交換レンズ実写ギャラリー

SIGMA 17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM

EOS 7D / 17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM / 約3.1MB / 5,184×3,456 / 1/20秒 / F5 / +1.7EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:太陽光 / 49mm

 シグマからデジタル専用の標準ズームレンズ「17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM」が発売されました。高い光学性能と小型・軽量さを備えたContemporaryラインの第1弾として送り出されたレンズ。レンズ側面には銀色の「C」マークが見てとれます。

キヤノン用とシグマ用は1月15日に発売済み。ソニー用、ニコン用、ペンタックス用は発売時期未定。実勢価格は4万4,800円前後。

 標準ズームとはいえ、MACROと付くだけあって、かなりクローズアップが得意。最大撮影倍率は1:2.8。マクロレンズには及びませんが、普通に花や小物を撮るなら十分でしょう。遠近感を活かした広角接写も可能です。最短撮影距離が22cmなので、望遠端の最短撮影距離、つまり最大撮影倍率で撮ろうとすると、フードの先が被写体に当たってしまうほど。それぐらい“寄れる”標準ズームなのです。

 絞りの開放値が広角側ではF2.8、望遠側でもF4と明るく、背景がボカしやすいのも特徴。シャッター速度が速められる分、薄暗い室内や温室でのクローズアップ撮影でも感度を抑えて撮ることができるのもメリットです。焦点距離が17mmから70mmというのもなかなか便利。もうちょっと大きく写したいという気持ちに答えてくれます。

 ピント面の画質は開放からシャープさがあり、絞り込んでも大差はありません。さすがにF16、F22と絞り込むとやや甘さが感じられますが、そこまで絞ることはあまりないので気にならないでしょう。逆光での近接撮影時に限っては絞り開放で撮ると少し滲みを感じましたが、少し絞れば解消されます。また、広角で建物を撮影したカットでは色収差が見られるのですが、ディストーションはうまく補正されています。絞り開放では周辺光量落ちが見られましたが、1段絞ればかなり軽減され、2段絞ると全く気になりませんでした。

 7枚羽根の円形絞りを採用しているので、点光源のボケが丸く写ります。実際に撮り比べてみると、絞り開放ではきれいな円型をしていました。F8まで絞るとようやく角張ってきますが、それでも角が丸みを帯びています。クローズアップ撮影ではイルミネーションや木漏れ日を丸くぼかすことが多々あるので、こうした点も嬉しいものです。

 超音波モーター「HSM」搭載でAFは静かでスムーズ。MFの操作はキビキビとした動きで、ピント合わせにストレスはありません。ズームリングも程よいトルク感があります。

 通常の撮影時はもちろん、特にクローズアップ撮影時は撮影倍率が高くなるぶん手ブレが気になりますが、手ブレ補正機構「OS」が搭載されているので、ブレが軽減されるのはありがたいです。ちなみに、ソニー用、ペンタックス用にはOS機構が搭載されていません。

 開放F値が明るい割に、軽量でコンパクト。1本で広角から、中望遠、そしてマクロと撮影の幅が広いので、お勧めのレンズです。

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
  • 縦位置で撮影した写真のみ、無劣化での回転処理を施しています。
EOS 7D / 17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM / 約7.3MB / 5,184×3,456 / 1/200秒 / F11 / +1EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:太陽光 / 17mm
EOS 7D / 17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM / 約4.5MB / 5,184×3,456 / 1/400秒 / F8 / +0.3EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:太陽光 / 70mm
EOS 7D / 17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM / 約9.1MB / 5,184×3,456 / 1/1,600秒 / F4 / -0.3EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:太陽光 / 19mm
EOS 7D / 17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM / 約7.2MB / 5,184×3,456 / 1/2,500秒 / F3.5 / -0.3EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 34mm
EOS 7D / 17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM / 約9MB / 3,456×5,184 / 1/1,250秒 / F4 / +0.3EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:太陽光 / 70mm
EOS 7D / 17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM / 約5.5MB / 3,456×5,184 / 1/2,500秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:太陽光 / 17mm
EOS 7D / 17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM / 約6.3MB / 5,184×3,456 / 1/3秒 / F4 / +1.3EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 45mm
EOS 7D / 17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM / 約5.2MB / 5,184×3,456 / 1/15秒 / F3.5 / +0.7EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:くもり / 34mm
EOS 7D / 17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM / 約5MB / 3,456×5,184 / 1/40秒 / F4 / +1.3EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:日陰 / 70mm
EOS 7D / 17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM / 約4.7MB / 3,456×5,184 / 1/640秒 / F4 / -2EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:日陰 / 63mm
EOS 7D / 17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM / 約4.3MB / 5,184×3,456 / 1/30秒 / F4 / +0.7EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:太陽光 / 17mm
EOS 7D / 17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM / 約4.3MB / 5,184×3,456 / 1/8秒 / F5.6 / +1.7EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:太陽光 / 70mm
EOS 7D / 17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM / 約8.9MB / 5,184×3,456 / 1.6秒 / F16 / -0.7EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:太陽光 / 70mm
EOS 7D / 17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM / 約3.1MB / 5,184×3,456 / 1/10秒 / F4 / +2EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:くもり / 70mm

吉住志穂

(よしずみ しほ)1979年東京生まれ。日本写真芸術専門学校卒業後、竹内敏信事務所に入社。 2005年4月に独立。自然の「こころ」をテーマに、花や風景の作品を撮り続けている。日本自然科学写真協会(SSP)会員。