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キヤノン、新コンセプトカメラを活用した教育プログラムの実証実験。子どもたちの“メタ認知能力・主観的幸福感”などを育む

キヤノンマーケティングジャパン株式会社は10月31日、子育て情報メディア「KIDSNA STYLE(キズナスタイル)」(株式会社ネクストビート運営)と共同で、幼児向けに「PICK&ZOOM教育プログラム」の実証実験を行ったと発表した。

キヤノンの新コンセプトカメラを活用した教育プログラム。望遠鏡型カメラ「PowerShot ZOOM」を子どもたちが使用し、その様子を自動撮影カメラ「PowerShot PICK」で記録するといった内容。同社によると「写真を撮る・見る・選ぶという主体的な行為と、写真に写る自分の姿を見る客観的な行為によって、メタ認知能力、自己肯定感、主観的幸福感といった子どもたちに必要な力を育むこと」を目的としている。

※ メタ認知能力:自分のことを俯瞰的にとらえて、客観的な判断を下すための力(同社注)
※ 主観的幸福感:「今、自分は幸せである」と感じる幸福感のこと。主観的幸福感が高いほど生活習慣病のリスクを下げ、結果的に健康寿命に影響を与えると考えられている(同社注)

PowerShot ZOOM

本取り組みは、教育現場におけるアクティブ・ラーニングの重要性の高まりが背景の一つとしている。実証実験では、PowerShot ZOOMで子どもたちが「好きなもの」をテーマに自由に撮影。それを保育士が発表し、友達の作品に興味津々になりながら「どうしてこれを撮ったの?」と会話もはずんだという。

また、昨今の教育現場では、コロナ禍で園行事やイベントが中止となり、各家庭と保育園をつなぐ接点が減少。さらに、保育士の業務負担増加が課題となっているという。PowerShot PICKを活用することで、保育士の業務負担を増やすことなく子どもたちの様子が記録でき、かつ保育士は子供たちの見守りに集中できるという。

PowerShot PICK

本プログラムを監修した脳科学者・瀧靖之氏は、「写真や動画を見返すことはメタ認知能力、自己肯定感、主観的幸福感につながると考えられ、また記憶や記録を作ることは『先取りノスタルジー』と言われる、主観的幸福感を高める行動につながるとも考えられるので、魅力的なプログラムだと考えています」とコメント。

また、同じく監修の保育士・てぃ先生は「子どもたちが能動的に自分の興味を形に出来るのは自己肯定感を高めることに繋がる。観点は異なるけれど、PowerShot PICKで保育士の姿が映ることで、『自分はこんなに頑張っているんだ、こんなに楽しそうなんだ』という姿をメタ認知することで、やりがいの向上、ひいては離職率防止にもつながるのではないかと考えています」と話している。

実証実験の内容

日時

2022年10月13日(木)/21日(金)

実施施設

Picoナーサリ玉川上水公園

参加園児

9名

使用機材

望遠鏡型カメラ「PowerShot ZOOM」、自動撮影カメラ「PowerShot PICK」

本誌:宮本義朗