DMC-GF1で世界初のマクロレンズ「マクロキラー40mm」を試す

Reported by糸崎公朗

「LUMIX DMC-GF1」に装着したのは「Kilfit-Macro-Kilar D 1:2.8/4cm」。現代に繋がるマクロレンズの元祖のような存在で、1958年にキルフィット社から発売された。右に置かれたのは、マイクロフォーサーズ規格の「LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm F2.8 ASPH. MEGA O.I.S.」。パナソニックから2009年に発売された最新版マクロレンズだ。今回はこの新旧のマクロレンズを撮りくらべてみた。

新旧マクロレンズ比較

 ぼくはこのところ古いマクロレンズをちょっとずつ買い集めているが、その中で最近買った「Kilfit-Macro-Kilar(キルフィット-マクロ-キラー) D 1:2.8/4cm」がえらく気に入ってしまった。

 マクロキラー4cmは35mm一眼レフカメラ用としては世界初のマクロレンズで、リヒテンシュタイン王国にあったキルフィット社から1955年に発売された。マクロキラーには最大撮影倍率1:2のEタイプと、最大撮影倍率1:1.1のDタイプがあり、またレンズ口径1:3.5の前期型と、1:2.8に改良された後期型(1958年発売)がある。ぼくが入手したのは後期型のDタイプだ。

 ぼくはこのKilfit-Macro-Kilar D 1:2.8/4cmを、マウントアダプターを介してマイクロフォーサーズシステム規格の「オリンパス・ペンE-P1」に装着してみたのだが、実にシャープな描写に驚いてしまった。このレンズは約等倍(1:1.1)までの拡大撮影が可能だが、撮像素子の小さなマイクロフォーサーズ規格のカメラに装着すると、ライカ判換算約2倍相当までの撮影ができる。

 このレンズは一眼レフカメラの「自動絞り」が一般化する以前の「手動プリセット絞り」で、一眼レフカメラに装着して絞り込むと、ファインダーが暗くなりピント合わせが難しくなる。しかしE-P1をはじめとするマイクロフォーサーズ規格のカメラで使用すると、絞り込んでも液晶モニターが明るく表示され、MFでのピント合わせが意外にしやすいのだ。

 大昔のレンズが最新のテクノロジーと合体してより使いやすくなるというのは面白い。それですっかり気に入って、このレンズで虫など撮影していたのだが、ふと現代の最新マクロレンズとの描写比較をしてみたくなった。最新のマクロレンズといえば、パナソニックからマイクロフォーサーズ規格のマクロレンズ「LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm F2.8 ASPH. MEGA O.I.S.」が2009年12月に発売されている。

 そこでパナソニックからLEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm F2.8 ASPH. MEGA O.I.S.と、マイクロフォーサーズ規格のカメラ「LUMIX DMC-GF1」をお借りすることにした。約半世紀の間、マクロレンズはどれだけ進化したのか? を検証してみたい。

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外観の比較

LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm F2.8 ASPH. MEGA O.I.S.(左)はレンズ構成10群14枚(非球面1枚、ED1枚)で、3群フローティングインナーフォーカス方式、光学式手ブレ補正を搭載。Kilfit-Macro-Kilar D 1:2.8/4cm(右)はさらに小型でシンプルな構造。レンズ構成は3群4枚のテッサータイプだが、色滲みを抑えたアポクロマート仕様。側面には撮影距離、撮影倍率、露出倍数の数値が細かく記されているLEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm F2.8 ASPH. MEGA O.I.S.の最大撮影倍率は1:1(等倍)。インナーフォーカスを採用しているので、最大倍率撮影時もレンズ全長は変わらない。Kilfit-Macro-Kilar D 1:2.8/4cmの最大撮影倍率は等倍よりちょっと低い1:1.1倍。ピントリングをぐるぐる回すと、2段式のヘリコイドが倍近くまで伸びる。35mm一眼レフ黎明期の1950年代、このギミックは画期的だったに違いない
レンズ後部も比較してみた。LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm F2.8 ASPH. MEGA O.I.S.は、AFや絞り制御用などの電子接点を装備。Kilfit-Macro-Kilar D 1:2.8/4cmの後部はレンズが突出し、さらに一眼レフカメラのミラーの干渉を避けるための切り欠きがある。しかし無限遠時はミラーが当たって撮影できない機種もある。マウントはM42規格のねじ込み式で、絞りなどの連動機構は一切ないKilfit-Macro-Kilar D 1:2.8/4cmを前から見ると、レンズが奥に引っ込んでいるのがわかる。内蔵されたヘリコイド部分がレンズフードを兼ねる設計で、その後の多くのマクロレンズが似た方式を採用している。絞りは手動プリセットだが、ピントリングと一緒に絞りリングも動くため(回転ヘリコイド式)操作性はよくない。カメラを三脚に固定した使用が前提なのだろう
レンズ先端のフードはこのように取り外すことができ、後部にフィルターが装着できるようになっている。このフードはレンズ本体内側のベアリングで“カチッ”と固定する凝った仕組みだ。この当時の“舶来品”は庶民の手の届かない高級品で、機構はシンプルでもデザインや仕上げは非常に凝っているKilfit-Macro-Kilar D 1:2.8/4cmを、M42マウントの35mm一眼レフカメラペンタックス「SP」に装着してみたが、この組み合わせでは無限遠時はミラーが干渉し撮影できない。黎明期の35mm一眼レフカメラに比べ、レトロフォーカスの広角レンズが登場して以降の一眼レフカメラは、ミラーが長く設計されているためだ。もちろんヘリコイドを繰り出せば撮影可能だが、この当時のカメラでのマクロ撮影は相当に難しい

