私はこれを買いました!

動画撮影が楽しくなる小さな相棒です

SG-image 18mm F6.3 ウルトラシンレンズ(桐生彩希)

年末恒例のお買い物企画として、写真家・ライターの皆さんに、2025年に購入したアイテムを1つだけ紹介していただきました。(編集部)

単焦点レンズが描く「透明」と「レトロ」

久しぶりに“撮る”ことが楽しいと思えるレンズに出会えました。それが「SG-image 18mm F6.3 ウルトラシンレンズ」(以下、「SG-image 18mm F6.3」)です。

購入のきっかけは、オリンパス時代に発売されたカメラ「Air A01」です。数回使って防湿庫にしまっていたのですが、いい感じにレトロになったので、これで動画を撮ってみようかなと。昔のビデオカメラみたいな少し狭い画角で撮りたいと考え、小さくて軽くて、どこか懐かしさを感じさせる“アンニュイ”な画質が期待できて、35mm判換算で36mm相当になるこのレンズを選びました。18mmのF6.3ならパンフォーカスっぽく撮れそうな点も、モニターのないAir A01向きです。

しかも安い。メタル製のフードが付属していて、開閉式レンズカバー搭載でボディキャップ代わりにもなります。すごい。

このレンズでありふれた日常の動画を撮ってます。作品撮りとか、VLOGとか、記録映像とか、そういう類ではありません。家でも外でも気になるものがあったら撮ってみる、という感じです。

Air A01+ノーファインダー撮影なので、見切れていたり、ぶれていたり、傾いていたり、ピンぼけだったり。

見返すとそんな映像ばかりですが、それでも“撮っている”ときが楽しい! 繰り返される日常のシーンなので、失敗しても惜しくはありませんし。

画質はというと、さすが単焦点レンズ。少ないレンズ構成でダイレクトに光を取り込み、まさに「透明」が描写できます。そして、ここからがこのレンズの真骨頂。色調整でコントラストを下げると、一気に化けます。

嫌味のないレトロな雰囲気に落とし込めて、すごく好み! オールドレンズのような強過ぎるクセがなく、扱いやすいレトロさという感じです。

Air A01で適当に撮っている動画は、作例としてお見せするとこのレンズのネガキャンになりそうなので、今回はパナソニックのLUMIX GH6で撮ってきました。

SG-image 18mm F6.3はマイクロフォーサーズと組み合わせると、トリミングされて“美味しい”ところだけが活きてきます。結果、クリーミーでドリーミーな画質を保ちつつ、周辺光量も良好な映像が撮れるんです。ホント、面白いレンズに出会えました。

人、オブジェ、街、風景、動物、植物、ノイズ、喧噪。普段は意味のない断片的な動画を撮っていて、それをつなげて一本にまとめている。このレンズの個性が“いい感じ”のドリーミーさを演出してくれたので、その雰囲気に合わせて調子外れの曲を重ねてみた
LUMIX GH6 / SG-image 18mm F6.3 ウルトラシンレンズ / 4K 30fps 8bit撮影 / FHDで書き出し

近況報告

AdobeのWebサイトでLightroomのチュートリアルを作りました。過去の連載記事も最新版に合わせてリメイクしたので、機会があればご覧ください。

ラーニングとサポート
https://www.adobe.com/learn/

あと、他社になりますが2026年の3月末にEvotoの公式ガイドブックを出します。紙媒体の仕事は久しぶりです。本が好きなので、いつまでも紙媒体が続くとよいのですが……。

桐生彩希