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ソニーサイバーショットDSC-RX100M2【第3回】

外付けEVFとグリップを試す

購入以来、ほぼ常時持ち歩いているサイバーショットDSC-RX100M2。1型センサーの良好な画質と、ズームレンズ採用による汎用性の高さ、それらがバランス良くコンパクトなボディにまとまっているところが気に入っています。

外付けEVF「FDA-EV1MK」とアタッチメントグリップ「AG-R1」を装着したサイバーショットDSC-RX100M2

そんなRX100M2ですが、前モデル「サイバーショットDSC-RX100」との違いの一つに、純正オプションの充実が挙げられます。

中でもマルチインターフェイス(MI)シューの増設により、外付けEVFの「FDA-EV1MK」が装着可能になったのは大きなステップアップでしょう。今回はこのEVFと、アタッチメントグリップ「AG-R1」の使用感をお伝えしようと思います。

値段だけがネック? 待望のEVF「FDA-EV1MK」

RX100M2のボディ上面に備え付けられたマルチインターフェイスシュー。前モデルRX100になかった装備です。これにより、EVFの「FDA-EV1MK」とクリップオンストロボ「HVL-F43M」が利用できるようになりました。

前モデルRX100になかったマルチインターフェイス(MI)シュー

特に、EVF非対応が前モデルRX100を使っていての不満のひとつだったため、RX100M2のEVF対応はうれしい限りです。

このEVFですが、有機EL約235万ドット、倍率0.71倍(35mm判換算)、アイセンサー搭載、90度チルト可能と、申し分ないスペック。外装も金属だし、ボタン類の部材もしっかりしています。この手のアクセサリーとしては群を抜くクオリティでしょう。

それもそのはず。そもそもフルサイズセンサー搭載の超高級コンパクト「サイバーショットDSC-RX1」のために用意されたものなのです。アイピースカップが2種類付属したり、豪華な革風ケースやクリーニングクロスが同梱されていたりと、多少はしゃぎ過ぎな商品内容なのはそのせい。そのため価格も4万4,100円(実勢3万9,800円)とかなりお高くなっています。

アイピースカップは2つ同梱されています。写真は大き目のソフトアイピースを装着したところ

もちろんEVF自体の品質は高く、視認性に問題はありません。「カメラはファインダーを覗いて撮らないと」と考えいている人には、ぜひお勧めしたいアイテムといえますが……価格を考えると、そこまでして導入すべきなのか、ちょっと引くのも事実です。

実をいうとRX100M2の背面モニターは、屋外の日差しの中でも(輝度を上げれば)それほど視認性は悪くありません。これはRX100の頃からそうでした。

大きさの問題もあります。RX100M2ぐらいの大きさになると、EVFはせっかくのボディのコンパクトさをスポイルしがちです。私の場合も常時入れているバッグのポケットに入らなくなることから、いつしか外しがちになってしまいました。

EVFの性能に不満はありませんし、「覗いて撮る派」には、極めてシリアスなアイテムなのは理解しているつもりですが…日々持ち歩く時は外しておき、休みの日や旅行の時など、気合いを入れて撮るときは装着する。そんな外付けならではの使い方を考えていきたいと思います。

滑り防止として優秀、アタッチメントグリップ「AG-R1」

もうひとつのアタッチメントグリップ「AG-R1」ですが、見た目の通り、RX100M2にパームグリップを増設するものです。RX100M2のボディ前面はレンズ部以外が平坦で、しかも表面はさらりとした質感。ややもすると右手が滑りやすく、ひやりとすることもあるのです。そこで前モデルRX100のときは、リチャードフラニエックのカスタムグリップをつけていました。AG-R1は、ソニー純正の「リチャードフラニエック」といえるもので、RX100にもつけられます。

リチャードフラニエックの方はアルミ削り出しかつアルマイト処理の表面という豪華なアイテムで、サラサラした手触りがボディの質感にあっていました。

一方AG-R1にはシボ加工されたエラストマーが使用され、形状もさることながら、柔らかい素材が指にフィットする感覚がとても強い。落下防止という観点からすれば、軍配はAG-R1に上がると思います。

アタッチメントグリップ「AG-R1」は、両面テープで本体に取り付けます

見た目も異なり、コンテンポラリーなリチャードフラニエックに対し、シボ加工されたAG-R1は「シックでトラディショナルなカメラらしさ」といったところでしょうか。

AG-R1の価格は1,575円(実勢1,480円)。EVFのように高価すぎないので、気軽に購入して試せると思います。右手が滑りがちで気になる人は、試してみる価値があります。凝った作りのリチャードフラニエックに対してあっさりしたアイテムですが、その分価格も安くなっています。

もうひとつ、49mmフィルター用アダプター「VFA-94R1」(実勢2,880円)も購入しましたが、RX100のときに入手したLensmateの「SONY DSC-RX100専用 フィルタークイックチェンジアダプター」とほぼ同じ仕組み、同じ機能。以前に詳しくレビューしたので、ここでの紹介は割愛します。

おまけの作例

先週末の連休、北京に旅行に行きました。見渡す限りどこまでも続く万里の長城や、想像を超えた規模の故宮、イオンモール並みに巨大な街中のビルなど、スケールの大きさに感動しました。

その代わりとにかく歩く場面が多く、ボディが小さくて軽いRX100M2で本当に良かったと思います。アタッチメントグリップAG-R1も指がかりが良く、右手の指をグリップにひっかけて、ブラブラさせながら散歩するのが気軽でいい感じでした(念のため、ハンドストラップは装着しています)。

空気が悪いというのは本当ですね。「年に2〜3回しかない」といわれる青空のときはそうでもないのですが、曇りになると、遠景が霞がかった描写になります。作例が若干もやっとしているのはRX100M2のせいではないので、その辺を留意して観ていただければと思います。

DSC-RX100M2 / F2.8 / 1/40 / ISO160 / ±0EV / 10.4mm(28mm相当)
DSC-RX100M2 / F6.3 / 1/800 / ISO160 / ±0EV / 10.4mm(28mm相当)
DSC-RX100M2 / F4.5 / 1/800 / ISO160 / ±0EV / 10.4mm(28mm相当)
DSC-RX100M2 / F4 / 1/160 / ISO160 / ±0EV / 25.3mm(68mm相当)
DSC-RX100M2 / F4 / 1/250 / ISO250 / ±0EV / 10.4mm(28mm相当)
DSC-RX100M2 / F4 / 1/800 / ISO160 / ±0EV / 10.4mm(28mm相当) / ピクチャーエフェクト:トイカメラ(グリーン)

本誌:折本幸治