レンズ装着と撮影の工夫

Kilfit-Macro-Kilar D 1:2.8/4cmをマイクロフォーサーズ規格のデジタルカメラに装着するため、2種類のマウントアダプターを重ねて使用。左奥は、フォーザーズレンズをマイクロフォーサーズカメラに装着するオリンパスの「MMF-1」。手前はM42マウントレンズをフォーサーズカメラに装着するアダプターで、恐らく中国製(中古ショップで購入)DMC-GF1に非純正レンズを装着すると、実はそのままではシャッターが切れない。カスタムメニューの「レンズ無しレリーズ」を「ON」に設定する必要がある。なおE-P1などオリンパス製のマイクロフォーサーズ規格のカメラはレンズなしでもシャッターが切れるため、このような手続きは不要だ
マウントアダプターを介してKilfit-Macro-Kilar D 1:2.8/4cmをPanasonic DMC-GF1に装着したところ。しかしテスト撮影の結果、ヘリコイドを最大に伸ばすと内蔵ストロボがケラレてしまうことが判明また、このカメラのストロボモードは自動調光のみで、プリ発光のタイムラグがどうしても発生してしまう。このため手持ちでマクロ撮影すると、ピント位置が微妙にずれる可能性がある。ぼくはマクロ撮影にはストロボを多用するので、なにか工夫する必要がある
まず内蔵ストロボの使用をあきらめ、サンパックの外付けストロボ「PF20XD」を用意する。これは裏から見たところだが、ダイヤル操作によってマニュアル調光(5段階)ができる点がマクロ撮影には大変便利。マニュアル発光で使用すれば光量が安定し、タイムラグもなくなるサンパックPF20XDでもそのままではけられるので、100円ショップで買ったタッパーを改造してディフューザーを製作。中にティッシュを入れ、ふたの一部を切り欠き、マジックテープを貼って発光部に装着する
自作ディフューザー付きのサンパックPF20XDをカメラの装着するとこの通り。ストロボ光が拡散してけられがなくなり、影も柔らかく自然になるこちらはLEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm F2.8 ASPH. MEGA O.I.S.を装着したところだが、もちろんこのレンズにも効果絶大だ。ちょっとトップヘビーに思えるかもしれないが、システム全体としてはコンパクトで使い勝手はなかなかよい

DCM-GF1の使用感

 今回は初めてパナソニック製マイクロフォーサーズ機DMC-GF1を使ってみたが、普段使っているオリンパスのE-P1とは設計思想がいろいろ違って興味深い。

 DMC-GF1とE-P1を比較すると、モードダイヤルに2種の「カスタムモード」を搭載したDMC-GF1の方が、圧倒的に使いやすいと個人的には思う。またAFもDMC-GF1の方が速く、マクロ撮影もオートのままストレス無くピントが合う。

 しかしE-P1はボディ内手ブレ補正を採用し、またMFでのピント合わせもしやすいので、Kilfit-Macro-Kilar D 1:2.8/4cmなどのオールドレンズを使うにはこちらの方が便利かも知れない。

 DMC-GF1とE-P1で共通して不便なのは、LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm F2.8 ASPH. MEGA O.I.S.を装着した際、撮影距離や撮影倍率が一切表示されない点だ。マクロレンズはピントをマニュアルで1/2倍とか1/3倍などに固定して撮影することがあるが、そのような使い方ができないのは残念だ。

