新製品レビュー

イワタテクノロジーリミテッド Genius Light GL-01

サブライトにちょうどいい、見た目スマートフォンなLEDライト

イワタテクノロジーリミテッドGenius Light GL-01

撮影用の補助光源としてのLEDは、近年で十分な成熟を果たしており、大型なものから小型なものまで幅広く登場している。またすっかり光量やWBの調整も当たり前で、愛用している読者も多いだろう。今回は出張撮影の際に、補助光源をひとつ忘れてしまい、現地で購入したイワタテクノロジーリミテッド「Genius Light GL-01」を紹介していく。

スマートフォン寄りのデザイン

GL-01の見た目はスマートフォン的であり、サイズも重量もスマートフォンだ。

また電源ボタンなどのボタン類も側面にあり、操作感もスマートフォン的だ。というか、何かの端末の余った部材がベースなのではないだろうか思ってしまうくらいのスマートフォン感がたまらない。筐体も削り出しアルミっぽいものである。なおカラーバリエーションはシルバー、ダーク、ゴールド、ローズピンクの4種類がある。

サイズは130x65x9.3mm、重量約135gとなっている。

1番気に入っているのは、やはりスマートフォンっぽさだ。

光量や使い勝手は?

調整幅は光量5〜100%(5%刻み)、WB3,000〜5,500K(100K刻み、±100K)となっている。設定は背面の液晶パネルで確認可能で、設定に応じてのバッテリー駆動時間も表示される点もいい。

バッテリーは2,300mAh。光量5%時で約20時間、光量100%時で約1時間だが、モバイルバッテリー等で給電しながらも使用可能であるため、バッテリーライフについては気になることはなかった。なお充電ポートはmicroUSB。

付属品はキャリングポーチとディフューザー。ディフューザーはシリコンブリッジで固定する仕様で、持ち運ぶ際は取り外すべしなのだろうが、実際のところは付けっぱなしでポーチに突っ込んでいた。

付属のディフューザーは、デフォルトの状態よりも格段に光が柔らかくなり、また微妙ながら照射範囲も広がる。1枚トレペを追加するとより使い勝手がよさそうだ。また人に当てる際はLED剥き出しはけっこうキツいため、大半のシーンでディフューザーを付けっぱなしになると思われる。

ディフューザー無
ディフューザー有
左がディフューザーを外した状態、右がディフューザーを取り付けた状態のもの。

競合製品・その違いは

価格帯は1万〜1万2,000円ほどとなっており、競合としてはLitra Torchがある。

LitraトTorchは38×38mmのキュープ型。カタログスペックで800ルーメンであるのが魅力だ。サブの光源として考えるとGL-01かLitra Torchかとなってしまうのだが、スポット的ならばLitra Torch、なるべく面光源で柔らかめの光源をと考えるのならば、GL-01になるだろうか。

編集部注:Litra Torchの新型「Litra Torch2」が2月6日に発売されました。執筆時期の関係で記事中で比較しているLitra Torchは現在旧製品になりますが、外形寸法など、記事中でとりあげた比較要素については基本的に変わりません。

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筆者の場合だと、Godox AD200×1にGL-01が荷物的にちょうどよく助かっているし、直近で狭い研究室のほとんどを埋める実験機器の撮影時に役立った。撮影時間も少なく、あとから調整しやすく光を当てておく的な運用や、機器を操作する人物の顔を起こすといった状況のほか、容器内の撮影時にも便利だった。この点は付属のディフューザーの光がほどよい硬さであったのが大きい。

実際の使用シーン

JOBY ゴリラポッド マグネティックミニ JB01541-PKKを主に使用した。なお撮影場所は東北大学金属材料研究所。

次のような狭い場所にGL-01を設置した際は三脚は使用せず、形状を利用して立てかけた。

急な小物撮影時の様子。

のぞき窓にひょいっと置けるのもけっこう助かった。

メッシュ状の壁面を照らして撮影してみたもの。光源位置はカメラから見て、裏側になる。

400台のサーバーが設営された計算機室。モデルの後ろにGodox A200、正面からGL-01を光量100%

原子の分布を三次元で可視化できるアトムプローブ。逆光状態で金属のテカりが少なく寂しかったので、手持ちで照らした

ナノインプリント装置にサンプルをセットする様子。人物の顔が沈みすぎていたので、写真右側にGL-01を設置して起こしている

まとめ

ただルーメン等のスペックは非公開となっており、暗室で試してみた限りでは8畳間くらいはいちおう照らせるくらいでメインとしてはさすがに厳しい。SEKONIC LITEMASTER PRO L0478DでLuxを計測してみたところ、距離約1mで250Lux。それもあって小物撮影やスマートフォンでの撮影ではメインになるが、それ以外ではあくまでサブにあるだろう。

iPhone XS Maxで撮影したもの。

スマートフォンと似た形状であるため、持ち運びはしやすく、また意外と機材バッグ内での発見もしやすい。室内ではピンポイントでの運用中心が多くなるだろうが、小物撮影やフィギュア撮影時にはGL-01が2つあれば、なにかと遊べそうである。店頭で実際に点灯してのチェックも可能であったため、携行性の高いLEDライトを探しているのであれば、実際に使い勝手を体験してみてほしい。

林佑樹

ライター・フォトグラファー。ライター方面はPCやスマホなどの通電モノのほか、ゲーム方面も。写真方面は研究所や研究室、機器の撮影が多めなわりに、ドラマのスチルなども請負中。夏コミのウスイ研究所写真集はメロンブックスとCOMIC ZINに転がっています。