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Askar、光学系を新設計した「SQA55鏡筒」
デュアルナローバンドフィルター2枚セットも同時発表
2024年9月17日 10:50
SQA55鏡筒
口径55mm、焦点距離264mm、F4.8の対物レンズを搭載した鏡筒。価格は16万4,000円前後。発売を記念し、初回入荷分に限り特別価格14万3,000円で直販サイトで販売している
光学系は写真撮影用の対物レンズ向けに新設計され、SDレンズ1枚とEDレンズ1枚を含む5群5枚構成となっている。
また、色収差や球面収差、像面湾曲など、収差を徹底的に排除したフラットフィールドを実現。
周辺部と中心部において、星の大きさや収差にほとんど差がないため、視野をずらしつつ撮影するモザイク撮影に最適という。
加えて、中心スポット半径は約2.2μm。さらに、フルサイズセンサーの最周辺でも半径約3.7μmの鋭像を結ぶ設計となっている。
レンズの性能を示すMTF(Modulation Transfer Function)は、10本/mmの曲線が1.0に近く、30本/mmの曲線も中心から周辺まで均一かつ、高水準で高い解像度とコントラストを確保。
周辺光量においても、フルサイズ最周辺で90%を確保。14枚羽根の円形絞りを搭載したことで、絞った状態でも星像への影響も小さいという。
接眼部側の円周4カ所には、クイックリリースシステムのレールを装備。鏡筒バンドや三脚座を好きな位置に固定できるほか、社外製の電動フォーカサーを取り付けるAFキット(近日発売予定)を使用することで機能拡張にも対応する。
なお、鏡筒ハンドルや三脚座をすべて取り外すと、望遠レンズのように手持ちで使用することもできる。
この他、ダブルローテーター(回転装置)を採用し、鏡筒とカメラの回転角をそれぞれ自由に変更可能。
デュアルスピードヘリコイドを採用したことで、微動と粗動を別のリングで操作できる。
対物レンズ前面には、67mmのフィルターネジ切りがあり、フィルターの装着にも対応。鏡筒後端のM48アダプター内部にも、M48フィルターが装着可能。
鏡筒ハンドルは、ファインダー台座と一体型。ガイドスコープをはじめとしたオプション機器の接続に対応する。
フードは取り外して逆付け収納が可能。収納時の全長は244mm。
質量は約2.18kgであるため、小型の赤道儀でも搭載できる。
- 口径:55mm
- 焦点距離:264mm
- 光学系:5群5枚(SDレンズ1枚、EDレンズ1枚)
- 口径比:f/4.8
- 絞り:f/4.8~f/22
- 最短合焦距離:5m
- 全長:約244mm(フード収納時)/ 約316mm(フード装着時)
- フード外径:92mm
- フィルター径:67mm(対物レンズ先端)、48mm(M48アダプター内部)
- バックフォーカス:55mm±5mm ※できるだけ55mmに合わせて使用することで最大の性能を発揮
- 質量:約2.18kg(バンド・プレート込み)
- 付属品:ミリタリーグレード防水ハードケース
カラーマジックCフィルターセット48mm
特定の輝線を透過するデュアルナローバンドフィルターを2枚セットにしたパッケージ。HαおよびOIIIの輝線を透過する「C1」、SIIとOIIIの輝線を透過する「C2」を組み合わせている。価格は4万円。フィルター径はいずれも48mm。
2種類のフィルターで同じ対象を撮影し、RGBチャンネルに分解することで、OIII、Hα、SIIの輝線をそれぞれ得ることができるようになる。
また、モノクロカメラとナローバンドフィルターを用いなくても、カラーカメラと同セットのみでS(SII)+A(Hα)+O(OIII)合成が行える。
同社によると、既に販売されている「D1+D2」フィルターよりも半値幅が広く、低コストを実現。より短時間の撮影でも、十分なS/Nが得られ、はじめてカラーカメラでSAO合成に挑戦する人にオススメのフィルターセットだという。
- 透過波長:C1:OIII+Hα/C2:OIII+SII
- ネジ:M48×P0.75mm
- フィルター厚み:2.0mm
- 透過幅:(C1)OIII:35nm±5nm/Ha:15nm±3nm/(C2)OIII:35nm±5nm/SⅡ:15nm±3nm