イベントレポート

「鈴木さや香さんによる ママさんほんわかワークショップ」に参加してきました

赤ちゃんの何げない日常をステキに残そう

「子どもが生まれるから」という理由で一眼レフカメラやミラーレスカメラを購入する人はとても多いそうです。子どもを可愛く撮るために写真を習いたい! と思っても、子育て中のママは自分の時間を作るのはすごく大変……。子育て真っ最中でも写真を習いたいママにピッタリな「鈴木さや香さんによる ママさんほんわかワークショップ」に生後11カ月の娘と参加できたので、その様子をレポートします。

“赤ちゃんファースト”のワークショップ

「鈴木さや香さんによる ママさんほんわかワークショップ」は、写真ワークショップでは珍しく赤ちゃん~未就学児と一緒に参加できる無料のワークショップです(要予約)。

昨年の5月から月1回(午前・午後)で開催されていましたが、好評で毎回満席のため現在は月2回(午前・午後)に増やして、品川のキヤノンプラザSのショールームで開催されています。

ほんわかワークショップを担当する講師は、2歳の男の子の子育て真っ最中だという写真家の鈴木さや香さん。ワークショップはさや香さんのママ目線のアイデアを取り入れて、赤ちゃんにもママにも参加しやすいスタイルにしたそうです。

鈴木さや香さん。2歳の男の子のママ。東京造形大学卒。写真家山岸伸氏に師事し独立。写真展などで作品を発表しながら、写真誌や広告写真などで活動している他、企業へのセミナーや、写真教室などの講師を担当。子どもや赤ちゃんのポートレート撮影を得意としています。

参加者に貸し出されたカメラは、キヤノンのミラーレスカメラ「EOS Kiss M」。荷物が多いママでも持ち歩きやすい小さなボディが特徴で、簡単にキレイな写真が撮れるように開発されたカメラです。ワークショップ中に色々なレンズを試すこともできました。

参加対象は、子育て中のママ・パパと未就園児くらいまでのお子様。参加する子どもは1歳前後の子が多く、参加した中で一番小さな子は生後1カ月だったそうです。

講習スペースは、赤ちゃんが転んでもけがをしにくいジョイントマットが敷かれ、ベビーゲートで囲われていました。赤ちゃんが危なくないように配慮されているので安心して参加できました。

赤ちゃん用のオモチャがいっぱい用意されていて、赤ちゃんは新しいオモチャに興味津々。さや香さんは赤ちゃんに声をかけながらワークショップを進めていきます。

知らない場所で最初は緊張していた娘も、年齢の近いお友だちがいてリラックスした雰囲気に慣れてくると、だんだん笑顔が増えてきました。

「赤ちゃんとのお出かけって、荷物が多くて本当に大変なんですよね。なるべくお家に近い環境のワークショップをしたいと思って、ジョイントマットを敷いてワークショップ中は赤ちゃんが自由に遊べるようにしています。ワークショップは赤ちゃんのリズムが優先で、お子様の飲食やおむつ替えは自由におこなっていただいています」

ママにとって赤ちゃんとのお出かけで一番気になるのが、おむつ交換できる場所。キヤノンプラザS 2階のトイレは多目的トイレなので広く、ベビーカーと一緒に入ることができます。おむつ交換台だけでなく、紙おむつ用ゴミ箱が用意されていました。

「プレママさんの参加もOKです。プレママさんがいる時は、プレママ用のスライドを用意しています。出産までの日常の撮り方をお見せすることで、出産までの月日や赤ちゃんが生まれてきた時のママの気持ちを残すヒントになれば良いなと思っています。プレママさんには、不安などの素直な気持ちを写真に載せましょうとお伝えしています。写真に残す出来事は良い事ばかりじゃなくても大丈夫です。後から見たら、全部大事な思い出になります」

セミナーで使用した資料より(鈴木さや香さん制作)

「生まれてくる前のパパの優しさとかも、写真と一緒にしまっておくのもいいですよ」

セミナーで使用した資料より(鈴木さや香さん制作)

お母さんにしか撮れない、赤ちゃんの日常

ワークショップでは、さや香さんがお子さんを写した作例を見ながら、スマートフォンとレンズ交換式カメラの違い、きれいな光の見つけ方、カメラの使い方など、「お母さんしか撮れない赤ちゃんの日常」の写し方を教えていただきました。

「あどけない時期は可愛くてしかたないですよね。みなさんが「歩きはじめた時の最初の1歩」や「初めて自転車に乗れた時」など、ファーストショットは撮りたくなる気持ちもわかります。だけど、撮ることに一生懸命になってしまって、良い瞬間を見逃してしまうことがよくあるんですね。子どもは最初の1歩を歩いたからといって、すぐにスムーズに歩くわけではありません(笑)。何度も何度も1歩を踏み出して、ようやく歩けるようになってきます。なので、一番最初はしっかりご自身の目でしっかり見てあげて、2~3回と慣れてきてからカメラで撮ってあげてください」

「こちらの写真は、うちの子が離乳食が終ってパンケーキを食べた時のファーストショットです。ファーストショットと言っても、実は初めて食べたのではなく、この写真は5回目くらいです。一番最初にパンケーキを食べさせた時は、ノドを詰まらせないかと心配だったので写真は撮りませんでした。本当の“初めて”にこだわらなくてもファーストショットは撮れます」

