私はこれを買いました!

風の中でも動画が撮れる。極めて軽いストラップコネクター

Ulanzi Falcam Maglink バックルミニキット(館野二朗)

年末恒例のお買い物企画として、写真家・ライターの皆さんに、2025年に購入したアイテムを1つだけ紹介していただきました。(編集部)

風に煽られる音と振動が消えた

カメラを新しくすると、まず最初にやるのはカメラについてくる立派な純正ストラップを仕舞い、幅10mmほどの細くてシンプルなストラップにすることだ。

主張せず、軽く、柔らかく、そして何より風の影響を受けにくいものを以前から好んで使っている。ただ、1つ問題だったのが、ストラップの着脱だった。

写真だけでなく動画も頻繁に撮るので、ストラップは常に必要な存在ではない。特に三脚にカメラを置いて撮影する場面では、ストラップは確実に邪魔な存在になる。屋外ではなおさらで、風に煽られたストラップがカメラに振動を伝え、ブレやノイズの原因になる。だから三脚に乗せての撮影ではストラップを外すのだが、今までここで多くのクイックコネクターの弱点にあってきた。

ストラップを外したあと、カメラ側に残る受け側のパーツが大きかったり、硬いプラスチック製だったりすると、風が吹いた途端にそれが暴れ出す。

カチカチとボディを叩く音は音声収録にとって致命的だし、物理的な振動はブレの原因にもなる。このストレスは、実際にフィールドで撮影をしている人なら誰もが経験しているだろう。

そんな長年の不満を一気に解消してくれたのが、Ulanzi Maglinkクイックコネクターだった。

クイックコネクターには定番のようなものがあるが、僕がMaglinkを選んだ理由は、小さくて軽いのに強度があり、なおかつ外したあとの処理が圧倒的にシンプルという点だった。

実物を手にしたとき、その小ささには正直驚いた。「ここまで小さくて大丈夫なのか?」という不安も一瞬よぎったが、使い始めてすぐにそれはなくなった。

コンパクトで軽量なのに、使用中に強度面で不安を感じることは一切ない。むしろ、この“余計な存在感のなさこそがMaglinkクイックコネクター最大の魅力だと思う。

マグネットによる着脱はとにかくスムーズで速い。

三脚に据えたら、迷うことなく一瞬でストラップを外せる。このテンポの良さは、これまで使ってきた着脱式コネクターの中でもダントツだ。そして何より感心したのは、外したあとの状態である。

ストラップを外すと、カメラ側に残るのは小さなマグネット付きの柔らかい紐だけ。

極めて軽く、風の影響をほとんど受けない。さらにそのマグネットが、カメラの金属部分にくっついてくれるため、紐が暴れることがない。このスマートさは、実際に使ってみて初めて分かる快適さだ。

僕が使っている EOS R5 Mark II では、ホットシュー部分やL型プレートの裏側にこの紐を固定しておける。外したストラップの行き場に困ることがなく、必要なときにはすぐ戻せる。外したストラップもマグネット部分がくっつくので首にかけておくこともできる。

小さく、軽く、強く、そして風に強い。これらすべてを、小さなパーツで実現できるのがMaglinkの凄さだ。

太い純正ストラップに違和感を覚えている人、三脚撮影で風に悩まされてきた人にとって、今、間違いなく最有力の選択肢だと思う。

近況報告

来年の2月に写真集を刊行することになりました。1年の3分2ぐらいを車中泊で旅しながら撮影を続けるなか、とある仕事をきっかけに奄美と出会い、その風景に心を奪われました。

森と海、光と影、生と死の世界との間に漂う気配に惹かれ、それがやがて「AWAI(間)」というテーマへとつながっていきました。そして今年、奄美を撮り続けて10年が経ちました。今回の写真集は、その10年の経験と記憶の積み重ねをまとめたものであり、僕が奄美の島々と向き合ってきた時間を確かめるような1冊です。

館野二朗

若い頃からバックパッカーの旅やフライフィッシングを通して自然と向き合い、手付かずの自然美にインスピレーションを受け、2000年頃から創作活動を開始。近年は、奄美大島をテーマに精力的に活動している。 2024年には写真展「奄美 ゲニウス・ロキ」をキヤノンオープンギャラリー(品川)にて開催