 Kilfit-Macro-Kilar D 1:2.8/4cmなどの古いレンズは、倍率や距離などの目盛りが細かく刻まれており、このような機能が最新レンズに継承されていないのだ。

DMC-GF1は、モードダイヤルに「C1」「C2」の2種のカスタムモードを搭載しているのが便利だ。ここに露出モードやISO、WB、AFなどの各種設定の組み合わせ(カスタムセット)を登録することができる。モードダイヤルの「A」や「M」と異なるのは設定を変更しても、カメラの再起動でデフォルト値に戻るため、設定の戻し忘れが防止できるのだカスタムセットの登録は非常に簡単。「C2」にはさらに「C2-1」「C2-2」「C2-3」と3種の登録ができる点がユニーク。この機能によって、例えばマクロレンズでカラー撮影し、標準レンズに交換しモノクロでスナップ撮影をする、といった切り替えが瞬時に行なうことができる。オリンパス製のデジタルカメラには一貫してそのような登録モードが無く、この点では非常に不便に感じてしまう
「Q.MENU」ボタンを押すと、各種設定を素早く変更できる。十字キーの左右操作で設定項目の変更、上下操作で設定内容の変更を行なう(写真はWBの設定)十字キー下の「Fn」ボタンには、操作項目をひとつ選んでが登録できる。しかし、どうもぼくの撮影に必要なメニューが入っていない。ここに「マニュアル調光」の項目があれば、昆虫撮影には最高なのだが……
露出補正は、電子ダイヤルをカチッと押すと操作可能になる(そのための指示が画面右下にアイコン表示されている)。DMC-GF1にはいわゆる「露出補正ボタン」が装備されておらず、はじめは戸惑ってしまったが、慣れると非常に操作しやすい方式だオートフォーカスのフォーカスポイントは十字キー操作で任意の場所に移動できる。画面右下の表示の通り、電子ダイヤル操作でフォーカスポイントのサイズ(範囲)を変更できる点がユニーク(写真は最小にしたところ)
AFからMFに切り替えるためには、「AF/MF」ボタンを押すとフォーカスモードのメニューが現れ、そこから「MF」を選択する。分かりやすい方式だが、「AF/MF」がワンタッチで切り替えられないのでちょっとまどろっこしいMF時は「MFアシスト」機能により画面の一部が拡大される。拡大ポイントは十字キーで移動させることができ、電子ダイヤルによりサイズ(拡大率)も変更できる。便利な機能だが、問題はシャッター半押しで通常表示に戻ってしまうこと。三脚を使用した撮影には便利だろうが、手持ちのマクロ撮影にこの機能を活かすのは難しい。

テスト撮影比較(等倍)

 ぼくが持っているアメリカのカメラ雑誌「POPULAR PHOTO-GRAPHY」1963年12月号には、Kilfitt社のレンズの広告が掲載されている。この上段にマクロレンズ用のテストチャートが印刷されているので、これを最大倍率で撮影して比較してみた。

 古い雑誌に掲載されたチャートなので完全な平面が出てるとは限らず、あくまで半分シャレの簡易テストだと思って、参考程度にご覧いただきたい。

 両レンズともピントを最大倍率に固定して撮影しているが、LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm F2.8 ASPH. MEGA O.I.S.は倍率1:1、Kilfit-Macro-Kilar D 1:2.8/4cmは倍率1:1.1なので、撮影範囲に若干の違いがある。

また、LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm F2.8 ASPH. MEGA O.I.S.が新品に近い貸出レンズなのに対し、Kilfit-Macro-Kilar D 1:2.8/4cmは約半世紀前の中古品だ。このため表面のキズや内部のホコリがあり、本来の性能が出ていない可能性もある。

LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm F2.8 ASPH. MEGA O.I.S.の絞り開放の1:2.8だが、中心はもちろん四隅までシャープなので驚いてしまった。EDレンズと非球面レンズを使用した贅沢な設計は伊達ではないのがわかるLEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm F2.8 ASPH. MEGA O.I.S.の絞りF8での撮影。開放と変わらずシャープな描写だ。歪曲収差もほぼ完全に補正されている
次はKilfit-Macro-Kilar D 1:2.8/4cmでの絞り開放。中心はわりとシャープだがソフトフォーカス気味。周辺部はピンボケで、これは像面湾曲収差(中心と周辺でピント位置が異なる)のためだろうKilfit-Macro-Kilar D 1:2.8/4cmの絞りF8。中心から四隅までシャープで、さすがは舶来品のマクロレンズだ。歪曲収差もほとんど確認できない。しかしLEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm F2.8 ASPH. MEGA O.I.S.と比べると黒に締まりが無くコントラストが低く、シャープさも若干劣る

