私はこれを買いました!

12年ぶりにリニューアルしたキットズームレンズ

XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR(今浦友喜)

年末恒例のお買い物企画として、写真家・ライターの皆さんに、2024年に購入したアイテムをひとつだけ紹介していただきました。(編集部)

防塵防滴・インナーズームの新しいキットレンズ

今年はXF16-50mmF2.8-4.8 R LM WRを買った。富士フイルムXシリーズの新しい標準キットズームレンズだ。

前身は2012年に発売されたXF18-55mmF2.8-4 R LM OISなので12年ぶりのリニューアルとなるレンズ。XF18-55に対して広角、高画質、防塵防滴、インナーズームと、十分な進化を感じられたのため発表された時点ですぐに購入を決めた。

直近約1年の個人的な変化として、志賀高原・石の湯ロッジでの定期的な写真教室がスタートしたことが購入を決めた理由として大きい。というのも、私は単焦点レンズが大好きでこれまで望遠のXF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR(35mm判換算:100-450mm、以下同)以外はXF14mmF2.8 R(21mm)、XF23mmF2 R WR(35mm)、XF35mmF2 R WR(50mm)、XF60mmF2.4 R Macroマクロ(90mm)、XF90mmF2 R LM WR(135mm)といったラインアップで撮影をしてきた。

しかし写真教室という環境ではやはりスピード感や、カメラポジションの制限などがあり、便利なXF16-80mmF4 R OIS WRを使う機会が多くなっていたのが、画質面やサイズ面でやや不満がありどうしようかなと悩んでいたため、XF16-50の登場は渡りに船といった状況だったのだ。インフレを起こしまくっているカメラ業界においては新品価格で10万円を切る価格設定も本当にありがたし。XF16-50は期待通りの性能でとても満足している。

また細かいところだが、これまではフレーミングを決めた後にフィルターの付け外しをすると自分の手でレンズを押し込んでしまったりして画角が変わってしまうことがあったが、インナーズームではそういったことがないのはうれしい誤算だった。

なお、XF16-50は防塵防滴でインナーズームのレンズではあるが、ズームすると内側で鏡筒が可動しているタイプのため雨や雪を拭き取りにくく、やや不安もあったため個人的には珍しく保護フィルターを常時着用して運用している。

唐沢の滝の滝壺近くは飛沫が舞ってカメラも自分もびしゃびしゃに濡れる。そんな中では防塵防滴でレンズ交換もしなくていいXF16-50mmF2.8-4.8 R LM WRがとても頼りになった。逆光時のゴーストは並程度に発生するが光源を木などで少し隠せばすぐに消えるので良し。
X-T5/XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR/絞り優先AE(1/140秒・F8・-0.7EV)/ISO500/WB:4950K

近況報告

本文にも書いた通り今年は写真教室が本格的にスタートしたことで撮影環境が一変した。志賀高原はこれまでもよく通っていたが、自宅からそれなりに距離もあるため通年とはいかなかったところ、今年はほぼ月一で通ったためこれまでとは見えてくるものが自ずと変わってきた。やはり定期的に通う場所があるのはいいことですね。今季は雪も多そうなのでこれからの冬シーズンが楽しみ!

1986年埼玉県生まれ。風景写真家。雑誌『風景写真』の編集を経てフリーランスになる。自然風景、生き物の姿を精力的に撮影。雑誌への執筆や写真講師として活動している。趣味はDIY。公益社団法人 日本写真家協会 会員(JPS)・石の湯ロッジ今浦友喜写真教室