめスマートフォンやタブレットにインストールしておこう。

専用アプリ「Connect app for Mini PTZ Cam」のホーム画面。自動撮影中、吹き出しにいろんなセリフが表示される

PowerShot PICKの電源を入れ、隣のワイヤレス通信ボタンを押したあと、スマートフォンで操作すると接続される。難しい操作はなにもなく、サクサク簡単に接続できる。なお接続できるスマートフォンは1台のみなので注意しよう。

撮影の設定はすべてアプリ上でおこなう。アプリの「ホーム」タブで「自動撮影」をオンにすれば、PowerShot PICKを置いておくだけで撮影が自動で開始される。

※自動撮影中はアプリの起動は不要です。

ネットワークを検出中
アプリがPowerShot PICKを探索中
アプリがPowerShot PICKを発見
接続された

こんなに小さいボディながら、PowerShot PICKはいつも撮影者が考えて設定している様々なことをすべて自動でおこなってくれる。パン/チルト/ズームを駆使し、周囲を見回して人の顔や動きを認識し、自動で被写体を探索・追尾。そして人物がどこにいるか、どこを向いているかを理解して画角を調整し、表情や構図からシャッターチャンスを判断して自動で撮影してくれる。

なお、動きがあるシーンでは動画も自動で30秒まで撮影されることがある。

モデル3名がわいわい女子会を楽しむ中、私はじっとPowerShot PICKの動作を見ていた。ぐるっと首を回して顔や動きを探し、良いターゲットを見つけたらそのシーンを理解、シーンに合わせた設定(露出・画角・ピントなど)でシャッターを切る。果たしてどんな写真が撮れているのか……

自動だけじゃない。呼びかけると撮ってくれる!

自動撮影だけでなく、ハンズフリーで撮影することも可能だ。その方法はなんと、PowerShot PICKに向かって「ハローピック! 写真撮って!」と呼びかけるだけ。

PowerShot PICKの動作(電源ON→被写体を探す→ハンズフリー撮影)

コツは「ハローピック!」と呼びかけたあと、PowerShot PICKが「ピピッ」と返事をするのを待ってから「写真撮って!」と呼びかけること。そうするとPowerShot PICKが再び「ピッ」と返事をしてシャッターが切られる。慣れるまで多少のコツが必要だが、返事をしてくれるPowerShot PICKがとても可愛いのでついつい何度も話しかけたくなる。例えばキッチンで料理をしていて手が離せないときや、子どもを抱っこして両手が塞がっているときなど、「この瞬間を撮ってほしい!」という場合に声でシャッターを切ってくれる機能はとても有効だ。

現段階で音声コマンドは次の4種類が用意されている。

「ハローピック!写真撮って!」 =写真を撮ってくれる
「ハローピック!動画撮って!」 =動画を撮ってくれる
「ハローピック!休んで!」 =自動撮影を休ませる
「ハローピック!他も見て!」 =他の被写体を探す

PowerShot PICKが人の顔を認識?

PowerShot PICKは人物を認識し、「登録した人物」として自動登録する。登録するとその人を優先的に撮影する設定も可能に。優先的に撮影する人は12名まで登録できる。逆に顔登録の優先設定をOFFにすると、パーティなど多くの人がいる場所でまんべんなく撮影するようになる。

顔登録
何度が撮影しているとPowerShot PICKが登録を提案してくれる

自動撮影をより細かくコントロール

自動撮影には「エコ」「ライト」「アクティブ」「カスタム」の4種類の撮影設定が選択でき、「カスタム」では自動撮影の頻度やズーム範囲、ビデオ撮影の有無などを自分好みに細かく設定できる。

今回のようなケースでは撮影回数が多くなる「アクティブ」にしておくのがよいだろう。ただし3名が常にソファーに固まっていたので、探索範囲は「カスタム」で狭めても良かったかもしれない。

自動撮影モード「カスタム」
撮影の頻度や範囲を調整可能。デジタルズームを使わない設定もここからおこなえる

PowerShot PICKが撮った写真を見てみよう

女子会の様子を一通り撮影し終えたあと、PowerShot PICKが撮った写真をみんなでチェックしてみた。

今回、PowerShot PICKは約1時間で337枚の写真を撮影していた。撮影の間ずっとアプリを起動していたためだろう、動画は記録されていなかった(アプリを起動しながらだと動画の自動撮影はおこなわれない)。

ちなみに写真や動画はPowerShot PICKに接続したスマートフォンからアプリを使ってチェックすることができる。PowerShot PICKからmicro SDカードを取り出して、PCなどで確認しても良いだろう。

PowerShot PICKが撮った写真(一部)