テスト撮影比較(遠景)

 遠景描写、歪曲収差、前ボケが一画面で確認できる“金網チャート”を撮影した。両レンズともMFで遠景の建物にピントを合わせている。LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm F2.8 ASPH. MEGA O.I.S.はライカ判換算90mm相当、Kilfit-Macro-Kilar D 1:2.8/4cmは80mm相当なので、撮影範囲に若干の違いがある。

LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm F2.8 ASPH. MEGA O.I.S.の絞り開放の1:2.8での撮影。ピントの合った遠景の描写は、高画質ながら若干ピントが柔らかい印象。四隅まで均質で画質の乱れはなく、前ボケも柔らかく自然だ。マクロから遠距離まで高い描写力が得られるのは、近距離補正機構の効果だろうLEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm F2.8 ASPH. MEGA O.I.S.の絞り8での撮影。ピントのあった部分はさらにシャープさが増し先鋭な描写になる。直線が曲がることなく写っており、歪曲収差がほとんど無いこともわかる
次はKilfit-Macro-Kilar D 1:2.8/4cmでの絞り開放。中心はソフトフォーカスだがピントに芯がある。しかし画面周辺にいくに従ってピンボケになってゆく。Kilfit-Macro-Kilar D 1:2.8/4cmの絞りF8。ソフトフォーカスの描写は改善され、特に画面中心はシャープな描写になる。しかし画面四隅では像が崩れ、不自然な描写になる。やはりこのレンズはマクロ撮影に特化した設計がされているようだ。

実写撮影比較

 左にLEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm F2.8 ASPH. MEGA O.I.S.で撮影した画像、右にKilfit-Macro-Kilar D 1:2.8/4cmで撮影した画像を掲載する。どれも同じ被写体を同じような角度と大きさで撮影したが、逃げやすい虫相手だとなかなか難しい。

