デジカメアイテム丼

スマホだけでなく小型カメラでも使いたい 小型軽量で取り回しの良いジンバル

FeiyuTech SCORP Mini 2

比較的小型のジンバル、FeiyuTech「SCORP Mini 2」が発売予定だ。クラウドファンディングで先行販売していたモデルで、今回試用する機会を得たので使用感などをレポートする。

SCORP Mini 2は先日紹介した「SCORP 2」の小型版となるジンバルだ。

SCORP 2がペイロード2.5kgでミラーレスカメラに対応していたのに対して、SCORP Mini 2はペイロード1.2kg。小型のミラーレスカメラ、アクションカメラ、スマートフォンに最適という製品だ。

上位機種と共通の機能も多い

基本的な形状や機能はSCORP 2を踏襲しており、同社の特徴であるスリングハンドルやAIトラッキング機能も搭載している。SCORP Mini 2はSCORP 2に比べて本体が小さくなっているので、持ち運びもしやすいと言える。

今回は小型のミラーレスカメラということでソニーα7Cに軽量なFE 28-60mm F4-5.6と少し重めのFE 20mm F1.8 Gを装着した。

作例は東京・小伝馬町にあるショップ「MONO GRAPHY Camera & Art」の紹介動画風にまとめている。観光地やお店を紹介するようなVLOGでの使用感が伝わると幸いだ。

SCORP Mini 2を使用した動画作例
横方向に出ているのはスリングハンドル
ファンクションキーはF1とF2が利用可能

やはりスリングハンドルは使いやすいもので、ローポジションはもとより移動の際も手提げのように持てるので便利だった。また、スリングハンドルとグリップを両方持つことでさらに安定して構えられるメリットもある。

スリングハンドルを持ったところ

AIトラッキング機能はジェスチャーによって自動的に被写体を追尾する機能。ジンバルに付いている青い部分がセンサーとなっているので、カメラに関係無くこの機能を利用できる。動作についてはSCORP 2の記事を参照していただきたい。

FE 28-60mm F4-5.6を装着したα7Cを搭載したところ
青い部分がAIトラッキングのセンサー。カメラと有線で接続してコントロールするUSB端子もある
関節の調整ネジはやや簡易な方式になり、目盛もSCORP 2よりは粗い刻みとなっていた

Feiyutechのジンバルの使いやすい装備として、サムホイールも挙げられる。3軸の各動きに対応させたり、対応カメラならピント位置の移動といった機能を割り当てられる。他機種のようなホイールの一部が露出したタイプと違って、つまんで回せるので微妙なコントロールがしやすい。

作例の中で建物を下から上に見上げるシーンがあるが、ジンバルを傾けずにサムホイールにチルトを割り当てて撮影したものだ。まるで三脚でチルトしているように安定して撮れていた。

つまみやすい形状のサムホイール
サムホイールの機能は本体またはスマートフォンアプリから設定可能
コントロール部分やディスプレイもSCORP 2とほぼ共通のようだ。ジョイスティックでパンやチルトもできる
ディスプレイのホーム画面。タッチパネルとなっている
これはどの軸をフォローするかを設定する画面

オプションも充実

数々のオプションが用意されており、様々な撮影に対応できるのもありがたいところ。

同梱の三脚はジンバルでは一般的なタイプ

オプションの「カーボン製延長ロッド」を使うと手軽にハイアングルでの撮影などが可能。軽量なので持ち運びも楽だ。今回は、店内で天井から床にチルトダウンするシーンで使用した。高い場所から説明的なカットが撮れる。

カーボン製延長ロッドの装着例

また、スマートフォン用のホルダーも同梱となっているほか、オプションで小型の充電式LEDライトも用意されている。

スマートフォンでの使用例。LEDライトはマグネットで取り付けられる
こちらもオプションとなるが、SCORP 2同様のセミハードケースが用意されている

まとめ

本体が小さめにまとまっているので、小型のカメラと合わせて旅行などで使うのはありというアイテムだった。

ただ、α7CとFE 20mm F1.8 Gはモーター出力が最大になっており普通にはギリギリ使えるが(最初の歩いてくるシーンと建物を見上げるシーンで使用)、真上に向けて自動回転させるモードを試したところ振動が発生してしまった。この組み合わせ以上の重量になるなら上位モデルのSCORP 2が良いと思う。

一方それ以外のシーンはFE 28-60mm F4-5.6で撮影しているが、このレンズならモーター出力も少し余裕があるレベルで使えた。全体としては歩きながらや階段を上りながらの移動シーンも滑らかで問題は無かった。また人物のシーンなどフィックスの部分もかなり止めて映せており、簡易的には三脚代わりにもなりそうな印象だった。

スマートフォンアプリを接続したところ。こちらの機能もSCORP 2とほとんど同じのようだ
スマートフォンをジョイスティックにしたり、スマートフォンを傾けてジンバルを操作することもできる

モーターのパワーを考えると、本格的にミラーレスカメラで撮影したいならSCORP 2の方をお勧めしたいところだが、アクションカメラやスマートフォン、コンパクトカメラで使う場合はなかなか強力なギアになると感じた。

撮影協力:MONO GRAPHY Camera & Art

1981年生まれ。2006年からインプレスのニュースサイト「デジカメ Watch」の編集者として、カメラ・写真業界の取材や機材レビューの執筆などを行う。2018年からフリー。