PowerShot PICKが撮った写真を見てみると、モデル3名の表情に合わせて、1人を狙ってズームで撮影したり、広角で3人揃って笑い合っている場面を撮ってくれたりと、シーンに合わせて上手く画角や露出を調整しているのがわかる。ピントもばっちりだ。この精度の高さにはびっくりした。

PowerShot PICKが撮った写真(一部)
PowerShot PICK/3.4mm/1/125秒/F2.8/ISO 100
PowerShot PICK/7.1mm/1/100秒/F4.0/ISO 100
PowerShot PICK/10.2mm/1/400秒/F5.0/ISO 100
PowerShot PICK/7.56mm/1/125秒/F4.5/ISO 160

また、PowerShot PICKならではと思ったのは、自然な表情が多いこと。普段カメラを向けられると表情を作ったりポーズを決めたりすると思うが、PowerShot PICKならカメラ目線でない素の表情もたくさん記録してくれる。カメラを意識させないPowerShot PICKの小ささ、シンプルさのおかげだと感じた。何よりカメラマンいらずでここまで撮れるのはすごい。

PowerShot PICKが撮った写真(一部)
PowerShot PICK/4.76mm/1/125秒/F3.2/ISO 125
PowerShot PICK/8.88mm/1/125秒/F5.0/ISO 125
PowerShot PICK/5.57mm/1/125秒/F3.5/ISO 125
PowerShot PICK/8.48mm/1/125秒/F4.5/ISO 125

自動撮影の結果から感じたことは、明るい場所にいるとシャッターが増えるということだ。表情や動きを意識するだけでなく、逆光を避けてなるべく光が当たる明るい場所にいるようにするとシャッター頻度が多くなるように感じた。

いずれにしても放置でここまで撮ってくれるとは。モデル3名も自分が写った意外な姿を見て大いに盛り上がっていた。

自動だけじゃない! 自分でシャッターを押してみる

前述した通りPowerShot PICKに任せるだけではなく、声で呼びかけてPowerShot PICKに撮影してもらう機能がある。さらに、アプリの画面を見ながらのリモート撮影も可能だ。これなら自分で選んだ画角とシャッターチャンスで写真/動画が残せる。

リモート撮影中のアプリ画面
ズームはもちろん、レンズの位置をぐりぐり動かせるのが普通のカメラにない特徴で面白い
リモート撮影結果
PowerShot PICK/4.13mm/1/200秒/F3.2/ISO 100

パン/チルト/ズーム機能、そしてレンズを動かして画角や構図を整えて撮影できるので、全員揃っての記念撮影に向いている。広角端は35mm判換算で19mm相当。大人数での撮影もお手のものだ。スマートフォンをタップするだけの簡単操作で、撮影者が欠けることなく全員が写った写真を撮ることができる。

このリモート撮影を応用すれば、PowerShot PICKを持ちながら被写体を追うような撮影も可能だ。どちらかといえば動画向きといえる撮影方法になる。手ブレ補正が強力で、手持ち撮影でも十分に実力を発揮する。レンズがぐりぐり動くPowerShot PICKなので、掌に乗せながら大きく動いてもブレにくい。ダイナミックなカメラワークも可能だ。アプリを見て画角を確認するためモデルと目を合わせることなく撮影でき、自然な表情を引き出すことができた。

PowerShot PICKを手持ちで撮影。手ブレ補正がしっかりきいている印象だ。AFも追随している

まとめ:撮るのはPowerShot PICKにまかせて、たまにはみんなと一緒に写ろう!

PowerShot PICKを使用してみて、非常に革新的なカメラだと感じた。被写体をしっかりと認識して、人数に合わせて画角の調整までしてくれる。

しかも1回の撮影でかなりの枚数を撮影するのだが、アプリで「おすすめ」に選抜された写真を見ると失敗写真はほとんど見られない。この「おすすめ」機能があれば写真をセレクトする手間まで省いてくれる。

ボディの小ささも魅力で、カメラで撮られている威圧感を一切感じないため、写っている人の表情が構えておらずとても自然なのだ。

そしてなによりPowerShot PICKに愛着が湧いてくるから不思議だ。ファインダーすらないシンプルなフォルムと可愛らしい電子音。たまに「ハローピック!」と話しかけるとちゃんと返事をしてくれて、しばらく一緒にいるとまるで家族のように思えてくる。

パーティーや女子会だけでなく日常生活においても、「自分も写真に残りたい!」というカメラマンの夢を叶えてくれる可愛いカメラ。たまには自分のカメラを置いて、PowerShot PICKの自動撮影に思い出作りを任せてみてはいかがだろうか。PowerShot PICKが撮ってくれた写真はどれも自然な瞬間ばかりなので、新しい自分や家族の表情を発見できるかも。

制作協力:キヤノンマーケティングジャパン株式会社