新製品レビュー
LEITZ PHONE 3
1型センサー搭載のライカ監修スマートフォン
2024年4月29日 09:00
ソフトバンクから「LEITZ PHONE 3」が登場した。ベースはAndroid機のシャープ製端末「AQUOS R8 pro」だ。1型イメージセンサーと「SUMMICRON 1:1.9/19 ASPH.」を搭載しているのは先代モデルと同様である。本モデルはライカの世界観を味わえる撮影モード「LEITZ LOOKS」が拡充されたのが大きなトピックとなっている。
携帯電話としての詳細やスペックは僚誌「ケータイ Watch」の該当記事を参照して欲しい。
大型センサーと銘レンズがコラボレーション
「LEITZ PHONE 3」の魅力の1つは、1型という高級コンパクトデジタルカメラに匹敵するセンサーサイズだ。多眼カメラ化がトレンドのハイエンドスマートフォンとは対照的である。
有効画素数は約4,720万。4つの画素を1つとして処理するピクセルビニング技術を採用しているため、記録画素数は1,180万画素となる(フル画素での記録も可能)。
レンズはライカ監修の「SUMMICRON 1:1.9/19 ASPH.」というシングル仕様で35mm判換算19mm相当の画角となる。M型ライカのブライトフレームを模したファインダー表示で撮影を楽しむことが可能となっている。
可変絞りを再現する「LEITZ LOOKS」
「LEITZ PHONE 3」ではライカの世界観を堪能できるモード「LEITZ LOOKS」を拡充。「SUMMILUX 28mm」「SUMMILUX 35mm」「NOCTILUX 50mm」というライカ代表的レンズの写りをイメージした描写と、フィルター効果「ORIGINAL」「MONOCHROME」「CINEMA CLASSIC」「CINEMA CONTEMPORARY」に新しく「ENHANCED」「VIVID」が追加された。
さらに絞りの効果を模した「可変絞り」機能が搭載されている。F1.2(NOCTILUX 50mm)またはF1.4からF8のF値をシミュレーション可能で、ボケ、周辺光量などの調節も可能である。
「RAW」撮影で自分なりの表現も
「LEITZ LOOKS」だけでなくマニュアル撮影のRAWモードで自分の作風を出すこともできる。「マニュアル写真」にモードを切り替えると「ISO」「フォーカス」「シャッタースピード」「露出補正」「ホワイトバランス」の設定ができるようになる。
作例
「LEITZ PHONE 3」は電源ボタンのダブルクリックでカメラ機能が立ち上がるので、スナップ撮影もスピーディーかつ快適に行えた。RAW撮影もいいが、やはりライカの世界観を出した「LEITZ LOOKS」での撮影が楽しい。
「Leitz」ロゴと撮影情報を写し込むこともできるので、作品の鑑賞者に「ライカを使っています」とアピールすることもできる。今回はこの機能を使って撮影している。
LEITZ LOOKSの「MONOCHROME」で。深みのあるシャドウと、SUMMICRON 1:1.9/19 ASPH.による金網のボケ感がいい雰囲気だ。
「NOCTILUX 50mm」の可変絞りでF1.2にして撮影した。境界判定がうまくいかずボケがおかしくなった。ファーストノクチの写りになっているのだろうか? なお撮影情報は「SUMMICRON 1:1.9/19 ASPH.」になる。
ヌケ感のある青空と精細な木々の描写がいい。1型のセンサーは懐深い写りが魅力である。
このような単純な被写体はボケをうまく表現できた。色合いもどことなくコッテリしていてライカっぽく感じる。
「LEITZ LOOKS」モードだとブライトフレームではなくフル画面での撮影になる。コントラストの高いモノクロームの描写が気に入った。
セカンドのノクチを長年愛用していたのでどうしても「NOCTILUX 50mm」を多用してしまう。が、ボケがおかしくなるシーンが多々あったのが残念である。そういうときは「可変絞り」で少し絞ってやるといい。
何気ないシーンも露出をアンダー目にするといい雰囲気に撮れた。何よりも「Leitz」ロゴが同時記録されると何となくいい感じに?
「LEITZ PHONE 3」はやはり「LEITZ LOOKS」で楽しむ端末だと感じた。RAWやノーマルモードでの撮影ではベース機とおそらくあまり差はないと予想されるからだ。せっかくならばこの「LEITZ LOOKS」で好みのフィルターをチョイスして撮影を楽しみたい。