何がすごいの? キヤノンのアプリ
Vol.02 Neural network Image Processing Tool×芝崎裕司
幻想的な夜の風景をクリアに仕上げる
- 提供:
- キヤノンマーケティングジャパン株式会社
2025年9月22日 08:00
写真の仕上がりに悪影響を及ぼすノイズ。カメラ内でも低減処理は行えますが、ディープラーニング技術を活用したキヤノンのアプリ「Neural network Image Processing Tool」を使うことで、従来より高精度なノイズ低減とレンズ補正が行えるようになります。都市風景から雲海、星空風景までさまざまな夜の風景を撮影している芝崎裕司さんに、アプリの効果を試してもらいました。
※本企画は『デジタルカメラマガジン2025年10月号』より転載・加筆したものです。
高精細なノイズ除去とレンズ補正を適用
「Neural network Image Processing Tool」はディープラーニング技術を活用したニューラルネットワーク ノイズリダクションとレンズオプティマイザ(レンズ補正)が行えるアプリ。対応機種で撮影したRAWデータを読み込ませると、ノイズリダクションとレンズオプティマイザが適用される。
本アプリは対応するカメラやレンズが限定されているほか、パソコンも必要な仕様を満たす必要があるので、事前にWebページを確認して、使用できるかを確認しておこう。
例えば、下の写真のような明暗差が激しい場所での都市夜景では白飛びを防ぐために明部に露出を合わせ、暗部は現像時にシャドウを上げることが多い。この際ノイズが目立ちやすいが、本アプリを使えば目立つノイズを除去でき、臆せずシャドウ調整を行える。レンズ補正も回折現象による解像劣化などを各レンズの設計値を用いて補正してくれるので、効果が高い。
この写真を例に、ニューラルネットワーク ノイズリダクションとレンズオプティマイザの効果を細部の拡大で確認してみよう。
使用するとノイズリダクションとレンズオプティマイザの両方が適用される。それぞれ5段階で設定できるが、効果を強めても過度に塗りつぶしたような見た目や不自然なシャープネスにはならず、自然な仕上がりだ。
現像ワークフローに合わせてファイルを書き出せる
操作は至ってシンプル。処理したいRAWデータをアプリにドラッグして、パラメーターを動かして書き出し形式を選ぶだけ。キヤノン純正現像ソフト専用のRAWファイル形式のほか、使い慣れたサードパーティー製の現像処理ソフトで編集できる形式のRAWデータも書き出せるので、既存のRAW現像のワークフローを崩さずに、効果の高いノイズ低減とレンズ補正を施せるようになる。
用途に合わせて選べる2つのファイル形式
CR3
Adobe Lightroom Classicなどサードパーティー製の現像ソフトにも対応するRAWファイル形式。ニューラルネットワーク デモザイクの処理は適用されない。
CRN
ニューラルネットワーク デモザイクに対応しているが、キヤノン純正の現像ソフトDigital Photo Professional 4のみで処理が可能なファイル形式になる。
SCENE 01|ノイズを自然に処理してシルキーな雲海に
雲海のように滑らかな雰囲気に仕上げたいときはノイズリダクションを+1、レンズオプティマイザを-2方向に調整すると効果的。ふんわりとした感じに仕上がり、雲海そのものの美しさを引き出せる。ノイズ除去による「星が消える現象」もなく、星空風景の撮影でも十分に威力を発揮するだろう。
SCENE 02|シャープネスを引き出して精細感をアップ
超望遠レンズで撮る月は見た目以上に速く動いているもの。長時間露光があまりできない上、暗所での撮影になるのでノイズが乗りやすい。ノイズリダクション、レンズオプティマイザともに+2に設定することで、ノイズ除去効果に加えて、スカイツリーと月のディテールがより明確になり、くっきりとした解像感に仕上がった。
これまでは諦めていた夜のシーンをクリアな画質で思い通りに見せられる
三脚が使えない暗所での撮影や、夜の街スナップなど高感度ノイズが影響しやすいシーンの写真も、このアプリを使えば劇的にノイズが除去される。三脚を使った夜景撮影でも、暗部を持ち上げたときに浮いてくるノイズを自然に抑えられる。
通常、ノイズ低減を強くかけるほどシャープネスが低下しがちだが、それを補うのが同時に適用されるレンズオプティマイザだ。ノイズ除去しながら解像感も引き上げられるため、何も犠牲にせずに写真の質を上げられる。
都市夜景はメリハリのある雰囲気に、雲海夜景はきめ細かく、滑らかに表現され、シーンを選ばずに活用できる。今後の暗所撮影ではISO感度の選択肢が広がることで、さまざまなチャレンジができるだろう。
対応するカメラとレンズに限りがあるが、これまで撮影していながらノイズ量などで画質に納得がいかなかった写真も、このアプリがあれば美しい作品に仕上げられる。
芝崎裕司のメインレンズ
RF24-70mm F2.8 L IS USMは、オールラウンドで使える頼もしい相棒。ほとんどの撮影をこの1本で賄える。RF100-400mm F5.6-8 IS USMはどこへでも持ち運べる軽量超望遠レンズ。登山や電車移動で重宝する。
INFORMATION
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