デジタルカメラマガジン

身近なお菓子を新しいイメージで撮る

5月号特集「家で撮る写真」より ポテトチップスを銀河の惑星のように

デジタルカメラマガジン2020年5月号は「家で撮る写真」を特集。身近な被写体の撮影テクニックを全19テーマ掲載しています。今回はその中から、お菓子を新しいイメージで撮るアイデアについて紹介します(編集部)

キヤノンEOS RP / RF35mm F1.8 MACRO IS STM / 35mm / マニュアル露出(F2.8、1/320秒)/ ISO 320 / WB:3,800K

普段から目にしているものは、用途や素材などで被写体としての振り幅が決まってしまうことがある。しかし、もう一度じっくり観察し、思い込みを取っ払い、新しくイメージすることで、自分の世界に引き込むことができる。それは写真の面白いところだ。今回はコンビニで売っているお菓子を使ったが、お菓子は見たことのある身近なものほど、そのギャップが感じられて楽しい。最初に新しいイメージを作ることが難しい場合は、まずは暗く撮ってみたい、明るく撮ってみたいなどのざっくりとしたイメージから始めてみよう。そこから徐々に膨らませていき、最終形に仕上げたい。

1.アルミホイルの上にアクリル板を配置する

撮影スペースは小さく作った方がコントロールしやすい。アルミホイルを大きく切り取り、丸めて開き、細かい折り目やシワを作る。そして、伸ばし過ぎないように敷く。アルミホイルの上におちょこや消しゴムを置き、アクリル板を4〜6cmほど持ち上げて配置する。その隙間にライトを置いて照射する。

・アクリル板:透明であれば厚さはなんでも良い。使わない額などに入っているものや、下敷きの透明なものがあればそれでも代用できる
・サランラップ:乱反射をさらにしやすくするためにクシャクシャに丸めたあと、アルミホイルの上に広げて敷く
・ライト:光源となる面があまり大きくないものを選ぶ(今回はプロフォトC1)。光を離し過ぎないよう、15cmくらいを目安にサイドに配置する
使用したライト

2.WBを3,800Kにして銀河のイメージを演出

ピクチャースタイルでコントラストを上げて凹凸がより目立つようにする。WBも3,400〜4,000Kにして青くすると、背景の反射に青みが乗る。逆にWBをアンバーに振れば、燃えるような恒星のイメージとなる。イメージに合わせてWBを変更しよう。

WB:オートの例
オートWBだと色みが味気ない
POINT:電飾ライトで前ボケを作る

電飾を被写体とレンズの間に入れてぼかすと、大きな前ボケが作れる。暗部を締めて前ボケの輝きを強調できるとコントラストが付いて幻想的なイメージになる。電飾はチカチカするモードではなく、常灯モードの方が撮りやすい。

クリスマスツリー用などの電飾ライトを使う
アルミの上にチョコレートを乗せ、霧吹きで水滴をつける。チョコレートを雪山のように見立てて、水に反射しキラキラする効果を狙う
上の状況カット。照明はサイド光よりもやや後ろから当てる。近すぎるとコントラストが付きすぎてしまうので注意。チョコレートが入っていたビニールをレンズの前に持っていくと、ソフトフォーカスのようになる
焼き菓子はやや温かみのあるホワイトバランスで見せたいものだが、逆に3,200Kくらいにまで落とすことで、クッキーがまるで土のブロックみたいになり、絵画のような仕上がりになる