イベントレポート
ニーズが高まるLED照明をチェック。「PHOTONEXT 2022」会場レポート(後編)
高出力型から変わり種まで様々
2022年6月9日 15:00
フォトビジネスおよびプロフォトグラファーを対象としたイベント「PHOTONEXT 2022」が6月7日と6月8日にパシフィコ横浜で開催された。主催は株式会社プロメディア。
展示されているアイテムのうち、年を追うごとに勢いを増しているのが「LEDライト」で、今回も目立つカテゴリーとなっていた。初期は演色性の悪さや出力の低さで敬遠されていたが、性能向上に伴いすっかり業界で受け入れられたアイテムとなっている。従来のストロボの専門メーカーがLED製品に注力している様子もうかがえた。
各ブースで話を聞くと、昨今では写真館で写真と同時にその場の動画を撮影するケースがあるほか、スチルの現場で機材に詳しくないスタッフでも光の状態を確認しながら撮れることから定常光のニーズが高まっている面もあるそうだ。
Godoxの大光量LEDライト(ケンコープロフェショナルイメージング)
消費電力で最大740Wの「KNOWLED M600D」を展示していた。税込27万2,800円で近日発売する。Godoxブランドでは最大光量のモデルとなっている。
デイライトタイプで色温度は固定。Vマウントバッテリーでの使用も可能。スマートフォンからの操作にも対応している。アクセサリーを付けるマウントはBowens。別売で照射角を10度まで絞れるフレネルアダプターを用意する。
シャッターにシンクロするハンディライト(ケンコープロフェショナルイメージング)
LIGHT & MOTIONのハンディタイプのLEDライト。ハンドル部分がバッテリーになっており、ケーブルレスで使用できる。特長はGodoxのXシステムのワイヤレスシンクロに対応していて、写真撮影時は定常光時の2倍の瞬間光を出すことができる点。
瞬間光のパワーはストロボには及ばないが、静止画と動画の混在した現場での使用を想定している。前面のレンズは取り外し可能で照射角の異なるオプションレンズに交換可能。USB Type-Cでの給電もできる。
2モデル用意し、出力が高くフルパワーで毎秒20フレーム撮影できる「reflex S」が税込18万4,800円、同10フレームタイプの「reflex」が税込14万800円。いずれもIP65の防塵防水性能を有する。
120cmと長いチューブライト(ケンコープロフェショナルイメージング)
Godoxのチューブライト「TL」シリーズのうち、120cmと長い「TL120」が参考出品されていた。発売日や価格は未定。
これまで30cmと60cmの2タイプがあったが、TL120が最も長いタイプとなる。チューブライトは複数本を組み合わせて形を作ったり、並べて面光源的に使用したりと人気が出ているタイプのライト。
従来品同様RGBカラーに対応するほか、様々な発光エフェクトも搭載する。スマートフォンからのコントロールも可能。
色温度可変タイプの大光量ライト(SAEDA)
前回のPHOTONEXTで参考出品だったPhottixの「X160」が5月に発売され、ブースにも並んでいた。価格は税込14万8,500円。
出力は150W。バイカラー対応ということで、色温度は2,800-6,800Kの間で変えられる。CRIも96+と高い。灯体とコントロールボックスが分かれており、コントロールボックスにはVマウントバッテリーを付けての運用も可能。スマホからの操作にも対応している。マウントはBowens。
直径60cmの大型面光源(SAEDA)
Phottixの丸形パネルライトの新モデルとして、従来よりも大きな直径60cmの「Nuada R5」を参考出品していた。価格は未定で2022年内に発売の予定。
従来の最大サイズは「Nuada R4II」の54cmだった。このシリーズは演色性が良く、肌色がきれいに出るとのこと。従来品同様に色温度を変更可能。Vマウントバッテリーでも使用できる。
こうしたサイズの面光源をソフトボックスなどで作るとかなり厚みが生じるが、このパネルライトは薄くて省スペースなのも特長となっている。
ランタンにもなる小型アンブレラ(SAEDA)
こちらも参考出品となるPhottixの新製品「G Capsule 40」。小型のアンブレラにトランスルーセントのアンブレラを組み合わせて、ランタンのような広がりのある配光を得られるアクセサリー。価格は未定で2022年内の発売を予定している。
トランスルーセントのアンブレラを外して、付属のスクリーンを付けるとソフトボックスとして使用可能。グリッドも付属する。内部にはフィルターを押さえるホルダーが装備してある。
骨は外側に引いて固定する方式。収納時はレバーを押すとテンションが解かれる。
amaranもロングタイプのチューブライトをリリース(アガイ商事)
LED照明で知られるAputureのサブブランド「amaran」からも、120cmのチューブライト「T4c」が登場した。発売済みで価格は税込4万9,000前後。
RGB LED搭載で様々な色に調節できる。amaranやAputureのほかのライトと組み合わせて、複数台をグループ化するなどして同時にスマートフォンからコントロールできる。AC電源のほか、同梱の外付け式バッテリーで動作する。60cmタイプの「T2c」も同時に発売されている。
※19時10分追記:記事初出時に「内蔵バッテリー」と記載していましたが、正しくは交換可能な外付け式バッテリーだったため修正しました。また、120cmタイプのほかに60cmタイプも同時発売されていた点を追記しました。
シンプルで低価格なLEDライト(コメット)
コメットのブースに展示されていたのは、コストパフォーマンスに優れるLEDライト「LED Area Light 55」。新製品ではないが、税込2万1,780円と比較的低価格なためよく売れているという。
色可変やスマートフォン対応など流行の機能は省き、本体に調光スイッチを設けるだけとシンプルな作りとなっている。240個のLEDチップからなり、色温度は5,500K。付属のディフューザーを付けると直径28cmの面光源としても使えるが、アンブレラもそのまま挿せるようになっている。
スタンドとアンブレラをセットにしたパッケージも用意している。
座れるキューブ型LED(プロペット)
耐荷重80kgのキューブ型LEDライト「LEDキューブ PCLA-D40」という変わり種が展示されていた。発売済みで、価格は税込4万9,800円。40cm角のライトで全体的に発光する。
色温度は変えられず、5,600Kタイプと3,200Kタイプの2種類を用意する。調光はできない。演色性はRa96以上あり、そのまま撮影用のライトとして使用できるという。複数並べて面光源のようにしたり、ウェディングで新郎新婦に座ってもらうといった提案をしていた。電源はAC駆動のみ。