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【CES】シグマ、中望遠レンズ搭載の「DP3 Merrill」を展示

 シグマは2013 International CESにおいて、レンズ一体型デジタルカメラの新製品「DP3 Merrill」を発表した。また、フォトキナ2012で開発発表した交換レンズ「17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM」「120-300mm F2.8 DG OS HSM」の正式発表も行なった。

SIGMA DP3 Meriill

 DP2 Merrill、DP1 Merrillに続く新製品。今回は実焦点距離50mm F2.8のレンズを搭載。35mm判での焦点距離は75mm相当の中望遠域となるので、撮影ジャンルとしては、ポートレート撮影での利用が思いつく。新たに顔優先AFモードも利用可能になった。また最短撮影距離が22.6cmのため、マクロ撮影も楽しめそうだ。

SIGMA DP3 Merrill

 ポートレート撮影やマクロ撮影で使えそうな、フォーカス距離範囲を設定する機能もある。3種類のフォーカスリミッターのプリセット(マクロ、ポートレート、遠距離)に加え、カスタム設定の1種類から選べる。

3種類のいわゆるフォーカスリミッターが用意されている。カスタム設定も可能

 基本的なフォルムはDP2 Merrill、DP1 Merrillを受け継いだもの。ただしこれまでになく、レンズ鏡筒が大きく突き出しているのが目立つ。フィルター径は52mm。ちなみにDP2 MerrillとDP1 Merrillのフィルター径は49mm。

 撮像素子は従来と同じ。APS-Cサイズ相当(23.5×15.7mm)の有効4,600万画素(4,800×3,200×3層)Foveon X3ダイレクトイメージセンサー。画像処理エンジンのデュアルTRUE IIもこれまで通りだ。

 日本で2月に発売。価格はオープン。

SIGMA 17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM

 高い光学性能とコンパクト性を両立させたプロダクトライン「Contemporary」の第1弾。発売時期と価格が正式に決まった。

SIGMA 17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM
前面のレンズ名はブラックの彫り込み。マクロ撮影時における被写体への写り込みを軽減する

 APS-Cセンサーに特化した標準ズームレンズで、従来の17-70mm F2.8-4 DC Macro OS HSMなどと同様のサイズ感。引き続きマクロ撮影にも強く、最短撮影距離は22cm、最大撮影倍率は1:2.8となっている。

 キヤノン用とシグマ用は1月25日に発売。価格は5万9,850円。ソニー用、ニコン用、ペンタックス用の発売時期は未定。

SIGMA 120-300mm F2.8 DG OS HSM

 プロダクトライン「Sports」の第1弾。こちらも発売時期と価格が決まった。Sportsの対象は望遠系レンズ。画質に加え、AF速度など撮影者の意図にダイレクトに応えるという思想を持つ。

SIGMA 120-300mm F2.8 DG OS HSM
操作スイッチ類。一番下がカスタムモードスイッチ
三脚座。ストラップ取り付け部を備える
Art、Contemporary、Sportsの各プロダクトラインを訴求する展示

 35mm判フルサイズのイメージサークルに対応する大口径望遠ズームレンズ。全長は291mmと長く、フィルターサイズも105mmと格別に大きい。質量は未定。

 最短撮影距離は1.5〜2.5m。最大撮影倍率は1:8.1(200mm時)。9枚羽根の円形絞りを採用する。

 AFモーターは超音波モーターHSM。フォーカスリミッターも利用できる。

 シグマ用、キヤノン用が3月に発売。ニコン用は未定。価格は40万9,500円。

 同時に正式発表された「USB DOCK」にも対応する。これは,レンズをPCにつないでファームウェアのアップデートや合焦位置の調整を行なうもので、上記の17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSMでも利用できる。Sportsラインの120-300mm F2.8 DG OS HSMでは、AF速度、フォーカスリミッター、手ブレ補正OSの調整が可能となっている。設定値はレンズのカスタムモードスイッチから呼び出す。

USB DOCK。写真はキヤノン用

モノクロに特化した処理を現像ソフトに追加

 CESでは上記の新製品に加え、現像ソフト「SIGMA Photo Pro」(SPP)に追加される「Monochrome Mode」についての発表もあった。モノクロ写真に特化したモード。

 従来のSPPでもモノクロ画像の生成は可能だったが、カラー処理のあとにモノクロ化していた。それをカラー処理なしにモノクロ画像生成を行なう。Foveon X3ダイレクトイメージセンサーの各層で捉えたRGBの輝度情報を忠実に再現するため、ダイナミックレンジやトーンの面で有利だという。

 RGBをそれぞれ調整可能なカラーミキシング機能もあるため、いわゆるフィルターワークも疑似的に行なえるほか、フィルムの粒状感を再現するフィルムグレイン機能も備えている。

 さらに、高感度で撮影された画像については、ノイズ感の少ない画像になるメリットもあるという。

 会場では専用のギャラリーをブースの壁面に設置。通路を行く人に質の高いモノクロ写真をアピールしていた。

Monochrome Modeによる表現力をアピール
モノクロにおけるSD1/DPシリーズ、モノクロ専用機、ベイヤーフィルター機との比較

 対応機種は「SIGMA SD1」、「SIGMA SD1 Merrill」、「SIGMA DP1 Merrill」、「SIGMA DP2 Merrill」、「SIGMA DP3 Merrill」となっている。

 SPPへのMonochrome Modeの追加は2月に行なわれる予定。

(本誌:折本幸治)