ファーストインプレッション
パナソニックLUMIX GX7 Mark II
静穏・快速性能が磨かれた街撮りミラーレス
Reported by 本誌:鈴木誠(2016/4/7 12:14)
パナソニックが5月に発売する「LUMIX GX7 Mark II」の試作機を使ったファーストインプレッションをお届けする。
LUMIX GX7 Mark IIは、2013年9月に発売した「LUMIX GX7」と同じサイズ感の本体に、4K PHOTOなどの同社トレンド機能を盛り込んだモデル。製品ラインナップ上では、“全部入り”的な「LUMIX GX8」の弟分にあたる。GX7 Mark IIのスペックなど詳細は既報のニュース記事をご覧いただきたい。
発売は5月18日。税別での店頭予想価格は、ボディ単体が9万円前後、12-32mmキットが10万円前後、ライカ15mmキットが13万円前後の見込み。
ボディサイズと操作性
本体のサイズ感や重量感は従来のGX7とほとんど変わらない。グリップ部の形状変更で持ち心地は多少変わったものの、見た目がスリムになった。大柄なレンズに合う大きなグリップはGX8に備わっている。バッテリーはGX7と共通で、Mark IIは新たにUSB充電に対応しているのが嬉しい。
筆者自身、前モデルGX7のユーザーだったこともあり、相変わらずの使いやすさを実感した。例えばシャッターボタン半押しでAE/AFロックしたまま背面ダイヤルで露出補正をかけられるのは、全てのカメラで可能なことではなく、ライブビュー撮影が前提のミラーレスカメラでは特に直感的で嬉しい。また、Fn.ボタンの割り当て機能変更は各ボタンの長押しで可能だったり、タッチ操作による設定メニューの操作が快適なのも好ましい。
今回使ったレンズではAFもとにかくクイックで、GX7当時には搭載されていなかった「空間認識AF」の威力を感じる。確実な食いつきのためにコントラストの高い部分を狙ったり、クセを掴んで慣れでカバーするようなことも必要なかった。
シャッターを切って驚いたのが、その衝撃の少なさだ。GX7は最高1/8,000秒を実現していたこともあってか、少し目立つ動作音がした。Mark IIではバネ駆動から電磁駆動に変更した新開発のシャッターユニットで、最高速を1/4,000秒としつつ、衝撃を約1/10に抑えたという。柔らかな動作音で、これがまたスナップ撮影の気分を盛り上げてくれる。
レンズは、キットが用意されている標準ズームの12-32mmと、ライカブランドの15mm F1.7のほか、望遠ズームの35-100mm F4.0-5.6も使用した。カメラ本体にこれらのレンズを3本加えても700g程度で収まる。筆者個人はマイクロフォーサーズの画質でも作品志向の撮影を十分楽しめているので、この身軽さはとにかくありがたい。
また、ボディ内の手ブレ補正機構もGX7より進化していて、GX7 Mark IIではシャッターボタン半押しでファインダー像が張り付くような効果を実感できる。よりシャープな描写が期待できるローパスレス仕様のセンサーになっただけに、ライカブランドの15mm/25mmや、20mm F1.7といったレンズで手ブレ補正の補助は嬉しい。加えて、オールドレンズ愛好家にとって心強いのはもちろんのこと。
新モノクロモード「L.モノクローム」
GX7 Mark IIでは、新しくフォトスタイルに「L.モノクローム」が加わった。これで既存の「モノクローム」と合わせて2つのモノクロモードが選べる。そのほか、フィルター効果としてはクリエイティブコントロールの「シルキーモノクローム」なども継承している。L.モノクロームの「L.」が何を意味するのかは、LUMIXの名称や、キットレンズにライカブランドの15mmが加わっている点などから想像が膨らむところ。
このごろ話題のミラーレス機にはモノクロの表現力をウリにしたものが多いが、GX7 Mark IIのL.モノクロームはシャープな質感表現と階調の豊かさをアピールしている。
今回試用した個体はまだ画質評価ができない試作機のため、以下の実写画像は拡大ナシの縮小掲載である点をご容赦いただきたい。また、アスペクト比は全て3:2で撮影している。筆者の慣れと、ファインダー像がデフォルトの4:3に比べて画面いっぱいに表示される点があり、フル画素記録よりそれらの好みを優先した。