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本日発売「SIGMA fp L」と電子ビューファインダー「EVF-11」

シグマが4月16日に発売する「SIGMA fp L」と「SIGMA ELECTRONIC VIEWFINDER EVF-11」の外観を紹介する。

SIGMA fp Lは、“世界最小・最軽量のフルフレーム・ミラーレス”として2019年に登場した「SIGMA fp」(有効2,460万画素)に新たな選択肢として加えられた1台。ミニマリスティックなスタイリングを踏襲し、新たに有効約6,100万画素のCMOSセンサー(像面位相差AFに新対応)を搭載した。

本稿執筆時点での実勢価格は、SIGMA fpが税込22万円前後で、fp Lは同27万5,000円前後。fp LにはEVF-11とのセットも用意されており、こちらは33万円前後。なお、EVF-11は予想を超える注文があったとして、単体販売も、fp Lとのセット販売も、品不足が予告されている。

fp Lとfpの比較

コンセプトを継承した機種とあって、基本的なスタイリングは変わらない。それどころか、外観上のポイントを知らなければ、一見しただけでは見分けるのも難しいかもしれない。シグマが説明していた判別ポイントを見比べてみた。

まずは機種名ロゴ。Lの文字が増えた。しかし、ブラックなので遠目には見えないぐらい。

次は背面右手側のMODEボタン。うっかり押してしまわないよう、突出量を調整したという。

左がfp L

3つめはマイク端子のカバー。こちらも形状が調整されている。

左がfp L

外観以外では、「軽すぎる」と言われた背面ダイヤルの回転トルクを変更したり、起動画面にも「fp L」と表示されるといった違いが見受けられる程度。"せっかく高いほうを買うのに物足りない"と感じる人もいるかもしれないが、そうした特別感を着飾らないところもSIGMA fpの世界観なのだと思う。

起動画面
左がfp L、右がfp(以下同)

メニュー画面では、新搭載の「クロップズーム設定」が目を引いた。ライブビュー画面のピンチ操作でクロップできるという、スマートフォンでお馴染みの操作を実現しているのだが、設定項目が想像以上に細かい。

昨今は「単焦点レンズ+クロップ(トリミング)」という使い方も以前より受け入れられている印象だが、そこにより実用的な指標(4K解像度が残る範囲でだけズームしよう、といった目安)を設けているのがスマートかつカメラらしい専門性と感じる。静止画の記録解像度設定にも「9.5K」「4.8K」「FHD」などと、現代基準の直感性が見られる。

そのほか嬉しいのは、USB給電への対応。昨年の春にはSIGMA fpをWebカメラとして使う(なんなら、そのためにfpを買う)というのが流行ったが、会議の進行とバッテリー残量の両方を気にするのは難しかった。しかしfp Lであれば、やる気マンマンの超高画質でオンライン飲み会に参加してきた人が、宴もたけなわで突然ブラックアウトすることも減るだろう。はい、私のことです。

12時45分追記:記事初出時に「SIGMA fpでもアップデートによりUSB給電に対応する」との旨を記載していましたが、ハードウェア由来の仕様のためアップデートでは対応できないとシグマから連絡を受けたため、該当部分を修正しました。

電子ビューファインダー「EVF-11」

SIGMA fp L + EVF-11

EVF-11は、SIGMA fp/fp Lに対応する外付けの電子ビューファインダー。0.5型・約368万ドットの有機ELパネルを採用。接眼部は上90度までのチルトに対応する。接眼光学系の設計に余裕を持たせているのか、目の位置にシビアな印象もなく、覗きやすい。「せっかく外付けEVFを用意するからには」と、コストやサイズをそこまで切り詰めずに開発されたような印象も受ける。EVF-11単体での税込実売価格は6万6,000円前後と、なかなかの高級品だ。

EVF-11。2つのアイピースが付属する
EVF-11には専用ケースが付属する
ケースの中身。大小アイピースを保管できる
EVFの装着時にはfp側のHDMIポートカバーを外す必要がある。そのカバーをEVFに取り付けておける仕組み

筆者はメガネを掛けているため裸眼とは印象が異なるかもしれないが、付属の大型アイピースに交換すると、より高い没入感が得られた。出っ張りは大きくなるが、この全体的にメカメカしいスタイリングの中では悪目立ちもしない。アイピース自体もそれなりに力を入れないと外れないため、アイピースの脱落や全体的な見た目を気にして標準アイピースにこだわる必要はなさそうだ。

背面
側面にLCD/EVFの切り替えスイッチ
標準アイピースでも接眼部は突出する
上90度までチルトする
アイピースを外したところ。視度補正ダイヤルはアイピースを外した内側にある
大型アイピースを取り付けたところ
本誌:鈴木誠