マツバギクの花壇の中で交尾するアオドウガネ。大人しくしてるので比較撮影にもってこいだ。まずはLEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm F2.8 ASPH. MEGA O.I.S.の絞りF8で撮影。AFでだいたいの位置にピントを合わせフォーカスロックし、液晶画面を見ながらカメラを動かし、ピントを微調整する。慣れないとなかなか難しい
DMC-GF1 / LEICA DG MACRO-ELMARIT 1:2.8 45mm ASPH / 4,000×3,000 / 1/30秒 / F8 / 0EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:太陽光 / 外部ストロボ使用
次いで、Kilfit-Macro-Kilar D 1:2.8/4cmの絞りF8で撮影。絞り込んでもDMC-GF1の液晶モニターは明るく表示されるのでピント合わせがしやすい。何枚か撮影し良いものを選んだが、LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm F2.8 ASPH. MEGA O.I.S.と比較してほとんど遜色のない写真が撮れたので驚いてしまった
DMC-GF1 / Kilfit-Macro-Kilar D 1:2.8/4cm / 4,000×3,000 / 1/30秒 / F8 / 0EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:太陽光 / 外部ストロボ使用
LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm F2.8 ASPH. MEGA O.I.S.の絞り開放で撮影したモンシロチョウ。シャープなピントとなだらかなボケが同居しており、非常に優秀なレンズであることがわかる。AFで撮影したがチョウのほぼ全面にピントが合った。チョウに対しカメラの撮像素子が平行になるように構えるのがコツだ
DMC-GF1 / LEICA DG MACRO-ELMARIT 1:2.8 45mm ASPH / 4,000×3,000 / 1/400秒 / F2.8 / 0EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:曇り / ストロボ不使用
Kilfit-Macro-Kilar D 1:2.8/4cmの絞り開放での撮影だが、倍率がちょっと違ってしまった。全体にソフトフォーカスだが中心部は意外にシャープで鱗粉も描写されている。背景のボケはやや硬くて不自然だが、独特の味わいがある
DMC-GF1 / Kilfit-Macro-Kilar D 1:2.8/4cm / 4,000×3,000 / 1/400秒 / F2.8 / 0EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:曇り / ストロボ不使用
ルリタテハは普段は羽を閉じていて、美しい表の模様を一瞬しか見せてくれないので、撮影にはコツが要る。LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm F2.8 ASPH. MEGA O.I.S.はMFで固定し、羽がさっと開いた瞬間に素早く撮影する。ピントをじっくり合わせることはできず、半ば偶然に頼るしかない
DMC-GF1 / LEICA DG MACRO-ELMARIT 1:2.8 45mm ASPH / 4,000×3,000 / 1/320秒 / F8 / 0EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:オート / ストロボ不使用
Kilfit-Macro-Kilar D 1:2.8/4cmでの撮影だが、倍率が若干異なってしまった。単体で見ると高画質だが、左の写真に比べると暗部に締まりがなくコントラストが落ちる。ルリタテハは花の蜜ではなくクヌギやコナラの樹液を吸うので、雑木林などで見ることができる
DMC-GF1 / Kilfit-Macro-Kilar D 1:2.8/4cm / 4,000×3,000 / 1/250秒 / F8 / 0EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:オート / ストロボ不使用
メタリックに輝く美しいアオイトトンボだが、雑木林の暗がりに止まっているとほとんど目立たない。LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm F2.8 ASPH. MEGA O.I.S.をMFモードで撮影。頭部から尾端までピントを合わせるため、カメラの角度を微調整している。このような撮影は、光学ファインダーを装備した一眼レフカメラの方が適しているかも知れないが、DMC-GF1でも何とか撮影できた
DMC-GF1 / LEICA DG MACRO-ELMARIT 1:2.8 45mm ASPH / 4,000×3,000 / 1/15秒 / F5.6 / 0EV / ISO400 / マニュアル露出 / WB:太陽光 / 外部ストロボ使用
Kilfit-Macro-Kilar D 1:2.8/4cmで絞りF8の撮影だが、やはり画質は若干劣る。背景を描写するためシャッター速度を1/15秒に落としたが、ミニ一脚を使用したおかげでブレずに撮影できた。というか、右の写真とISO感度や絞りが違ってしまった。また、DMC-GF1の画像設定が知らぬ間に「シャドウ補正最大」に設定されていたのだが(笑)不自然に荒れている印象もない
DMC-GF1 / Kilfit-Macro-Kilar D 1:2.8/4cm / 4,000×3,000 / 1/8秒 / F8 / 0EV / ISO200 / マニュアル露出 / WB:太陽光 / 外部ストロボ使用
同じアオイトトンボを、LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm F2.8 ASPH. MEGA O.I.S.の最大倍率で撮影。大きな目玉のトンボも、ゆっくり近づけば逃げられずに撮影できる。倍率が上がると深度は浅くなるが、液晶画面でもピントの山が判別しやすいので、慣れると撮影はそれほど難しくはない。ストロボ光だけで撮影すれば、手ブレの心配もない
DMC-GF1 / LEICA DG MACRO-ELMARIT 1:2.8 45mm ASPH / 4,000×3,000 / 1/30秒 / F8 / 0EV / ISO400 / マニュアル露出 / WB:太陽光 / 外部ストロボ使用
Kilfit-Macro-Kilar D 1:2.8/4cmでの最大倍率。このレンズをF8まで絞り込んで暗いところを撮影しようとすると、DMC-GF1の液晶画面はコマ落としのように表示され、ピント合わせが困難になる。しかし昔の人は一眼レフカメラの暗いファインダーでピントを合わせていたはずで、その苦労を思えば頑張って撮影できないことはないのである(笑)
DMC-GF1 / Kilfit-Macro-Kilar D 1:2.8/4cm / 4,000×3,000 / 1/30秒 / F8 / 0EV / ISO400 / マニュアル露出 / WB:太陽光 / 外部ストロボ使用
