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【CP+2021】キヤノン、デスクワークの"座りすぎ"を見守る「Posture Fit Device」初公開

キヤノンは2月26日、CP+2021 ONLINEの同社配信プログラム「新コンセプトカメラのデザインストーリー『共感から生まれるカタチ』」にて、新たなコンセプトモデル「Posture Fit Device」を発表した。現在開発の最中で、製品化は未定だとしている。

いわゆる写真を撮るカメラではなく、デスクワーク時の座り方を“見守って”くれるデバイス。デスクの上に置いておくと、長時間にわたる「座りすぎ」や、「姿勢」の悪さを通知してくれるという。また、専用アプリに1日の座り時間や姿勢を記録しておき、その結果に合わせてアドバイスをしてくれる機能も有するとしている。開発担当者は、コロナ禍で在宅ワークが増える中、デスクワーカーに寄り添ってくれるデバイスにしたいと説明した。

同社CP+特設YouTubeチャンネル「Canon Imaging Channel」より(以下同)

開発のきっかけとなったのは、開発担当者の家族が抱えた「肩こり」。同社の調べによると、姿勢の悪さは腰痛や肩こりの原因となったり、座りすぎは生活習慣病のリスクを高める原因になるなど、座ること自体に健康リスクが潜んでおり、専門家からも座りすぎには注意が必要との提言があったという。しかし仕事中はそうした注意を忘れてしまうことも多く、カメラの画像解析によってこの問題を解決できるのではないかと、開発の経緯について解説した。

形状については、監視されているという感覚を薄め、寄り添ってくれる親しみを感じられるように「起き上がりこぼし」をモチーフにしたという。本体は丸みを帯びた形状に、レンズをカバーで覆い見えなくすることで“カメラっぽさ”が少なくなるようデザインした。

取得画像イメージ。3次元的な位置関係を取得する特殊なカメラを搭載しており、顔や背景は映らない。

カメラからの通知方法について、ペットの訴えのような愛らしいしぐさを参考にしているという。使用者がカメラからの通知を無視せずに行動につなげられるよう、カメラに愛着を感じてもらえるような動作を検証中だとしている。

前後や左右に揺れる動きを検討。ペットのような愛らしい動きで訴えることによって、使用者の行動につなげたいのだという。

同社のニューコンセプトカメラはこれまで、カラビナスタイルの「iNSPIiC REC」、望遠鏡型カメラ「PowerShot ZOOM」が一般発売されている。第3弾の自動撮影カメラ「PowerShot PICK」は現在クラウドファンディングサイト「Makuake」にて支援受付中。いずれのカメラも、過去CP+にてそのモックアップが公開されてきた。

本誌:宮本義朗