特別企画
次世代メモリーカード「CFexpress」の速さを徹底検証!
Thunderbolt 3専用カードリーダーの実力もチェック
2022年2月26日 12:00
ここ数年のカメラ機能の中で最も大きな進化を遂げたものの1つがメモリーカードへの記録速度だ。メモリーカードの主流は長らくSDカードであったが、2020年頃から上位機種を中心にCFexpressへのシフトが急速に進んでいる。
本企画は2022年3月号より抜粋・再構成したものになります。
なぜ速い? CFexpressの特徴
CFexpressの特徴のうち、最も大きなものがその圧倒的なスピードである。SDの中で最も高速なUHS-IIカードでは、データ書き込み速度が250MB/秒程度だが、CFexpress Type Bでは1,500MB/秒と実に6倍も高速となる。
カメラの機能はここ数年、画素数と連写コマ数がダブルで向上しているため、撮影中に発生するデータ量は非常に大きくなっており、SDカードでは快適に撮影するのが難しい状況になっているが、CFexpressならカメラの性能をフルに生かして撮影がおこなえるのだ。
CFexpressはインターフェースにPCでも使われる汎用性の高いPCI Expressを採用しており、独自規格のSDカードに比べてメーカーが新規参入しやすいということもポイント。ソニー αシリーズでは、SDカードよりずっとコンパクトなCFexpress Type Aの採用も進んでおり、今後のメモリーカードの主流は転送速度が高速で小型の規格をそろえるCFexpressになっていくことは間違いないだろう。
<TEST 1>連写可能時間とバッファ開放までの時間
4種類のカード (※1) を使い、キヤノン EOS R5の高速連続撮影+(12コマ/秒)にて連写が途切れるまでと、そこからバッファが開放されるまでの時間を5回の平均で表した。
※1 プログレードデジタル CFexpress Type B COBALT 325GB/CFexpress Type B GOLD 256GB/SDXC UHS-II COBALT 256GB/SDXC UHS-II GOLD 256GB
記録モードはRAW+JPEGで1コマあたりのデータ量は約60MB。CFexpress Type B COBALTは平均19秒(228枚)の連写が可能でバッファ開放もわずか。他を圧倒する速度だ。同GOLDも実用十分な8.5秒(102枚)の連写が可能でバッファ開放もスムーズ。SD UHS-IIも連写可能時間は健闘したが、バッファ開放時間はかなり遅い。
プログレードデジタル CFexpress Type B COBALT 1700R
実勢価格(税込):5万円前後(325GB)、8万7,000円前後(650GB)
高信頼性かつ高速なSLCメモリーを採用しており、最大読込1,700MB/秒、最大書込1,500MB/秒、最低継続書込速度1,400MB/秒を誇る超高速メモリーカードだ。
<TEST 2>カードリーダーからPCへの書き込み時間
2種類のカード(※2)を使い、RAW+JPEG 1,000カット(61.5GB、2,000ファイル)を2台のカードリーダー(※3)でPC(※4)に転送した時間を測定(5回平均)。
※2 プログレードデジタル CFexpress Type B COBALT 325GB/SDXC UHS-II COBALT 256GB
※3 プログレードデジタル CFexpress Type B Thunderbolt 3専用シングルスロットカードリーダー/CFexpress Type B/SD USB3.2Gen2ダブルスロットカードリーダー
※4 M1 PROチップ搭載のMacBook Pro 2021年モデル
CFexpress Type B Thunderbolt 3専用リーダーは、転送速度が1,500MB/秒オーバーの圧倒的な速度で一息つく暇もなく約40秒で転送してしまった。やや遅くなるUSB 3.2 Gen2リーダーの場合でもCFexpressは約96秒で転送が終わり十分高速だ。SDカードは相対的に速度が遅いが、SDカードの実力は十分に発揮できている結果だ。高速メモリーカードを使うなら、カードの実力に見合ったリーダーを使うことで転送ストレスが低減される。
★WINNER★
プログレードデジタル CFexpress Type B Thunderbolt 3専用 シングルスロットカードリーダー
実勢価格(税込):1万6,000円前後
超高速なThunderbolt 3に対応したリーダーで、高性能なカードの実力を引き出す。MacだけでなくWindowsでもThunderbolt 3対応が進み、Thunderbolt 4コネクターでも使える。
制作協力:プログレードデジタル