アカボシゴマダラ(チョウの一種)がエノキの葉に産卵するシーンを撮影しようとして逃げられたので、かわりに卵を探してみた。LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm F2.8 ASPH. MEGA O.I.S.の最大倍率で撮影。不思議なディテールの「命のカプセル」だ
DMC-GF1 / LEICA DG MACRO-ELMARIT 1:2.8 45mm ASPH / 4,000×3,000 / 1/30秒 / F8 / 0EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:太陽光 / 外部ストロボ使用
Kilfit-Macro-Kilar D 1:2.8/4cmの最大倍率で撮影。倍率が若干低いこと以外、ほとんど遜色ない写りだ。葉の表面は蜘蛛の巣などのゴミが付着しているが、チョウはそんなことには構わず産卵してゆくようだ
DMC-GF1 / Kilfit-Macro-Kilar D 1:2.8/4cm / 4,000×3,000 / 1/30秒 / F8.0 / 0EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:太陽光 / 外部ストロボ使用
これは何かというと、モンスズメバチの尻なのだ。クヌギの樹液を夢中で吸っているところ、お尻からそっと忍び寄り、LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm F2.8 ASPH. MEGA O.I.S.の最大倍率で撮影。もちろんこれは“プロの技”なので、素人は安易に真似しないように
DMC-GF1 / LEICA DG MACRO-ELMARIT 1:2.8 45mm ASPH / 4,000×3,000 / 1/30秒 / F8 / 0EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:太陽光 / 外部ストロボ使用
こちらはKilfit-Macro-Kilar D 1:2.8/4cmの最大倍率で撮影。レンズ交換するうちにもう1匹やってきた。拡大すると工芸品のようなディテールが見える
DMC-GF1 / Kilfit-Macro-Kilar D 1:2.8/4cm / 4,000×3,000 / 1/30秒 / F8 / 0EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:太陽光 / 外部ストロボ使用
非常に大人しいカルガモ(オス)がいたので、ギリギリまで接近しLEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm F2.8 ASPH. MEGA O.I.S.で撮影。遠くで見るとカワイイが、アップで見ると意外に目がコワイ(笑)
DMC-GF1 / LEICA DG MACRO-ELMARIT 1:2.8 45mm ASPH / 4,000×3,000 / 1/160秒 / F8 / 0EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:太陽光 / ストロボ不使用
Kilfit-Macro-Kilar D 1:2.8/4cmで同じ距離から撮影しているが、焦点距離の違いにより撮影範囲も異なっている。左の写真に比べて若干前ピンになってしまったが、撮影距離が離れるほどピントの山が判別しにくくなるので難しい
DMC-GF1 / Kilfit-Macro-Kilar D 1:2.8/4cm / 4,000×3,000 / 1/160秒 / F8 / 0EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:太陽光 / ストロボ不使用
水辺に生えていたミゾソバの花をLEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm F2.8 ASPH. MEGA O.I.S.の絞り開放、最大倍率で撮影。被写界深度が極端に浅いので、どこにピントを合わせるかの判断が難しい。この場合、MFアシストを使わず全画面を見ながらの方が撮影しやすい
DMC-GF1 / LEICA DG MACRO-ELMARIT 1:2.8 45mm ASPH / 4,000×3,000 / 1/320秒 / F2.8 / 0EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:太陽光 / ストロボ不使用
Kilfit-Macro-Kilar D 1:2.8/4cmの絞り開放、最大倍率での撮影。全体的にソフトでファンタジックな雰囲気になった。手持ち撮影だが、地面にしゃがんでカメラを構えると手ブレを抑えることができる
DMC-GF1 / Kilfit-Macro-Kilar D 1:2.8/4cm / 4,000×3,000 / 1/250秒 / F2.8 / 0EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:太陽光 / ストロボ不使用
ミゾソバの草姿をLEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm F2.8 ASPH. MEGA O.I.S.の絞り開放で撮影。MFアシストで真ん中付近の花にピントを合わせているが、ほかの花にもピントが合うようにカメラの位置を調整した
DMC-GF1 / LEICA DG MACRO-ELMARIT 1:2.8 45mm ASPH / 4,000×3,000 / 1/320秒 / F2.8 / -1EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:太陽光 / ストロボ不使用
Kilfit-Macro-Kilar D 1:2.8/4cmの絞り開放で撮影。同じく真ん中の花にピントを合わせたが、周辺の花はピンボケになっている。また、水面の反射が丸い形のボケとなって現れ、独特の雰囲気がある
DMC-GF1 / Kilfit-Macro-Kilar D 1:2.8/4cm / 4,000×3,000 / 1/160秒 / F2.8 / 0EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:太陽光 / ストロボ不使用

告知

立体写真講座「長野の街をフォトモで切り取ろう」(やねうら美術館講座)開催します

  • 会場:長野県信濃美術館
  • 開催日:2010年11月7日
  • 時間:10時~15時
  • 定員:20人(事前申込みが必要)
  • 参加費:無料





糸崎公朗
1965年生まれ。東京造形大学卒業。美術家・写真家。「非人称芸術」というコンセプトのもと、独自の写真技法により作品制作する。主な受賞にキリンアートアワード1999優秀賞、2000年度コニカ ミノルタフォト・プレミオ大賞、第19回東川賞新人作家賞など。主な著作に「フォトモの街角」「東京昆虫デジワイド」(共にアートン)など。ホームページはhttp://itozaki.cocolog-nifty.com/

2010/11/2 00:00