セミナーで使用した資料より(鈴木さや香さん制作)

「子どもが初めて体験した時に「できたね」「すごいね」といっぱい褒めてあげてください。そうすると、子どもはお母さんに褒められるのが嬉しいので、何度もその仕草をしてくれますよ」

「逆にお母さんやお父さんがいつもカメラで撮ることを一生懸命になりすぎると、お子さんが3歳くらいになった時に写真を撮らせてくれなくなってしまうことがあります。写真は集中して撮っていると、つい無言になってしまうんですね。しゃべらないでカメラやスマホで撮り続けると、子どもは寂しくてカメラで撮られるのが嫌になってしまいます。写真に集中するのは最初の2~3枚で、あとはいっぱいお話しながら撮ってあげてください」

EOS Kiss Mを使って、背景をぼかす方法やぶれない方法を教えてもらい、実際に子どもを撮ってみました。

スマートフォンと違い、ピント合わせが速いので、動き回るお子さんでもシャッターチャンスを逃さず撮ることができたようです。

ママが撮りやすいようにショールームのスタッフがぬいぐるみを使って、赤ちゃんをあやしてくれる場面も。

家に帰って家族に見せびらかそう!

10分ほどの撮影タイムが終わった後、EOS Kiss Mで撮影したデータから2枚選んで、2Lプリントがプレゼントされました。また、EOS Kiss Mで撮影した写真をプリントしている間に、スマートフォン専用ミニフォトプリンター「iNSPiC」を体験させてもらえました。

EOS Kiss Mで撮影した2L版のプリント2枚と、スマートフォン専用ミニプリンター「iNSPiC」で出力した写真をお土産として持って帰ることができました(EOS Kiss Mで撮影した画像は、初期化済のSDカードを持参すればデータで持ち帰ることができます)。

専用アプリをインストールしたスマートフォンと「iNSPiC」をBluetoothで接続するだけで、簡単にプリントすることができます。

「iNSPiC」はシール用紙にプリントされます。家に帰って100円均一ショップで売られているマグネットシートに貼れば、オリジナルのマグネットを作ることができるそうです。

プリントのプレゼントは、参加者に毎回好評でとても喜ばれるそうです。

「データだけでなく、お家に帰って“こんな事をやったよ”とパパなどに自慢できるといいなと思ってプリントのお土産を用意しました。プリントサイズが大きいと持ち帰るのが大変なので、2Lサイズにしています」

「お母さんは写真を撮ることはもちろん、撮った後の事を気にしている印象があります。よく“SDカードがいっぱいになったらどうすれば良いですか?”という質問をいただきます。そのような時、プリントを積極的にやったほうがいいですよ、とお伝えしています。パソコンにデータを保存してしまうと、いつでも見られる安心感からか見なくなってしまうんです。でも、プリントやフォトブックという形に残しておけば、パソコンを開かなくても簡単に見ることができます」

キヤノンのフォトブック「PHOTOPRESSO」で作成されたさや香さんが作ったフォトブック。「PHOTOPRESSO」のサイトで購入することもできます。

写真は未来の子どもに向けたメッセージ

最後に、子どもを撮るママに向けてメッセージをいただきました。

「子どもには、その子特有の仕草があると思います。例えば独特なハイハイだとか、指しゃぶりの癖とか。“その子らしい”個性が撮れるのは、いつも一緒にいるお母さんやお父さんだけです。一見、何気ない日常に思えるかもしれませんが、10年後写真を見返した時に“小さい時はこんな風だったな”、“こんなに大きくなったんだ”など、その時の気持ちがよみがえってくると思います」

「見るという行為は、間接的な深い愛情だと思います。写真に残してあげることで、“あなたのことをこうやって見ていたよ”と子どもに伝えることができ、子どももうれしいと思います。写真スタジオでかわいい写真を残すのも記念としていいと思います。だけど、ママにしか撮れない日常の写真はいっぱいあります。それをプリントやフォトブックにまとめて、みんなに見せびらかしてほしいですね」

帰宅後、お土産の2Lプリントと「iNSPiC」のプリントで作ったマグネットを冷蔵庫に貼りました。写真がスマホやカメラに入っていると子どもは見ることができませんが、プリントを飾っておけばいつでも見ることができます。冷蔵庫に貼ったら保育園から帰ったお兄ちゃんが妹の写真をすぐに見つけて、「どこ行ったの?」「ボクの写真も作って~」と言われてしまいました。暮らしの中に写真があると、家族の会話が自然と増えていくことを感じました。

ほんわかワークショップは、参加者もママ、教えてくれる講師もママで、タイトル通りほんわかとした雰囲気で写真を学ぶことができます。写真をきれいに撮りたいというママは、ぜひ参加してみてください。素敵な写真を残すヒントが見つかるはずです。

加藤マキ子

編集者、ライター。女子美術大学卒。二児の母。カメラ書籍を手掛ける編集プロダクションで女性向けのカメラ雑誌や書籍を多数手掛ける。その後、実用書系編集プロダクションを経て、2013年に独立。仕事が好きで、マグロのように止まらず常に全力疾走中!