写真で見る

ニコン Z f

フルサイズになった“ヘリテージ”モデル Z fc/Df/FM2と外観比較

ニコンが9月20日に発表したフルサイズセンサーを搭載したミラーレスカメラ「Z f」の外観写真をお届けする。本機はフィルム一眼レフカメラ「FM2」のデザインを受け継ぎつつ、APS-Cセンサーを搭載する「Z fc」からのステップアップや、性能や外観デザインにもこだわりたいユーザーに訴求するカメラだという。

有効約2,450万画素のCMOSセンサー、画像エンジンEXPEED 7を搭載。ヘリテージモデルならではの白黒撮影専用モードといった新機能も用意する。

店頭予想価格(税込)は、ボディ単体が約30万円。レンズキットが約33万円。本体カラーはブラックのみ。シルバーは現状での販売予定はないが、要望が増えれば検討するという。また、Z fcで好評だったというプレミアムエクステリア張り替えサービスも実施する。

コンセプトは「愛しさを形に」。自分の好きな愛しい形を写真・作品として残してほしいという想いから選ばれたという。

外観

Z fcからフルサイズミラーレスカメラにグレードアップしたいユーザーに向けて設計されたため、基本操作はZ fcを継承。

天面のシャッター速度ダイヤルなどに真鍮を採用。刻印部分には色入れも行い、質感を高めている。本体素材はマグネシウム合金と樹脂を組み合わせ、軽量かつ強度を兼ね備えた設計になっているという。

背面
上部
背面モニターはバリアングル式を採用
シャッター速度ダイヤル同軸の撮影モードスイッチ。B&W(白黒)モードが追加された
シャッターボタンまわりの操作部。シャッターボタンはソフトシャッターレリーズ(AR-11)に対応。押し込み式のケーブルレリーズは使用できない。小窓にはF値が表示される
露出モードはISO感度ダイヤル同軸のレバーで選択
アイピースは丸形のバヨネット式を採用

メモリーカードはSDカードに加えて、microSDカードに対応。高性能機を少しでも安心して使えるよう、ダブルスロットを用意したという。なお2枚のカードを同時記録に設定した場合、書き込み速度は遅いほうのカードに依存するという。

バッテリーには、Z 6IIやZ 8などと同じ「EN-EL15c」を採用する。

入出力は上からUSB Type-C、3.5mmヘッドホン、microHDMI、3.5mmマイク
記録メディアはSDカードとmicroSDカード
記録メディアとバッテリーは同じ蓋の中に
バッテリーはEN-EL15cを採用
ホットシューにはカバーが付属。

別売のエクステンショングリップ装着例

別売のエクステンショングリップ「Z f-GR1」は、カメラの三脚ネジ穴に取り付け、カメラのホールド性を高めるアイテム。店頭予想価格は税込1万9,000円前後。装着したままバッテリー室の蓋が開閉できるよう、底部がくり抜かれている。アルカスイス互換形状になっており、三脚にも取り付け可能。グリップ部分には擬革を使用している。

別機種との比較

左からZ f、Z fc、Df、FM2(以下同)

今回はAPS-Cのミラーレスカメラ「Z fc」に加えて、デジタル一眼レフカメラ「Df」とフィルム一眼レフカメラ「FM2」を用意したので、各機種の違いを見ていただきたい。

Z fcとの比較

ステップアップを想定して作られたというだけあって、基本操作部はほぼ同等。Z fcの約134.5×93.5×43.5mmと比べて、Z fは144×103×49mm。全体的に一回り大きいサイズとなる。

機種名が右側から左側へ(左:Z f、右:Z fc。以下同)
右側の撮影モード選択ダイヤルにB&Wが追加されたほか、EVFの切り替えボタンがファインダー左側側面に移動した
Z fのほうがグリップ部に膨らみがある
EVF切り替えスイッチがファインダー側面に用意された
接続端子にはヘッドホン出力が新たに追加。そのほか充電中ランプが端子部の蓋の外に備わる

Dfとの比較

往年のフィルム一眼レフを彷彿させる35mmフルサイズのデジタル一眼レフカメラ「Df」とも並べてみた。フルサイズセンサー搭載やグリップが付くなど共通点が存在する。

左:Z f、右:Df。以下同

Dfの外形寸法が約143.5×110×66.5mmなのに対して、Z fは約144×103×49mm。ミラーボックスやペンタプリズムがないぶん、奥行きと高さが小さくなっている。横幅はほぼ同等。

【2023年9月25日】Z fおよびDfの外形寸法を誤って記載していたため、該当箇所を修正しました。

FM2との比較

ベースになったというフィルム一眼レフカメラ「FM2」と並べてみた。ニコンのロゴもFM2同様のまっすぐなタイプを採用している。上下カバーとシャーシ部分の分割線、 セルフタイマー作動レバー部分にFnボタンを配置するなどFM2を彷彿させる。

左:Z f、右:FM2。以下同
ロゴ部分のアップ
本誌:佐藤拓