イベントレポート
【CP+2019】フォクトレンダーの参考出品レンズが試写可能
ニコンZ/キヤノンRF用アダプターが登場 コシナブースにて
2019年3月2日 12:14
コシナブースで、発売前のレンズなどをチェックしてきた。参考出品の製品は、いずれも発売時期・価格ともに未定。ブース内のカウンターでは、参考出品のレンズも自前カメラで試写できる。
Voigtländer NOKTON 50mm F1.2 Aspherical E-mount
4月の発売が決まったソニーEマウントレンズ。希望小売価格は税別15万円。
先行する「同40mm F1.2」と近い描写傾向を持ちつつ「標準レンズ=50mm」という声に応えて追加された。この50mm F1.2はレンジファインダーカメラ用のVMマウント版が発売済みで、カメラ側のブライトフレームの有無に使い勝手が影響されないEマウント機であっても50mmを求める声が多かったという。
2018年のフォトキナではVM版のようなクラシックデザインを採用したEマウントレンズも参考出品されていたが、クラシックデザインはVM版、Eマウント版は従来通りの機能的デザインと棲み分けた。
Voigtländer NOKTON 21mm F1.4 Aspherical E-mount(参考出品)
フォクトレンダーのEマウントレンズラインナップに加わる広角大口径レンズ。標準ズームレンズに含まれない焦点距離として21mmが設定された。すでに21mmには「COLOR-SKOPAR 21mm F3.5 Aspherical」も発売されている。
2018年から2019年にかけて各社がフルサイズミラーレスカメラを投入したが、ソニーEマウントのフルサイズ機には5年のリードがありユーザーが多いため、今回はニコンZ/キヤノンRFについては後述のマウントアダプターをまず用意した。
21mm F1.4という広角大口径でありながら小型に収まっている理由には、ミラーレス構造によるフランジバックの短さが効いているという。デザインや操作性については、今回のブース展示で来場者に手に取ってもらい、感想や意見を集めたいとしていた。
Voigtländer NOKTON Vintage Line 75mm F1.5 Aspherical VM(参考出品)
ライカMマウント互換のVMマウントを採用する大口径中望遠レンズ。クラシカルな鏡筒デザインに、非球面レンズなどの技術も用いた現代的な光学系を組み合わせているのが特徴。描写のイメージは「NOKTON Vintage Line 50mm F1.5 Aspherical」に近いところを狙っているそうだ。
これまでのVintage Lineレンズの鏡筒は、ブラックがアルミ、シルバーが真鍮にクロームメッキという組み合わせだったが、今回は重量があるためシルバーもアルミ鏡筒にしたという。
絞りリングはクリックのある等間隔式。刻印の書体や、レンズ先端部の側面にシリアルを打つスタイルは、オリジナルのプロミネント用NOKTONに敬意を表しているという。
Voigtländer VM-Z Adapter / VM-Z Close Focus Adapter(参考出品)
ニコンZボディ用のマウントアダプター。フォクトレンダーVMおよびツァイスZMレンズ用としている。カメラボディのマウント部が大きいため、通常タイプのVM-Z Adapterはスラントした形状にし、レンズへの繋がりを意識したという。
発売済みのEマウント用Close Focus Adapterは全体が真鍮製だったが、今回新たに加わるZ/RF/X用のモデルは軽量化のために黒いリング部分もアルミ製になっている。
Voigtländer VM-RF Adapter / VM-RF Close Focus Adapter(参考出品)
キヤノンEOS RのRFマウント用アダプター。
接写用ヘリコイドが備わるVM-RF Close Focus Adapterは、繰り出し量3mm。RF用のみ、構造上の都合により接写用ヘリコイドの無限遠ロックが備わっていない。
Voigtländer VM-X Close Focus Adapter(参考出品)
富士フイルムXマウント用の接写ヘリコイド付きアダプター。繰り出し量はソニーEマウント用と同じ4mm。この繰り出し量はメカ的制約から決まるが、対応レンズのメーカーが作るマウントアダプターとして、レンズ側の性能が担保できる繰り出し量を意識しているのだという。
Voigtländer E-Z Adapter(展示のみ)
フォクトレンダーのEマウントレンズやVM-EアダプターをニコンZマウントに変換するアダプター。今回はケース内での展示にとどまっている。
薄さゆえレンズの固定方法に工夫があり、通常はバヨネットマウントの固定ピンで押さえるところ、このアダプターではバヨネットの爪アダプター内部で押さえる機構を採用している。横から覗き込むと、爪を押さえるための黒いパーツが内側に見える。
理由は、EとZのフランジバック差が2mmしかないため、レンズ固定ピンを使った機構では強度の確保が難しいからだという。取り外し時はカメラからアダプターとレンズを一緒に取り外し、マウント面側からロックを解除してアダプターを外す。ただ、今後よりよい方法があれば発売までに機構を変更する可能性もあるとしていた。
コシナが推奨する使い方ではなないが、これまでオールドレンズ用にEマウントアダプターをたくさん揃えたユーザーは、このE-Z Adapterが1枚あればアダプター2段積みでそれらの多くをニコンZに流用できるだろう。