気になるデジカメ長期リアルタイムレポート

PENTAX Q7【第6回】

カメラ内RAW現像で楽しめるデジタルフィルター

 本機はカメラ内でRAW現像ができます。それはPENTAX Q10でも同様でしたが、PENTAX Q7ではRAW展開時にデジタルフィルターの後掛けができるようになりました。

 具体的には、Q10では記録設定、カスタムイメージ、ホワイトバランス、増減感、高感度NR、シャドー補正、ディストーション補正がRAW現像時に選択できる編集項目でしたが、Q7ではこれにデジタルフィルターが加わりました。

 Q10でも再生時にRAW画像にデジタルフィルターをかけることはできたのですが、フィルター以外のパラメータは、撮影時の設定のままJPEGで保存されてしまいました。

 つまりこれまでは、ホワイトバランスを変えて、カスタムイメージも変えて、デジタルフィルターを掛けたいなと思った場合、まずRAW現像でホワイトバランスとカスタムイメージを変更してJPEG保存をしてから、再度そのJPEG画像を開いてデジタルフィルターをかけるという二度手間が必要でした。手間なだけでなく、画質劣化も引き起こされてしまいます。

 ところがQ7ではこれらの作業が全てRAW現像時に行なえるので、手間が減るのと同時に画質を落とさなくて良くなりました。ですので、RAWで撮られている方はRAW現像でのデジタルフィルター処理をオススメします。

RAW画像を再生して十字キーの下を押すと「RAW展開」を選択することができます。
次の画面では1画像展開か、複数画像展開か、フォルダー選択展開かが選べます。
メニューの上から4番目にデジタルフィルターの項目があります。
フィルター効果は再生画像に適用されるので確認しながら選ぶことができます。
最後に「新規保存」を選択するとJPEG画像として保存されます。

 画像の加工なんてPCでやればいいのは? と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、無線LAN機能付きのメモリーカード「Eye-Fi Mobi」をQ7で使い出してから、カメラ内現像のありがたみをひしひしと感じています。という訳で次回は、Q7とEye-Fi Mobiの相性についてレポートしたいと思います!

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
  • 縦位置で撮影した写真のみ、無劣化での回転処理を施しています。
  • すべてカメラ内RAW現像したJPEG画像です。
デジタルフィルター:ソリッドモノカラー。昼間の海もデジタルフィルターを使えば一瞬で幻想的に。
デジタルフィルター:ソリッドモノカラー。全体に赤錆が乗ってレトロなイメージになりました。
デジタルフィルター:レトロ。うっすらと青を乗せてクールなレトロ感を演出。
デジタルフィルター:ネガポジ反転。こんな思い切った表現もデジタルフィルターならでは。
デジタルフィルター:ハイコントラスト。南の島にはハイコントラストが似合います!
デジタルフィルター:水彩画。実際にこんな絵を描けたら……楽しいでしょうね。
デジタルフィルター:ドラマチックアート。モノクロと粒子の荒れがドラマチックなムードを盛り上げてくれます。
デジタルフィルター:クロスプロセス+シェーディング。トイカメラで撮ったようなイメージは作りやすいのでオススメです。
デジタルフィルター:ハイコントラスト。「今年の夏は暑かった!」と言いたくなるような1枚に仕上がりました。

水咲奈々

(みさき なな)東京都出身。知り合いの写真家の作品撮りにモデルとして関わったことがきっかけで写真に興味が沸き独学で写真の勉強をし、作品を持ち込んだ出版社に編集として入社。2010年独立。現在はカメラ雑誌の編集やWebでのカメラレビュー、写真講座の講師として活動中。「Pentax+」でも記事を連載。 Twitter:@cosaruruブログ:http://misakinana.com